2008年11月19日

塩釜が誇る銘酒 「 浦霞 」の蔵元

2008年11月15日(土)

塩釜神社の末社である御釜神社を見物している時、地元のおばちゃんがお参りに来ていた。
ジップロックの袋にお賽銭用の小銭を入れて持っていた。
お参りは毎日欠かさないらしい。

彼女は、自分のお参りが済むと、神社の由来を書いた説明板を読んでいるニヘドンに声を掛けて来た。
「 観光の方ですか?」
そして、塩釜の人々がニヘドンに対して人懐っこい言葉を掛けて来たのと同じ様な会話を繰り返した後、観光案内をしてくれた。
その彼女が、この御釜神社のすぐ近くだから是非見て欲しいと強力に勧めて来たものが有る。

それが写真に写っている「 法蓮寺( ほうれんじ ) の向拝 ( こうはい ) 」。
向拝を平たく言うと、門の屋根。
( うぷぷ…。すごい端折り様だ。)

法蓮寺は、塩釜神社の神宮寺として室町時代に創建された歴史有るお寺さん。
ところが明治維新の廃仏毀釈によって廃寺の憂き目に遭う。
諸堂は取り壊され、仏像、仏具は分散、散逸した。
向拝部分を多賀城市の南宮( 慈雲寺 )が譲り受け、ずっと、そこに有った。
平成18年に法蓮寺の本堂を建て替える事になり、それを機に向拝が塩釜に戻って来る事になった。

塩釜での引き取り先を決めるのに、やはり塩釜で歴史のある銘酒「浦霞 」( うらかすみ ) の醸造元が選ばれたと云う事だ。
「 また、この塩竈に戻って来たんですよ。
  ただのお寺の屋根だって言われたらそれまでなんですけどね。
  また、塩竈に戻って来れた向拝を、是非見てやって下さいよ。 」
おばちゃんが熱く語る心の根元に、熱い信仰心が窺えた。
信心があるから、また戻って来た向拝が、いとおしくていとおしくてたまらないのだろう。

おばちゃんの言う通り、見に来た。
向拝の写真を撮り、向拝の前に設置された説明板を読んだ。
土曜日だったので、蔵元は営業をしていなかった。 窓も入り口もシャッターが閉まっていた。
突然、ガラガラ! と音がし、シャッターが開けられた。
出入り口から、作業服を着た男性が3人出て来た。
説明板を読んでいる二へドンを認めると、3人共頭を下げて、
「 こんにちは 」と言った。
びっくりした。
二へドンは蔵元の客ではなく、単なる通りすがりの観光客だという事は
見て分かったはずである。
なのに、「 こんにちは 」!?
二へドンが逆の立場だったら、同じ事が出来るだろうか?
二へドンだったら、「 け! ろくに歴史も分からない輩が、説明板読んでどうなる? 」と
意地悪な事を考えて、挨拶なんかしないと思う。

塩竈に来て、出会う人、出会う人に、人懐こい親切な言葉をかけてもらっているが、
ここでも又、同じ現象が起こってしまった。

塩竈、優し過ぎるぞ。 二へドンは涙もろいんだぞ。 勘弁してくれ。

***** 「 塩釜が誇る銘酒 「 浦霞 」の蔵元 」 ・ 完 ********



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Posted by ニヘドン at 20:19│Comments(0)歴史散歩
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