2014年03月18日
綱島の居心地の良い中華料理店
2012年05月09日(水)
安くて美味しい料理を提供してくれるお店は、
最近はダントツに中華料理店だと思います。
昔、学生街等に多かった定食屋さんが次々に姿を消してしまい、その代わりに中華料理店が取って替わった気がします。
電子レンジでチンするだけの料理じゃ無いので、「 料理 」を食べた感が強いのも嬉しいポイントです。
ランチはワンコインで提供してくれる店も複数有り、貯金魔二へドンの有り難い味方です。
そんな中華料理店の中から今日ご紹介致しますのは、
東横線・綱島駅から徒歩3分の「 福苑 」です。
ビックリする程、小さいお店です。
テーブルが4つ位しかない本等に小さなお店です。
食べログの評価では「 3.12 」です。
お洒落でも何でも無い、町の小さな中華屋さんにしては
なかなかの高評価だと思われます。
小さいから、落ち着けるんですよ。
二へドンも初めて1回行って、気に入ってしまいました。
中国人のご夫婦がお店を切り盛りしています。
写真に写っている3皿の内、奥が「 ピータン 」。
右がお通し。 左が蒸し鶏です。
( すみません。 二へドンの取材ノートには値段が書かれておりませんでした!)
お通しは、もやし、人参を煮たものに胡麻油が掛けられています。
冷たくて美味しいです。
ピータンには刻んだ葱が掛かっていて、とにかく、美味い!!
ピータン、大好きです!! ピータンと言う食材を生み出したと言うだけで、
中国の食文化に尊敬の念を抱いてしまいますよ!!
蒸し鶏は、鶏肉がジューシーで、自宅で作るより全然美味しい。
お友達は「 さつま木挽 」を飲んでいたので、一口飲ませて貰いました。
真っ直ぐな味です。
左の写真の「 青菜炒め 」も追加注文してしまいました。
青梗菜、 木耳、人参、 葱、を炒めたものです。
みじん切りにしたニンニクが沢山使われていて、熱々が美味しいです。
また行きたいですよおおおおおおおお!!
***** 「 綱島の居心地の良い中華料理店 」 ・ 完 *****
タグ :中華料理、 福苑、 綱島
2014年03月08日
三島由紀夫・著「 音楽 」
写真は2011年04月07日に撮影した
我が家の庭の桜。
東北大震災と言う、未曾有の災害を体験して
1ヶ月後の写真です。
あの時は、やるせない虚無感に襲われ、
「 人間なんて、どうせいつかは
死んでしまうんだ。」と言う思いで
庭の桜も掛け替えの無い存在の様に見えました。
今日は、三島由紀夫の「 音楽 」と言う小説を
読んだ感想を書き記そうと思うのですが、
三島文学に、この震災後の桜の画像が、
しっくりくる様な気がして選んでみました。
題名 : 「 音楽 」
著者 : 三島由紀夫
出版社 : 新潮文庫
価格 : 320円
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三島由紀夫と言えば、二へドンが幼少の頃、自決する際のニュース映像を
リアルタイムでTVで見ていたという、衝撃体験を持っています。
二へドンが小さい子供の頃の衝撃ニュースを3つ挙げろと言われたら、
☆ 三島由紀夫 安田講堂篭城事件
☆ 浅間山荘事件
☆ 大久保清事件
ですね。
そんな世相の中、三島由紀夫が安田講堂の塔を背景に、何やら演説をしているニュース映像を
何度もTVで見る羽目になりました。
二へドン「 あの、おじちゃんは何をしているの? 」
父親 「 あの人は死んじゃったんだよ。」
二へドン 「 ふーん。」
分かった様な分からなかった様な曖昧な印象を持ちつつ、
報道j陣が我先に建物の中になだれ込んで行く映像を見たものです。
当時、二へドンの家には小学館の文学全集が全巻揃っていました。
少しずつ読んでいたのですが、三島由紀夫の「 潮騒 」も載っていました。
けれども、裸の女の人のイラストが描かれていて、それを見た時に
「 あ、これは子供が読んではいけない小説だ。」と思って、パッと本を閉じてしまいました。
それ以来、何だか殺伐とした雰囲気を醸し出していたニュース映像と合わせて、
二へドンは三島由紀夫の小説を封印してしまった感が有ります。
ただ、三島は、昭和を代表する文化人の1人だったので、多くの人が三島について語っていました。
二へドンは、そういう論評を通して、三島由紀夫の作品や、彼の考え方や、人となりを知りました。
先月、神田神保町を歩いた時、古書店の文庫本100円コーナーに、
