2011年11月10日

「 いしになったかりゅうど 」

2011年11月10日(木)
小学校・朝の読書タイム
読み聞かせ

題名 : いしになったかりゅうど
出典 : モンゴル民話
再話 : 大塚勇三
挿画 : 赤羽末吉
発行所 : 福音館書店
発行日 : 1970年12月15日
1983年03月10日 第11刷
ページ数 : 36 p
絵本のサイズ : 23 x 32 cm

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

集合 : 08:20 @昇降口
担当 : 3年1組 プリンセス
3年2組 佐藤パセリ

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

[ 粗筋 ]
モンゴルの若い狩人のハイリブは、ある日森の中で白い蛇を見つけた。
その時、空から一羽の真鶴が降りて来て、蛇を嘴にくわえて舞い上がる。
助けを求める蛇の声を聞き、ハイリブは弓矢で真鶴を狙う。
真鶴は身を交わしたが、蛇を落としてしまった。

翌日、白蛇は蛇軍団を引き連れてハイリブの所へやって来る。
白蛇は龍王の娘で、褒美をやるのでハイリブを迎えに来たのだ。
娘は言う。
「 龍王の口の中にあり珠をもらいなさい。
鳥や獣の話が分かるようになるから。
けれども、この事を他の人間に話すと石になって死んでしまう。」

ハイリブは娘に言われた通り龍王の口の珠を自分の口に入れ、動物達からの情報を狩に役立てる。

数年後、鳥達が、山が崩れて大水で土地が沈むと騒ぐのを聞く。
ハイリブは村人達を救う為に急を告げ、
自分は石になって死んでしまう。

生き延びた村人達は「 ハイリブの石 」を永く祭った。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

最初はザワザワよそ事をしている子が見受けられた教室でしたが、龍王から褒美を貰う場面辺りから子供達はシーンと静まり返りました。

ニヘドンは、最後の村人達が避難を開始し、山が崩れ大水が流れ来る描写が胸に迫りました。
今年、3.11 の記憶を持って、この描写を読むと、どこか遠い世界の現実味の無い世界なんかでは無いんだけどですよね。
しかも、避難から水浸しになる場面迄、10ページも費やしている!!
うー。(; ̄Д ̄)

最後に子供達に感想を訪ねたら、とても沢山の手が上がりました。
一様に最後にハイリブが石になった場面が強く印象に残った様です。

プリンセスが担当した1組では、「 かりゅうど 」が何か分からない子供達が多かった様です。
かりゅうどって言ったら、狩人ですよねぇ?
あずさ2号に乗る兄弟ですよねぇ?
あずさ2号の狩人が分からない人は、自分は若いと思って喜んで下さい。
いえ、昭和生まれの人間だけが感じるノスタルジーなんでござります。

赤羽末吉の描く挿画は、絵本ファンにはお馴染みだと思いますが、
この作品は白蛇の娘が妙に色気が有って幽玄な艶かしさが有ります。
必見でございます。
美術がお好きな方、美術館巡りばかりでなく、
絵本の世界にも、素晴らしい美術が埋もれているんですよ。
絵本は子供の物と馬鹿にするなかれ。

最後に駄洒落コーナー。
「 いしになったかりゅうど 」 → 「 いし田様の嫁になった二へドン 」
むむ・・・ どうもすみません!

***** 「 いしになったかりゅうど 」 ・ 完 *****  


Posted by ニヘドン at 07:19Comments(0)読み聞かせ

2011年10月13日

「 舌ながばあさん 」

小学校・朝の読書タイム
読み聞かせボランティア
3年生

ちひろ美術館コレクション絵本 5
「 舌ながばあさん 」
武建華 ( ウーチェンホア ) ・絵
千葉幹夫・文
2001年03月20日初版第1刷 発行
発行所 : 小学館

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

妖怪の「 舌ながばあさん 」と「 朱のばん 」は山で迷子になった人間を驚かすのが楽しみだった。
ところが最近、人間が誰も山に登って来ない。
待ち切れなくなった「 舌ながばあさん 」と「 朱のばん 」は、里へ下りて様子を見る事にした。
実は人間が無計画に山の木を斬り倒してしまった為に、
洪水が起き、田畑が流され、人々は食べ物に窮し弱り切っていたのだ。

「 舌ながばあさん 」は人間の愚かな行いに腹を立てる。
しかし、人間がいなければ、自分たちの楽しみも無くなってしまうので、仕方無く人間を助ける事にした。

池の水を枯らされた事に腹を立てた竜神は人間を滅ぼそうとするが、
「 舌ながばあさん 」と 「 朱のばん 」は竜神と闘い、竜神を竜の玉の中に閉じ籠める。

人間は自分達の間違いに気付き、山に木を植えて育てた。
数年後、山の木は大きくなり、村人達はわざと道に迷った振りをして驚ろかされた真似をして妖怪達と仲良く遊んだ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

大人がこの絵本を読むと、山の木を後先の考え無く斬り倒した人間が、原発を許して重大な危機に直面している私達と重なって見えて仕方が有りません。

山の木は、植林をする事によって再生が出来ますけれども、
原発の問題は、これからどの様に始末をつけて行くのでしょうか?

読み終えた後、子供達に感想を訊いてみました。
1人の男の子が手を上げて答えてくれました。
「 竜がくしゃみをした所が面白かったです。」
他の子供達も、このシーンには同様の関心を持った様です。
「 竜の鼻の穴の中に入るなんて汚い!」
「 ベトベトだよね。」
「 俺やだ〜! 」

(*^_^*) 子供達が引っ掛かる所って、大人と全然違うから面白いです。

ニヘドンは「 朱のばん 」と言う妖怪を知らなかったので、勉強になりました。
息子ちゃんに訊いたら、「 ゲゲゲの鬼太郎に出て来た。」と言っておりました。
息子の方がよく知っているような今日この頃なのです。

***** 「 舌ながばあさん 」 ・ 完 *************

  


Posted by ニヘドン at 05:47Comments(0)読み聞かせ

2011年07月14日

「 イエペは ぼうしが だいすき 」

「 イエペは ぼうしが だいすき 」
英題 : JEPPE LOVES THE BROWN HAT
写真 : 石亀泰郎 ( いしがめ やすお )
文 : 文化出版局編集部
発行所 : 文化出版局
発行日 : 1978年12月17日第1刷発行
       2007年06月27日第57刷発行
ページ数 : 40ページ
サイズ : 22.0 × 20.8 cm

******************

小学校での読み聞かせボランティアの活動を
通して、年間に様々な絵本と出会います。
中には、子供よりも大人にこそ読んで欲しいと
思える絵本が沢山有ります。
この写真絵本「 イエペは ぼうしが だいすき 」も、
大人が読んで、心がほっこり来る絵本だと思います。
  

Posted by ニヘドン at 12:19Comments(0)読み聞かせ

2011年07月07日

「 おじさんのかさ 」

2011年07月07日(木)
小学校・朝の読書タイム
読み聞かせ 3年1組

題名 : おじさんのかさ
作・絵 : 佐野洋子
出版社 : 講談社
発行 : 1992年05月28日 第1刷発行
    2008年05月21日 第35刷発行
コード : ISBN 4 - 06 - 131880 - 2
N.D.C.913
ページ数 : 32ページ
サイズ : 31 cm

