2011年05月19日

「 ブラック・スワン 」

鑑賞日:2011年05月16日(月)
映画館 : 109シネマズ 横浜みなとみらい
監督 : ダーレン・アロノフスキー
出演 : ナタリー・ポートマン
ミラ・クニス

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ニヘドンは7歳の頃、クラシック・バレエを習いたくて、でも家庭の経済状況から、とても親に習わせてくれと言い出せなくて、教室の敷地の植え込みに潜り込んで、練習する少女達の姿を飽かず眺めていた過去を持ちます。
だからバレエや舞踏を見るのが大好きなんですよね。
「 ブラック・スワン 」が日本で公開されるのを楽しみにしていました。
ところが、いざ見てみたら、ニヘドンが勝手に思い描いていた映画と全然違っていたのでビックリしてしまいました。
日本人は概ねクラシック・バレエを好む国民性があると思います。
子供の頃に習う「 お嬢様 」が多いからでしょうか?
少女漫画にも、プリマを目指す女の子が主人公の根性物が数多く有りますよね。
ニヘドンは、てっきり「 ブラック・スワン 」も、ライバルの仕掛ける罠を潜り抜け、母親の病気や父親の会社の倒産等、次々に襲い掛かる苦難を乗り越え、最後には主役の座を射止め、大成功。
ついでに相手の王子役と私生活もラブラブ〜みたいな、よくある話だと思っていたんです。

実際に見てみたら、ありゃりゃりゃ。
サイコ・ホラーだったんですね。
しかも、かなり露骨な性描写も、あちこちちりばめられ、
そうか、だからR-15指定なんだと納得。

何処までが妄想で、何処までがリアルなのか、クライマックスを見る迄は分からないので、ニナに感情移入すると、焦燥感でジリジリしてしまいます。
気が付けば、自分も背中を掻きむしっていたり。
┐('〜`;)┌

リアルと妄想の境目が分からない様な描き方は、
「 シャッターアイランド 」的だと思いました。
「 ブラック・スワン 」はバレリーナの映画ではなくて、謎解きの映画だったんだよ〜。
ニヘドンは最後まで、この映画に騙されてしまいました。
ニナが、ライバルのリリーを殺してしまったと単純に信じてしまっていたんですから。
(∋_∈)

ニヘドンは映画を見る前に、プリマを目指して頑張る健気な女の子の話を期待していたので、映画の途中迄は
「 この映画、アカデミー賞取る程の映画なん?」と正直思いました。
だけど、ラストシーンを見て納得出来ました。
あ、其処迄、自分で満足の行ける踊りが出来たのだったら、此方も納得です。
確かに、凄いバレリーナのお話だったんですね。

精神的にどんどん追い詰められて行くニナの心の内を思うと怖いですが、
それよりも何よりももっと怖いのは、ステージママの存在です。
古今東西、自分の果たせなかった夢を娘に押し付ける母親は珍しくありませんが、一般的に早くから子供を自立させようとするアメリカ社会の中だと、こういう母親は格別に怖いですね。
ニナが自室でオナニーしていて、ハッと気が付くと、部屋の椅子の上で母親が寝ているんだよ。
キャー!!
この映画の中で1番怖いシーンだと思います。
成人しているニナに、母親が服を着せつあげる、爪を切ってあげる、電話やメールの嵐。
怖いよ〜。
日本でも、こういうママはいるけど、
日本の場合は、教育熱心なお母さんで通っちゃう場合が多いですからね。
日本の場合は寧ろ、放任主義のママに対するバッシングの方が強いよね。
ニナのママの怖さは
ホラー映画「 エスター 」に匹敵するものが有ると思います。
つい、ジョン・ベネちゃんの事件を思い出してしまいました。
自分の果たせなかった夢は、自分で解決しようよね!


ニヘドンは今日、恵比寿の Atre 6階に有るロシア料理店
「 マトリョーシカ 」でランチを食べました。
其処で「 味覚春秋 5 」と言う小冊子に「 映画とたべもの 」のコラムを見つけました。
渡辺 様祥子さんが書いていて、バレリーナとダイエットとの切っても切れない関係に付いて述べています。
渡辺祥子さん曰く
「 食べ物のエピソードは幾つかあるけれど、どれも食べることの幸せに結びつかないのがバレエ映画らしいところ!? 」
やはり人が何かに心を惹かれるのは、他人のちょっとキチガイな部分なんですよね。
完全なキチガイだと引いちゃうけど、
パラダイス・キス的に言うと
「 ちょっこしキチガイ 」な部分には惹かれてしまう。
何だかなぁ〜。

「 ブラック・スワン 」は、悪くは無いですが、
ニヘドンはもっと単純に頂点を目指す人の映画が観たいです。
ただ、アーモンドと人参だけの過酷ダイエットでアカデミー賞主演女優賞を取ったナタリー・ポートマンは、一見の価値有りです。



Posted by ニヘドン at 15:09│Comments(0)
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