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

[ 粗筋 ]
立派な傘を持っているおじさんは、
雨が降っても傘をさしません。
おじさんが傘をささずに、
どうやって雨を凌いでいるのかが、
前半で語られます。
ページをめくる度に、文末は
「 雨にぬれるのが いやだったからです 」のフレーズが繰り返されます。
案の定、ここで子供達からクスクス笑いが洩れました。

ある日、おじさんが公園のベンチに座っていると雨が降り出し、小さな男の子と女の子の歌声が、
おじさんの耳に残ります。
「 あめが ふったら ぴっちょんちょん
あめが ふったら ぽんぽろりん 」

おじさんは思います。
「 本当かな? 」
好奇心の誘惑に勝てなかったおじさんは、
とうとう傘を開いてしまいました。
ページの見開きいっぱいに開いた傘のイラストは、
実に新鮮な驚きを感じます。
おじさんは雨の日に傘をさす楽しみを感じ、大満足したのでした。
家に帰ると、奥さんが声を掛けます。
「 傘をさしたんですか? 雨が降っているのに。」
ここでも子供達から失笑が洩れます。

読み聞かせの後、子供達に感想を聞いてみました。
「 傘をささなければ意味無い。」
が主流の意見でした。
そうだよね。でも自分が本当に大切だと思うものは、
本来の用途とは関係無く、
大事にしまっておきたいものなんですよね。

ニヘドンはいつも、読み聞かせの自宅練習をミュージカル俳優の佐藤隆介君に聞いてもらいます。
彼は既に高校生なので、小学生とは又別の感性を持っている筈なのですが、
彼が又実に喜ぶんですよね、読み聞かせを。

最初は、「 その話もう知ってるし。」と、
聞きたくない素振りを見せていましたが、夢中で聞いていました。
彼が一番反応したのが、最後です。
「 奥さんが出て来た! 」
うぷぷ。そんなにウケますかな?

今回ニヘドンは、作中の子供達の歌声を可愛く歌う様に読み、
おじさんの声を低く抑揚の無い様に読みました。
佐藤君は笑い転げてくれて、
ニヘドンは我が意を得たり。
「 あんた、段々、声が低くなって行くよ。」
「 何だ、その野太い声!」

はい。絵本を媒介に話が弾むのも、絵本の魅力です。
自宅練習も本番も楽しかったです。


***** 「 おじさんのかさ 」・ 完 *********  


Posted by ニヘドン at 10:09Comments(0)読み聞かせ

2010年10月07日

王さまと九人のきょうだい

朝の読書タイム
読み聞かせ 2年生

>8:20 昇降口集合です。
>
>1組 本田さん
>2組 プリ尾島
>3組 佐藤パセリ
>
>確認したら 返信ください。よろしくお願いします。

********************

中国の民話
『王様と9にんのきょうだい』

君島久子 訳
赤羽末吉 絵
出版社 : 岩波書店
価格 : ¥1,200.-+税
コード : ISBN4-00-110557-B
1969年11月25日 第1刷発行
2007年01月25日 第66刷発行

*********************

  

Posted by ニヘドン at 08:09Comments(0)読み聞かせ

2010年09月16日

「 10までかぞえられるこやぎ 」

朝の読書タイム
読み聞かせ・2年生

『10までかぞえられるこやぎ』
8:25 昇降口集合です。

1組 ミント塩田
2組 プリンセス
3組 パセリ


アルフ・プリョイセン 作
山内 清子( やまのうち きよこ )訳
林 明子 ( はやし あきこ ) 絵
日本傑作絵本シリーズ
福音館書店

ノルウェイの作家アルフ・プリョイセンのおとぼけストーリーです。
こやぎが、10まで数を数える事が出来るようになりました。
そして、こうしに出会います。
「 ぼく、10まで数えられるようになったよ!」
「 それって痛いの? 」

笑・笑・笑・笑・  このさり気ないユーモア感覚大好きです!!
こやぎが、「 ぼくが1つ、こうしが2つ。 1、2。」 と数えると、こうしは怒ってこやぎを追いかけます。
こうして、次々と道で出会う動物達を数えると、動物達は怒ってこやぎを追いかけます。
笑えます。
読後、子供たちに感想を訊いたら、「 どうして怒るんだろう?」 という声が多かったです。
そうですよ。 学校では正しく数えられなければ怒られるのですからね。

練習中、二へドンも何度も吹き出したくなりましたもの。
最後に、動物達は川を渡す船に乗り込みます。
1度に動物達が船に飛び込んだので、船は沈み始めます。
船長が 「 誰か数を数えろ! この船は10人乗りだ!!」 と叫びます。
こやぎが数を数えると、丁度10人( 匹? )乗っていました。
船はそれ以上沈まず、無事に向こう岸に辿り着きました。
こやぎはその後も、船で数を数える仕事をしました。

おしまい。

いいなあ。 こういう牧歌的な風景の中のおとぼけストーリー。 大好きです。

***** 「 「 10までかぞえられるこやぎ 」 」 ・ 完 **********  


Posted by ニヘドン at 11:44Comments(0)読み聞かせ

2010年09月01日

「 せんたくかあちゃん 」

朝の読書タイム

読み聞かせ
2年生
1組 : プリンセス
2組 : 佐藤パセリ
3組 : しづかさん

< こどものとも 傑作集 >
「 せんたくかあちゃん 」
英題 : WASHING-CRAZY MA
さく・え : さとう わきこ
発行 : 福音館書店
定価 : 本体800円 + 税
対象 : 読んであげるなら 3歳~
      自分で読むなら小学校初級向き
発行年月日 : 1978年08月01日こどものとも発行
          1982年08月31日こどものとも傑作集第1刷
          2000年06月10日第45刷
ページ数 : 32p
本のサイズ : 20×27cm
コード : ISBN4-8340-0897-5

*****************************

読み聞かせボランティア達の間では、とても有名な定番絵本です。
でも、私自身はこの絵本を子供たちに読み聞かせをした事が有りませんでした。
今回、読み聞かせの練習の為に自宅で読んでみてビックリしました。
「 あれ? こんなストーリーだっけ? 」
まるで初めて読むような新鮮な驚きが有りました。

ストーリー自体はナンセンスです。
洗濯が趣味のかあちゃんは、たらいを庭に持ち出して何でも洗います。
服はおろか、げたや傘や犬や猫や人間の子供たちまでも!!
そして庭や森の木にロープを張り巡らせて、洗った物達を洗濯ばさみで留めて干すのです。

犬や猫が洗濯ばさみでぶら下げられています。 ( うわ、動物虐待や・・・・。)
人間の子供たちもぶら下げられています。 ( うわ、児童虐待や・・・・・。)
よく、こんな厚みのあるものを挟む、特殊な洗濯ばさみが有ったねえ・・・・・・・。
高校生の息子ちゃんは、ツッコむ。 ツッコむ。

空の雲からかみなり様が落ちて来ます。
かみなり様は薄汚れていたので、かあちゃんは腕を振るってゴシゴシ洗います。
かみなり様はしわしわのくちゃくちゃ。
それ所か、顔のパーツも洗い流され、のっぺらぼうになってしまいました。
かあちゃんは子供たちに、クレヨンで新しい顔を描くように言います。
かみなり様の新しい顔は、何だかいい男になっていました。

翌日、かあちゃんが庭で洗濯をしていると、大勢のかみなりが落ちて来ます。
「 ぼくも新しい顔を描いてくれー。 」
「 ぼくもいい男にしてくれー。」

何とも破天荒なストーリーに、それをそのままイラストにしたナンセンス振りが可笑しくて
可笑しくて・・・・・・。 練習の時に笑い転げて、本番で笑ってしまわないか緊張しました。
いいね。 せんたくかあちゃん改め、かみなり専用美容整形外科!?

子供たちも思わずクスリと笑ってしまう、楽しい絵本でした。

***** 「 せんたくかあちゃん 」 ・ 完 ************

  


Posted by ニヘドン at 22:30Comments(0)読み聞かせ

2010年07月08日

「 山いっぱいのきんか 」

朝の読書タイム・読み聞かせ
2年生

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

おはようございます
明日 朝読『山いっぱいのきんか』です。

8:25 昇降口集合です。

1組 本田さん
2組 佐藤パセリ
3組 塩田さん

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

題名 : 山いっぱいのきんか
ぶん : 君島久子
え : 太田大八
発行所 : 童話館出版
価格 : 1,400円 + 税

*****************

[ 中国の昔話より再話 ]

昔、中国の山里にランフーという若者がいた。
ランフーは、ある月夜の晩に山へ草刈りに行った。
驚いた事に、山道いっぱいに金貨が敷き詰められている。
そこへ銀色の髪をした不思議なお婆さんが現れて、
「 今夜は08月15日。 山の神様が月の光に金貨をさらす日だ。」 と教える。
お婆さんはランフーに金貨を3枚あげる。
  

Posted by ニヘドン at 07:49Comments(0)読み聞かせ

2010年06月10日

「 ヒギンスさんととけい 」

2010年06月10日(木)
朝の読書タイム・読み聞かせ
2年生
『ヒギンスさんととけい』
( CLOCS AND MORE CLOCKS )

8:25 昇降口集合です。

1組 プリ
2組 パセリ
3組 しづかさん


さく : パット・ハッチンス
やく : たなか のぶひこ
発行所 : 株式会社ほるぷ出版
定価 : 本体 1,400円
コード : ISBN4-593-50447-3

**************************

ヒギンスさんは、屋根裏部屋で時計を見つける。
この時計が合っているかどうか、確かめる為に、もう1つ時計を買いに行く。
新しい時計を寝室に置き、時刻が03:00なのを確かめ、屋根裏部屋に上がってみると、
屋根裏部屋の時計は03:01を差していた!!
どちらの時計が合っているのか確かめる為に、更に新しい時計を買いに行く・・・・・・・・。

この繰り返しで、ヒギンスさんの家には時計が合計4つになった。
どれも全部、見るたびに1分ずつ違う。
とうとう時計屋さんを呼んで調べてもらう事に。
時計屋さんの懐中時計で調べると、ヒギンスさんの家の時計は4つとも全部
正確だった。
ヒギンスさんは、懐中時計に感動し、自分も懐中時計を買った。
それからは、ヒギンスさんの家の時計は、全部正確だった。

*******************************

高校1年生の息子ちゃんにも読んで聞かせました。
物語終了直後の息子ちゃんのお言葉。
「 階段上がるのに1分もかかるのかよ! 」
母の返事。
「 まあまあ。 もう1度、イラストをよく見てよ。
  ヒギンスさん、メタボだから、階段を上がるのに息が切れるのよ。 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この親子、正しい絵本の味わい方をしていないね!? ( 笑 )

*******************************

2年2組の子供たちは、きちんと並んで床に座り、
「 読み聞かせお姉さん 」 が来るのを待ち受けていました。
こういう「 しっかりさせる 」習慣を、最近のS小学校では厳しく身につけさせています。
二へドンの息子ちゃんが小学校に通っていた時には、
「 ゆとり教育 」 全盛期で、なあなあだったんだけどね。

本を読んでいる間、子供たちはシーンと聞いてくれました。
最後に、子供たちに「 分かった? 」 と訊くと、1人の女の子が、
時計は動く事をヒギンスさんは気が付かなかったと指摘してくれました。
2年生は、今丁度、算数の授業で時計の読み方を習っている所です。
子供たちは、もうすっかり時計の仕組みが分かっているようです。

***** 「 ヒギンスさんととけい 」 ・ 完 **********
  


Posted by ニヘドン at 07:46Comments(0)読み聞かせ

2010年03月18日

「 ジオジオのかんむり 」


明日 今年度最後の朝読『ジオジオのかんむり』です。

8:25 昇降口集合

1組 しづかさん
2組 パセリ
3組 プリ

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


こどものとも絵本
「 ジオジオの かんむり 」
英題 : THE LION WITH THE BIRD'S NEST
岸田衿子( きしだ えりこ ) さく
中谷千代子 ( なかたに ちよこ ) え
発行所 : 福音館書店     
      〒113-8686 東京都文京区本駒込6-6-3
定価 : 本体 800円 + 税
発行 : 1960年07月01日 月刊「 こどものとも 」発行
  1978年04月01日 「 こどものとも傑作集 」 第1刷
  2008年12月05日 第47刷
ページ数 : 20p
サイズ : 27 x 20 cm
コード : ISBN978-4-8340-0714-5
対象 : 読んであげるなら 3歳から
      自分で読むなら 小学校初級向き

****************************

これは幼児が読むよりも、小学生が読むよりも、
社会の中で頑張って来た大人に読んでもらいたい絵本です。
本の中では、大きな事件は起こりません。
寂しい心と寂しい心が交差するだけです。 でも、その交差が新しい発展を生みます。

[ 荒筋 ]

ライオンの中でも最強のジオジオは、他の動物達が恐れて隠れてしまうので、つまらなかったのです。
ジオジオは年を取り、白髪が増え、目がよく見えなくなって来ました。
そこへ、6つの卵を失った「 はいいろのとり 」( 灰色の鳥 )が身の上を語ります。
3つの卵を豹が盗み、ヘビが2つ呑み、1つは川に落としてしまった。
そこでジオジオは、彼の冠の中に卵を生む様に提案します。
最強のライオンの冠の中の卵には豹もヘビも手出しが出来ず、
春に7匹の雛が孵ります。
よく目の見えないジオジオは、小鳥の声を嬉しそうにじっと聞きます。

絵本はこれで終わりです。

事件は何も起こりませんが、あらゆる事を示唆している様で興味深い絵本です。
「 強い 」存在が必ずしもハッピーではない。
ある、ある、ある、ある! 孤高のカリスマって奴ですね。
天才の気持ちは、凡人には分からないし。 
段々老いて行く悩みも、若い人には実体験は出来ない訳だし。
二へドンは最後のページに1番、意味を含ませたいと思いました。
老いた孤独な心を最後に癒してくれるのは、やはり、音楽なのか・・・・・・・・とね。

中谷千代子さんの絵も絶妙です。
決して原色を多用しない、おとなしい色調でありながら、森の香りが漂って来ます。
はいいろのことりと出会ってから、ジオジオの目が段々優しくなって行くんです。
自分の蔵書にしたい1冊です。

**********************************  

Posted by ニヘドン at 00:11Comments(0)読み聞かせ

2010年03月04日

「 おしゃべりな たまごやき 」


一応 クラスの報告をしておきますね。

1組 パセリ
2組 きのぴー
3組 プリ

よろしくお願いします

**************

日時 : 2010年03月04日(木)
題名 : 日本傑作絵本シリーズ
     おしゃべりな たまごやき
英題 : A KING AND HIS FRIED EGG
作 :  寺村輝夫 (  てらむら てるお )
画 :  長新太 ( ちょう しんた )
発行所 : 福音館書店
発行日 : 1972年12月10日 初版発行
      2001年04月05日 第75刷
ページ数 : 32 p
サイズ : 260mm×270mm
コード : ISBN4-8340-0378-7

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

この絵本は、絵本が好きな人、或いは読み聞かせ活動をしている人の間では
つとに有名な絵本ですね。
二へドンも、うん十年前に読んで以来、この絵本は、絵本界で不動の人気を維持しています。

荒筋は、王様がお城の敷地内を散歩中、鶏小屋を見つけます。
小屋にぎっしり詰め込まれた鶏を可哀想に思った王様は鶏小屋の扉に鍵が差し込まれたままだったので
扉を開けてしまいます。
中の鶏は一斉に外へ飛び出し、王様は鶏に追われる形で逃げ惑います。
ピストルを空に向かって撃ち、鶏達は静かになりますが、今度は鶏小屋の扉を開けた犯人探しが始まります。

本当の犯人である王様はしらばっくれていましたが、自室に戻った王様は手に、鶏小屋の鍵を持っていた事に
気付き、窓から捨ててしまいます。
その鍵を大臣達が見つけ、犯人はこの近くにいる筈だと王様の部屋も調べに来ます。
大臣達は何も見つけられませんでしたが、鶏が1匹紛れ込んでいるのを見つけ、連れて帰ります。

実は王様は、鍵を捨てる所をこの鶏に見られてので「 誰にも言うなよ。」 と口封じをしていたのでした。
大臣達が出て行った後、王様は鶏がいた辺りで、生みたての卵を発見します。
後で食べようと机の引き出しにしまいました。

再び大臣がやって来ます。
王様が夕食のおかずにリクエストしておいた目玉焼きが出来ないと言うのです。
ピストルの音でびっくりした鶏達が、1個も卵を産まなくなったと告げます。
王様は机の引き出しから卵を取り出し、これを目玉焼きにする様に言いつけます。

いよいよ夕食の時、目玉焼きにナイフを入れると、「 扉を 開けたのは このわしだ。 」と云う王様の声が
聴こえて来ました。 「 だまってろよ。 」 
どうやら鶏が王様の言葉を卵の中に隠していたらしいのです。
王様の給仕に立っていたコックが聞いてしまいました。
「 もちろん誰にも言いません。 」 コックも王様も、声を出して笑いました。

***********************************

ラッパの音とか、王様が走る音とか、リズミカルな言葉遊びが散りばめられていて、
絵本の楽しさは味わえます。
が、久々に読んだ二へドンは「 あれ! こんな話だっけ!? 」とちょっと意表を衝かれた感じです。
嘘を言って、そのままストーリーが終わってしまう所が、余りにもブラックで、気分が良くないな。

この絵本が出版された、1972年は、まだまだ日本の皆さんは「 正直たれ!」という時代でした。
小学校や中学校で「 道徳 」の授業も有ったしね。
そういう「 正直 」が当たり前の日常という社会の中で、この絵本はナンセンスとして実に面白い
存在価値があったと思うのです。

でも、21世紀の今、政治家も企業も高級料亭も嘘をついてばかりの世の中。
最近では、人は嘘をつくのが当たり前になってしまっているので、もう政治家や大企業の嘘の報道が
なされても、別段驚きもしないし、憤懣すら感じなくなってしまいました。
こういう気持ちで「 おしゃべりな たまごやき 」を読むと、
「 ナンセンスで面白い! 」と、単純に笑えない気分ですよ。






  

Posted by ニヘドン at 00:41Comments(0)読み聞かせ

2010年02月25日

「 ねずみのよめいり 」

1年生 朝の読書タイム
読み聞かせ「ねずみのよめいり」です。

8:25 昇降口集合です

1組 本田さん
2組 しづかさん
3組 佐藤パセリ

終わったら 本は 図書室に 持ってきてください。明日は 5年生の授業読み聞かせがあるので 時間が許せば 1時間目を引き続き 聞いていってくださいませ

よろしくお願いします

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

日時 : 2010年02月25日(木)
題名 : 日本の民話えほん
    ねずみのよめいり
文 : 岩崎京子 ( いわさき きょうこ )
画 : 二俣英五郎 ( ふたまた えいごろう )
発行所 : 株式会社教育画劇
発行日 : 1996年05月10日 初版発行
ページ数 : 28 p
サイズ : 190mm×262mm
コード : ISBN4-87692-557-7

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

よく知られた民話です。
が、この絵本の素敵な所は、そのリズミカルな語り口です。
読んでいる自分も、「 次は? 次は? その先をもっと聞きたい! 」と、ワクワクして来る程です。
そして同じ民話を扱った他の絵本と大きく差を付けているのが、娘を嫁に出す父親の気持ちが盛り込まれている事です。
父親が、「 世界一の相手でなければ、大切な娘を嫁には出さん。」と言うので、おじねずみが太陽を訪ね、雲を訪ね、風を訪ね、壁を訪ね、最後にねずみに辿り着きます。
この絵本の最後は、立派な嫁入り道具を揃えた嫁入り行列の場面で終わります。
ニヘドンの嫁入りより盛大ですよ。
「 たんす 七さお、ながもち 五つ。
つづらが 三つ、こうりが 二つ。
かがみに たらいに おはりばこ。」

ふーむ。この民話の地方は限定されていないけれど、嫁入り行列の凄さから行くと、名古屋が舞台なのかな?( 笑 )

読み聞かせが終わった後、恒例の「 感想を聞かせて下さい。」
・ 眼鏡の男の子 「 嫁に行ったねずみが、子供を産んでないのに、嫁に行くのでビックリした。」
  ( うーん。 それはきっとストーリーを読み違えてますね。きっと。 )
・ 女の子 「 またねずみに戻って来たから良かった。」
  ( ほうほう。 そうだよねー。)
・ 女の子 「 おとっつぁん って呼ぶのが面白かった。」
  ( え? みんなは「 おとっつぁん 」って呼ばないの? 我が家は「 おとう 」 って呼んでるよ。)

最後に二へドンからみんなに宿題を出しました。
「 世界で1番偉い人は誰か考えて来てね。 」
すると子供たちは即座に口々に言いました。 
「 神様~!」 「 神様だよ~!」「 神様~!!」 
え!? 「 かみさんじゃなくて? 」
宗教教育を行なわない公立小学校の1年生の大半が、
世界で1番偉いのは神様だと答える現実に、二へドンはびっくりしてしまいました。
カトリック系の幼稚園に通っていた二へドンですら、7歳当時、同じ質問にイエス・キリストと答えたか
どうか、甚だ疑問ですよ。
1人の男の子の答えが笑えました。
「 神様を生んだ人~!」
お~。 神様を生んだ人がいるんだ。 へ~。

***** 「 ねずみのよめいり 」 ・ 完 *************

[ お知らせ ]
「 フロスト X ニクソン ・ 後半 」の記事が完成しました。
こちらでお読み下さい。 → http://nihedon.hama1.jp/e820072.html  


Posted by ニヘドン at 00:21Comments(0)読み聞かせ

2010年02月04日

「 Frog and Toad Are Friends 」

2010年02月04日(木)

朝の読書タイム・読み聞かせ
2年生

「 Frog and Toad Are Friends 」
by Arnold Lobel

“ An I Can Read Book ”
Harper Collins Publishers
US $15.99
ISBN 0ー06-023957-3

ご存知、小学校2年生の国語の教科書に載っている
「 おてがみ 」の原作です。
英語で聞かせるのが目的ですが、
子供たちは国語の授業でやってから、結構時間が開いてしまったので、
日本語で読んでから、英語で読んでみたいと思います。

日本語版は、
「 ふたりは ともだち 」
アーノルド・ローベル 作
三木 卓 ( みき たく )訳
文化出版局 ミセスこどもの本
ISBN4-579-40247-2
定価 880円( 本体 854円 )
1972年11月10日 第1刷発行
1994年10月07日 第93刷発行

[ 荒筋 ]
がまくん( Toad )は元気がありません。 
おてがみを待っているのに、おてがみが来たためしがないのです。
かえるくん( Frog )は家に帰ると、がまくんに、おてがみを書きます。
「 Dear Toad, 
  I am glad that you are my best friend.
Your best friend, Frog. 」
その おてがみを かたつむりに配達を頼みます。
かたつむりは一向に配達に現れないので、かえるくんは自分が、がまくんに
おてがみを書いた事と、その文面をばらしてしまいます。

がまくんと かえるくんは、 しあわせな きもちになりました。
4日後、かたつむりが配達に現れました。

*********************************

このお話は、子供たちもお母さん達も、大大大好きな物語です。
でも、日本語と英語を読み比べちゃうと、英語のリズムには勝てないなあ。
英語の方が、音読していて、「 物語を語っている 」という気分が盛り上がるんですよ。
さあ、子供たちの反応はどうかな?


  


Posted by ニヘドン at 00:38Comments(2)読み聞かせ

2010年02月02日

「 きつね三吉 」

2010年01月28日(木)
…… 前半を読む。
2010年02月02日(火)
…… 後半を読む。

朝の読書タイム・読み聞かせ
5年生『きつね三吉』
8:20 昇降口集合です。
1組 カヨカヨ
2組 クイーン
3組 佐藤パセリ
4組 プリンセス

明日は 右側のページに雪景色の絵があり、「三吉がいなくなって、」で始まるページの終わりまで、つまり「ウメは、おもわず雪の中にとびだしました。」までです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

偕成社・日本の童話名作選
「 きつね三吉 」
佐藤さとる / 作
村上勉 / 絵
発行所 : 偕成社( かいせいしゃ )
ページ数 : 36P
ISBN 4-03-963220-6

[ 荒筋 ]

否含山( いなふくみやま ) と言う山の麓の村に、
茂平( もへい )と言うかじ屋の親方が住んでいた。
茂平には2人の弟子がいた。
兄弟子の長太( ちょうた )と、弟弟子の三吉( さんきち )だった。
三吉は、或る日突然、弟子にしてくれと茂平の前に現れてから、茂平の家に暮らす様になった。
5年後、長太は独立し、三吉は逞しい青年に成長し、親方の仕事を手伝っていた。
が、或る日、1人の坊さんが三吉に声を掛けた。
「 おまえ、こんなところでなにをしている。」
三吉は、親方の娘「 ウメ 」に、「 この……人と、ちょっとでかけます。」と言いおき出て行った。
それから三吉は行方が分からなくなる。
3ヵ月経ち、雪の降る日に茂平の家の前に1匹の怪我をしたきつねが倒れていた。
ウメはきつねの手当てをする。
8日目にきつねは立ち上がれるまでに回復するが、姿を消してしまう。
更に半月程して、三吉が戻って来る。
茂平曰わく「 もう、おまえをでしにはしない。」
しかし、それは絶縁ではなく、娘むことして家に入れとして言う事だった。
三吉はウメに、「 自分はきつねにされてしまったが、逃げ出した。
が、坊さんに化けたきつねに探し出され、連れ戻された。
怪我をしてウメに会いたくなったから戻って来た。」と云う話をして聞かせた。
しかし茂平は笑って信じない。

ラストが凄く気が利いているので、是非ご自分で読んでみて下さい。
大人が読んでも、どっぷり詩情に浸れます。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

物語のしみじみとした詩情性を、5年生にもなると楽しむ事が出来るので、皆、しーんと静まり返って聞いていました。
読み終えた後、日直さんに感想を聞いてみました。
女の子 … まさか、最後がそう云う事だと思わなかったので、不思議な気持ちになった。けど、ハッピーエンドで良かった。
男の子 … 茂平は自分がきつねだったから、三吉がきつねだと見破ったんだと思った。

* * * * * * * * * * * * * * * *

おお! いいじゃん!
物語の筋をきちんと理解してるじゃん!
5年生、ナイス!

イラストが又いいんですよ。
きつねが倒れてウメに手当てを受けている場面では、手桶の水に赤い花びらが散っているのです。
きつねが倒れたのは雪の降る時期だったのに、花!? なんて無粋な事を言ってはいけません。
花は、三吉ぎつねとウメの淡い恋心の象徴なんですから。
一見、桜の花びらに見えるのですが、よく見ると葉っぱの形から八重の椿らしいです。
物語が終わった最後の奥付けのページにも、手桶を前に、ちょこんと座ったきつねのイラストが描かれています。
桶の水の中には菜の花が挿してあります。
こういう、どこからどこまで繊細な詩情に溢れている絵本を見ると、もう本当に絵本の世界から足抜け出来ませんって。

読み聞かせの前にQUEENと話をして、ある疑問が・・・・!
茂平の妻の「 おみね 」には「 お 」が付いているのに、娘の「 ウメ 」には「 お 」が付いていないのは何故?
普通、「 おウメ 」でも通りそうなものじゃない?
まあ、考えられるのは「 お 」には尊敬の意味を表す時に付けられるから、年上の女性には「 お 」を付けて、若い女性には「 お 」は付けないの?
他の民話ではどうだったのか、調べてみたくなりました。
かように読み聞かせは奥の深い世界なのであります。

***** 「 きつね三吉 」 ・ 完 ****************

[ お知らせ ]
グッズ関連に絞った記事を集めているブログ「 いらっしゃいませ!ドンドンドラッグストア 」も
二へドンは持っています。
半年程更新がストップしていたのですが、01月30日(土)より4日間連続更新しちゃってます。
今日の記事は「 フルーツビネガー 信州りんごの酢 」です。
→ http://ishidakumicho.hama1.jp/e817243.html
是非読んでね!!


  


Posted by ニヘドン at 15:19Comments(0)読み聞かせ

2010年01月21日

「 おさらを あらわなかった おじさん 」

2010年01月21日(木)

朝の読書タイム
1年生・読み聞かせ
「 岩波の子どもの本
  おさらを あらわなかった おじさん 」
( THE MAN WHO DIDN’T WASH HIS DISHES )

文 : フィリス・クラジフスキー
    ( Phyllis Krasilovsky )
絵 : バーバラ・クー二ー
    ( Barbara Cooney )
訳 : 光吉夏弥
発行所 : 岩波書店
価格 : ¥550.- ( 本体534円 )
発行 : 1978年04月21日 第1刷発行
      1992年06月10日 第3刷
ページ数 : 29p
コード : ISBN4-00-115135-9

*****************************

3色刷りの小型絵本。 
絵柄もストーリーも、40~50年程前の旧き良き時代の雰囲気です。

[ 荒筋 ]
1人暮らしのおじさんは、或る晩とってもお腹を空かせ、晩御飯を大量に作りました。
ご飯の後はお腹いっぱいで、皿を洗わずに寝てしまいました。
ところが次の晩も、同じ事を繰り返し、流しにはどんどん使った食器が山積みに。
こんな事の繰り返しで、流しに食器を置けなくなったので、今度はテーブルの上に積み、
本棚に乗せ・・・・・・・空いているスペースなら、どこもかしこも食器を積みました。

とうとう綺麗なお皿が1枚もなくなり、食器の替わりに他のものを使い始めました。
風呂場の石鹸入れ、灰皿、新しい植木鉢、キャンディー皿、花瓶!

おじさんはベッドの場所すら分からなくなり、みじめな気持ちになりました。
そこへ突然雨が降り出し、おじさんは良い事を考えました。
汚れた食器を全てトラックの荷台に乗せ、雨の中トラックを運転していきました。
あめが、すっかり あらってくれたのです!
洗い終わった後、また食器を元の食器棚に綺麗に戻しました。
これに懲りたおじさんは、それからは ちゃんと晩御飯の後にお皿を洗うようになりました。

*********************************

すごいナンセンス絵本ですけれど、二へドンはちょっと耳が痛かったです。
ちょっと部屋の掃除に時間を掛けたりする今日この頃・・・・・。( 笑 )  

Posted by ニヘドン at 00:13Comments(2)読み聞かせ

2010年01月14日

「 マーシャとくま 」

2010年01月14日(木)
朝の読書タイム
1年生・読み聞かせ

8:25 昇降口集合です。
[担当]
1組 しずかさん
2組 パセリ
3組 プリンセス

**************

世界傑作絵本シリーズ・ロシアの絵本
「 マーシャとくま 」

絵 : E・ラチョフ
再話 : M・ブラート
訳 : うちだ りさこ
発行所 : 株式会社福音館書店
価格 : ¥800.- ( 税別 )
発行 : 1963年05月01日 
      2004年04月01日 第51刷
ページ数 : 12p
サイズ : 28 X 23 cm
コード : ISBN4-8340-0011-7
特記 : 全国学校図書館協議会選定
      厚生省中央児童福祉審議会推薦
      名古屋市児童図書選定協議会選定
対象 : 読んであげるなら 3歳から
      じぶんで読むなら 小学校中級むき

******************************

[ 荒筋 ] 

お爺さんとお婆さんに育てられた孫娘のマーシャは、ある日他の女の子達と共に森へ
キノコやイチゴを採りに行く事になりました。
ところが、マーシャ1人だけが森で迷子になってしまいます。
マーシャは森の中に1軒の小屋を見つけ、中に入ってみると、そこには熊が1匹住んでいました。
熊はマーシャを軟禁し、下働きをさせます。
ある日マーシャは、お爺さんとお婆さんにお菓子を届けたいと熊に頼みます。
そこで熊が届ける事になりました。
マーシャは熊の隙を見て、つづらの中に潜り込み、頭の上にお菓子のお皿を乗せました。
そうとは知らない熊はつづらを背負って村へ向かいます。
途中2度、熊は切り株に腰掛けて、お菓子を食べてしまおうとします。
その度にマーシャがつづらの中から
「 見えるわ 見えるわ!
  きりかぶに こしかけちゃ いけないわ。 」 などと言いました。
熊は、マーシャが高い木に登って、こちらを見ていると思い込みます。
村に着くと、熊は村中の犬達に吼えかかられ、つづらを置いて逃げて行きました。
こうしてマーシャは無事に村に戻り、お爺さん、お婆さんと再会出来たのでした。

**********************************

E・ラチョフの絵が温かくて味が有って、どれだけ見ていても飽きません。
特に11ページの、熊が木の切り株に腰掛けている場面は最高です。
何が最高って、単に知識として「 森 」を知っている人が描いた絵ではなくて、
「 森 」を体感した事の有る人が描いたものだからです。
切り株の太い根はまだ生きていて、中を水が血液の様に走り回っているようです。
木々の葉が風にサワサワと揺れる小さな音が聞こえるし、
地面に散り積もった葉っぱの下からは、むっとする発酵臭が洩れて来ます。
風や温度を描ける、素敵な絵描きさんです。


  


Posted by ニヘドン at 00:31Comments(0)読み聞かせ

2009年11月17日

「 パンのかけらとちいさなあくま 」

2009年11月18日(火)
朝の読書タイム
1年生クラス・読み聞かせ


< こどものとも > 傑作集
リトワニア民話
『パンのかけらとちいさなあくま』

8:25 集合。
1組 佐藤パセリ
2組 プリンセス
3組 きのぴー

* * * * * * * * * * * * * * *

内田莉沙子 ( うちだ りさこ ) / 再話
堀内誠一 ( ほりうち せいいち ) / 画
発行 : 福音館書店
定価 : 750円 ( 本体 728円 )
コード : ISBN4-8340-1083-X C8798 P750E
対象 : 読んであげるなら4才
自分で読むなら小学校初級向き
1979年11月01日発行
「 こどものとも傑作集 」 1992年02月10日 第1刷
英題 : A Loaf of Bread - Fnlktale from Lithuania

[ 荒筋 ]

貧乏な、きこりが木を切っていると、切り株の上に置いておいたパンを小さな悪魔が盗んで行きました。
得意になって悪魔の棲み家に戻ります。
すると大きな悪魔達は怒りました。
「 なんて やつだ! びんぼうな きこりの だいじな べんとうじゃないか。
  さ、いますぐ あやまりにいけ。
おわびの しるしに きこりのために はたらいてこい。
なにか やくにたつことを やってこい。
それまでは、かえってくるな!」

小さな悪魔はきこりの元へ戻り、パンを盗んだ事を謝罪し、何か命令をお願いしました。
きこりは沼地を埋め立てて麦畑を作ろうと言います。
地主の許可を得ました。
小さな悪魔は沼に生えている木を片っ端から抜き、水を飲み干し、地面を耕し、麦を播きます。
麦はグングン伸びて穂を付けました。
そこへ地主が作男達を連れてやって来て、麦を全部刈り取って持って行ってしまいました。
曰わく「 ぬまを むぎばたけにしてよいと いったが、おまえに やるとは いわなかったぞ。
これは みな わしの ものだ。」

小さな悪魔は地主に
「 ひとたばで いいから むぎを わけてやってくれませんか。」と頼み込みます。
地主は 「 ひとたばぐらいは くれてやる 」と答えます。

そこで小さい悪魔ときこりは長い長い縄をより、その長い縄で全ての麦を1つに束ねてしまいます。
地主は牛小屋を開け、雄牛達をけし掛けます。
ところが小さな悪魔は雄牛達を捕まえ、麦の 「 1束 」を雄牛達の背中に乗せて、まんまと帰ってしまいました。
「 それを みて、じぬしは ひっくりかえって しんでしまいました。」

こうしてきこりは麦と雄牛を手に入れ、小さな悪魔は悪魔の棲み家に帰る事が出来ました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ニヘドンが1番気に入った場面は、大きい悪魔達が、パンを盗んだ小さな悪魔を叱りつける所です。
悪い筈の悪魔が、妙に正論をぶつんですもの。
笑いがこみ上げて来て……。
本番の時に思い出し笑いをしない様に気をつけようっと。
ここに描かれている悪魔って、単純に 「 トロール 」みたいな生き物と考えるよりは、森の奥に潜んでいるレジスタンスの一団と考えると、凄く面白いと思うの。
地主は支配者側の軍隊の将校なのね。

堀内誠一さんのイラストが、スズキコージ風で、何度眺めても飽きないい〜い雰囲気を出しています。

佐藤君のコメント。
「 こう云うのってさ、大体、大臣って死んじゃうのね〜。」
はい。今度、物語の中で何人の大臣や達が死んでしまったか、数えてみたいと思います。
恐らくホロコースト並みの凄い事実が発覚してしまうかもしれません。
(^。^;)

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

読み終わったあと、子供達に感想を聞いてみました。
「 しーん……。」
「 あれれれ。このお話どうだった?」
「 好き!」「 好き!」「 好き〜。」
「 じゃあ、どんなところが好きだった?」
「 長い縄を作るところ。」
「 そうだよね。みんなこんな長い縄って見た事ある〜? 」
数人が首を横に振ります。
「 パンを盗まれるところ。」
「 ああ、そうか〜。みんなは給食があるからいいけど、こんな小さなパンがお弁当だったら、悲しいね〜。」
「 麦を播くところ。」
「 ああ。そうね〜。みんなは麦を播いた事あるかな? 」
1人の生徒が手を上げました。
これには担任の先生が興味を持ち、「 いつ? 」「 どこで? 」「 誰と? 」と矢継ぎ早に質問します。
生徒は、しどろもどろになってしまい、どうやら彼女はお米と麦の違いがよく分からなかったようです。
うんうん。これから大人になるまでに分かるといいね。

教室を出た後、昇降口で読み聞かせママ達で話が盛り上がってしまいました。

「 子供達が1番笑ったのが地主が死ねところだったの。」
「 そこか〜って感じだよね。」
「 やっぱり天罰が下るみたいな話は、受け手の満足感が満たされるんだよね〜。」
「 リトアニア( 絵本では『 リトワニア 』表記になっていましたが。)を知っている子がいたの。凄くない?」
「 テレビでやったんじゃない?
バルト3国はどこだ?みたいなクイズで解説が出ると、子供ってそういうので覚えちゃうから。」

* * * * * * * * * * * * * * * * *

絵本は、小説みたいに事細かな描写が無いので、その分、読み手の想像がどこまでもどこまでも広がりますね。
大人達が絵本について感想を述べ合うと言うのも、読み聞かせボランティアをやっているからこその特別な経験かもしれません。
今、「 読書会 」タイプの合コンが流行しているそうですが、ニヘドンも今度そう云うのに参加してみようかなあ?

しかし今日は、ジャバジャバよく雨が降りますなあ。
皆さん、風邪ひかないでね!
  

Posted by ニヘドン at 12:29Comments(0)読み聞かせ

2009年11月09日

「 ひみつのひきだし あけた? 」

1年生 「 朝の読書タイム 」
読み聞かせ

PHPにこにこえほん
「 ひみつのひきだし あけた? 」

あまん きみこ / さく
やまわき ゆりこ / え
発行所 : PHP研究所
対象年齢 : 4〜5歳から

価格 : 本体 1,200円 ( 税別 )
コード : ISBN978-4-569-68746-9

発行 : 1996年02月27日 第1版第1刷発行
2005年02月09日 第1版第14刷発行
2008年02月18日 新装版第1刷発行

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

チイばあちゃんの押し入れの隅っこから桜色の毛糸玉がころりと出て来る所から、このお話は始まります。
チイばあちゃんは、この毛糸でベレー帽を編もうと思いますが、鍵針が見つかりません。
あちこち探すと、トラ猫の「 とらた 」が、「 におい 」で引き出しの 「 奥の奥 」に有ると
教えてくれました。
早速チイばあちゃんが引き出しを引いてみると、引き出しは伸びる伸びる伸びる伸びる・・・・・・。
引き出しは長く長く続いていて、とうとうチイばあちゃんの背中が壁に当たってしまいました。
そこでチイばあちゃんは壁に、引き出しより一回り大きく穴を開けます。
庭に出て引き出しを引き続けると、とうとう野原まで出てしまいました。
とらた が「 鈎針があったよー。」 と叫び、チイばあちゃんは引き出しを押そうとしますが動きません。
そこへ、野原で遊んでいた ともちゃん、ようくん、りえちゃん、たあくん、ひでくん、ななちゃん、
の6人が 「 何やってるのー? 」 と声をかけて来ます。
引き出しにぎっしりと詰まったガラクタ ( 化石、チョコの缶、千代紙、がまぐちの留め金、等など。。。)を
見て、子供たちは「 ちょうだい。ちょうだい。」とせがみます。
チイばあちゃんが快くOKして、子供たちが欲しい物を取る度に、引き出しは縮んで行きます。
結局、引き出しは元の位置に戻り、引き出しの中は整理され、チイばあちゃんは6人の子供たちと云う
友達を得ます。

最初、この絵本をプリンセスから渡された時、「 子供だましの本だけど。 」みたいな事を言われました。
でも読んでみると、素敵な世界を楽しむ事が出来ました。
読み聞かせ終了後、3人の「 読みママ 」と、ちょこっと絵本について立ち話をするのですが、
ママ達3人共の 意見は「 この引き出し欲しいー! 」でした。
ドラえもんの何でも出て来る魔法のポケットは、子供たちの憧れでしょうが、
主婦の立場からすると、何でもしまえる魔法の引き出しの方が遥かに魅力的です。
多くの絵本が、何かどっかで聞いたような話が多い中、「 引き出しが伸びる 」って、
余り読んだ事が無く、独創的で面白かったです。
さすが、あまんきみこ です。
あまんきみこ の作品 「 ちいちゃんのかげおくり 」は、小学校の国語の教科書にも採用されて
いるので、まだ あまんきみこ 作品を読んだ事の無い方は、是非1度読んでみると良いと思います。

作品って、作った本人も思いもかけなかった鑑賞方法をする人がいて、
( 大抵の場合、そういう事をするのは二へドンなんですけど。)
この作品も、二へドンは 「 老いへの心構え 」と云うテーマを見てしまいました。
年を取ったら、捨てられる物と絶対に捨てられない物とに分けて身辺整理をしておきなさいよ。とね。
二へドンは物と思いでは捨てられない人なんです。
かなり意識的に、物は捨て、家に新しく物を持ち込まない様に努力をしているのですが・・・・。
夢は、二へドンが死んだ時に残るのはブログとヴァイオリンの泰次郎君だけにしたいのです。
どうなります事やら・・・・・・・。

*********************************

担当表

1年1組 ・・・・・ プリンセス
1年2組 ・・・・・ マダムW.A.
1年3組 ・・・・・ 佐藤パセリ

*********************************

二へドン達が読み聞かせボランティアをしている小学校ではインフルエンザで休む子激増で
学級閉鎖になってしまうかどうかの瀬戸際です。
先生達もバタバタしているみたいです。
修学旅行に行っている6年生の中の5人が、発熱の為、修学旅行先から帰されたそうです!!
一生に1度の小学校の修学旅行が!!

絵本を読む前に子供たちに 「 みんな元気ですか? 」と聞いてみました。
子供たちは全員、感染予防のマスクを着用していますが、「 元気ー! 」 と明るい声が返って
来たので、一安心。
読んでいる最中、子供たちの反応が有ったのが、チイばあちゃんが壁に穴を開ける所。
「 エ!? 」 と声を出して驚いていました。
現実生活で壁に穴を開けたら、どれだけ怒られる事か・・・・・。

子供たちは、不思議な引き出しのお話に目を輝かせて全身で聞いてくれました。
読み終わった後、1番前に座っていた女の子が「 また来て下さい。」 と言ってくれました。
涙・・・・・・・・・。
最後に二へドンが 「 みんなもお家に帰ったら、引き出しを開けてみてね。 どこまで伸びるかな?」
と言ったら、子供たちは口々に 「 小さいよ。」 「 ただの奥だよ。」 「 伸びないよ。 」・・・・・・・・。
笑・・・・・・・・。

今日も、子供たちよりも、二へドンが楽しんでしまった読み聞かせタイムなのでありました。
みんな、ありがとう! そしてボランティアに読み聞かせの場を提供してくれている学校に感謝です。
また行くからねー。


****** 「 ひみつのひきだし あけた? 」 ・ 完 ********





  


Posted by ニヘドン at 09:03Comments(0)読み聞かせ

2009年11月05日

「 ドゥバーン博士の首 」( アラビアンナイトより )

2009年11月05日(木)

うわぁ。久し振りにアラビアンナイトの話を読みました。
ニヘドンは高校生の頃、アラビアンナイトの全ストーリーを読破しようとして挫折したのでした。
旧約聖書と新約聖書を読破し、勢いづいてコーランに手を出したものの、やっぱりコーランは途中で挫折。
アラビア系は挫折続きなのです。何故か…。
この「 ドゥバーン博士の首 」は朝の読書タイムに5年生のクラスで読みます。

[ 荒筋 ]
ペルシアの国のユーナーン王は権力と財力に恵まれていたが、思い皮膚病に患かっていた。
どんな医者も王の皮膚病を治す事は出来なかった。
或る日、博学なドゥバーン博士が都にやって来て王の病の事を耳にし、王に「 私なら治せる 」と進言する。
博士が提案した治療メニューはこんな感じ。
1. 広場でラケットを持ってボール遊びをする。
2. 十分に汗をかいたら入浴。
3. ぐっすり眠る。

これで王の皮膚病は本当に治る。
喜んだ王は博士を手厚くもてなし、ほうびも与える。
これを快く思わなかった大臣が王をそそのかし、王は博士の首をはねる事にした。
家族に葬式の指示を出すからと一旦帰宅した博士は、翌日一冊の本を持って王の前に現れる。
「 私の首をはねたら、この本を開いてみて下さい。」
実はこの本のページには毒薬が塗られていて、王は毒が身体に回ってしまう。

最後の文章がエグいんです。
「 博士の首は、王さまがもだえ、苦しむさまをじっと見すえながら、声を出さずにわらいました。」

# # # # # # # # # # # # # # # # #

主君のかたきを赤穂浪士がうつ! …… ではなくて
自分のかたきを自分でうった訳ですね。
何ともハンムラビ法典なお話です。

読み終わった後の子供たちの反応はシーン。
二へドンが子供たちに感想を求めても、誰も答えようとしませんでした。
担任の先生が日直の子を指名して「 何でもいいから言いなさい。」と言うと
日直の女の子曰く 「 何か、ちょっと、怖かったです。」。
また時間が経って、この物語を反芻してくれるといいなと思います。
こんな事、現実の世界では日常茶飯ですよね?
良かれと思ってした事は、いつも必ず正当な評価を受ける訳じゃない。
でも、そんな事は、子供に説明するべき事では無いので、いつか大人になる時に
チラッとこんな話を思い出してくれたらいいんじゃないかな?

************************

担当表 

5年1組 カヨカヨ
5年2組 佐藤パセリ
5年3組 プリンセス
5年4組 マダムS

***** 「 「 ドゥバーン博士の首 」( アラビアンナイトより ) 」 ・ 完 *****  


Posted by ニヘドン at 08:26Comments(0)読み聞かせ

2009年10月06日

「 ちょっと まって 」

2009年10月06日(火)

小学校・朝の読書タイム
読み聞かせ

日本傑作絵本シリーズ「 ちょっと まって 」
岸田今日子 ( きしだ きょうこ )  さく
佐野洋子 ( さの ようこ ) え
出版社 : 福音館書店
定価 : 1,300円 + 税
対象 : 読んであげるなら 3歳から  
      じぶんで読むなら 小学校初級むき
ISBN4ー8340-1544-0
発行年月日 : 1998年05月20日
ページ数 : 32p
サイズ : 28X22cm

**************************

女優の岸田今日子さんの娘さんが小さい頃に可愛がっていたネズミのぬいぐるみを
モデルにしたお話。
佐野洋子さんの温かいタッチの絵と相俟って、とても良い絵本・・・・・・と言いたい所なんですが、
絵本大好きな二へドンがどうした訳か、100%手放しで絵本の世界に万歳を唱えられなかった!
第1印象は、「 まどろっこしい 」。
ねずみのシム君が、まゆさんのお誕生パーティに行く時に、お母さんがシム君の首に
オレンジ色のリボンを結びました。
「 おたんじょうびの“ お ”は オレンジいろの“ お ” 」
途中でタンポポが、みどりいろのリボンをシムくんのおなかに結び付けます。
まゆさんにミミズが悪さをしないように言ってきかせてほしいという伝言を忘れないように。
「 みみずの“ み ” は みどりの “ み ” 」
途中で 迷子の弟を探しているりすに会います。
りすは、シムくんのあしに まっかなリボンを結びました。
「 まいごの “ ま ”は まっかのま 」
途中できつねのおいしゃさんが、チョコレートを食べ過ぎるなと忠告します。
おいしゃさんはシムくんのてくびに茶色のリボンを結びつけました。
「 チョコレートの “ ち ” は ちゃいろの “ ち ” 」
途中で亀が、子供が背中がむずむずすると騒いでいると訴えます。
かめはシムくんの尻尾に紫色のリボンを結び付けました。
「 ムズムズの “ む ” は むらさきの “ む ” 」

まゆさんのお家に着いたシムくんは結局皆の伝言を忘れてしまうのですが、
まゆさんはシムくんが今まで歩いて来た道を眺めて、全部理解しました。
そしてお誕生日パーティを皆で楽しみ、シムくんにもっと一杯のリボンを結んであげたそうな。

結局、何色が何の内容を指していたのか覚えていなければならないので、
脳がストレスを感じてしまうのかもね?
聡明なお子ちゃまなら、何なく覚えられるから楽しいお話なのかもしれないけれども、
二へドンの脳はプスプスとエンストを起こしそうになってしまいました。

1つ突っ込んで良いですか?
こういう事を書くと又、図書館で「 絵本の読み方 」の講座を受けた真面目な方から、
クレーム来ちゃいそうなんだけど、
シムくんに伝言を頼んだ4匹と1本が、まゆさんのお誕生日会場に現れて
テーブルについているんですよ。
来るなら伝言を頼まないで自分で言えよってか!?
さて、子供たちの反応が楽しみです。  

Posted by ニヘドン at 00:36Comments(0)読み聞かせ