この三島由紀夫の「 音楽 」を見つけたのです。
「 へー。 こんなタイトルの作品も有ったんだ。 」
もう、即買いです。
そして読んでみました。
面白かったです。
精神分析医の汐見が、不感症の治療に訪れた麗子を治療して行く様を表した中篇小説です。
まるで、汐見が刑事で、麗子を不感症に陥れている原因が犯人の様に追い詰めて行く様子は
サスペンス小説を読んでいるかの様で楽しく、あっと言う間に200ページ程の小説を読み切ってしまいました。
タイトルの「 音楽 」とは、耳で聴く音楽の事ではなく、エクスタシーの事であるのですが、
結局、最後に麗子は不感症を克服し、健康な青年江上隆一と結婚し、ハッピーエンドになります。
この小説は、三島文学の中でも、余り重要視されていない作品だと思われますが、
二へドンは凄く気に入ったので、もっと多くの人に読んでもらいたいと思います。
この作中で二へドンの目を惹いたのが、スタンダールの小説「 アルマンス 」について語る部分が
出て来る事です。
三島由紀夫を読む前に、たまたまスタンダールの著作をまとめて読んでいたので、ビックリしました。
恐らく、三島の「 音楽 」を読んで、スタンダールの「 アルマンス 」 を読んだ人はそう多くはいないと想像します。
二へドンが読んだスタンダール作品の中でもレアな作品を、三島作品の中でレアな「 音楽 」で語っていると言うレア中のレアな偶然に驚かされました。
この件は、新潮文庫の117ページ後半に出て来ます。 以下、引用。
「 先生、 スタンダールの『 アルマンス 』 を読みましたか?」
恥ずかしながら、私には文学的教養が不足している。 スタンダールで知っているのは「 赤と黒 」
と、 「 パルムの僧院 」ぐらいで、「 アルマンス 」という小説はきいたこともないのである。
「 いや、読んでいません」
「 内容については御存知でしょう」
「 いや ・・・ 何も 」
「 知らないふりをなさってるんじゃないですか 」
「 いや、 私の自慢できる美点はね、決して知ったかぶりはしないということなんです 」
「 じゃ、 本当に知らないんですね 」
「 ええ 」
「 不勉強だなア 」 と花井は薄い唇を歪めて笑った。
「 折角 あの主人公のオクターヴが、ラストで自殺するのは、正当かどうかについて、
先生の意見を伺いたかったのに 」
のちに私は「 アルマンス 」を読み、 その主人公のオクターヴが不能者であって、結末で英雄的な
自殺を遂げる物語を知ったが・・・・・・・・・・
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二へドンが「 アルマンス 」を読んだ時は、オクターヴの不能の事は余り意識されず、
折角相思相愛の若いカップルが、なかなか結ばれないのにイライラしながら読みました。
二へドンは、10代の頃より、本を読んで心に残る部分が有ると、
必ず手帳に書き写す癖が有ります。
PCの時代になっても、その癖は消えず、今だに手帳に書き留めています。
「 アルマンス 」も、手帳に書き留めたものがあるので、ここに転記しておきますね。
第17章 P.389 下段
「 人間は苦しみでは死なないものだ。 さもなければ、この瞬間、彼は死んでしまっていただろう。 」
第19章 P.395 上段
「 ところで彼の気ちがいじみた点だが、たとえ彼が狂人だったとしたところで、
アルマンスはそれ故にこそ、 ますます彼を熱愛するだけのことだった。
《 あの人には、いまに私が真心をこめて尽くしてあげることが必要になるかもしれない。
その時は きっとお役に立って見せるわ 》 と、
そう思いながら、彼女は眼に涙を浮かべた。 」
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このアルマンスの思考回路は、二へドンと同じだたので、本当に驚く程共感出来たのです。
現代の人間の多くは、もう「 愛 」や「 恋 」を馬鹿にしちゃってる人が多い様に思われます。
だから、「 アルマンス 」や 「 音楽 」を読んで、
100%共感出来る人は、いないのではないかな?
世の中に起こる事件だって、色恋沙汰が原因のケースはほとんど死滅したじゃない?
昔は、江戸時代でも、八百屋お七の様に、恋の恨みつらみの事件が珍しくなかったと思うのね。
最近は、 柏の無差別殺人の竹井聖寿容疑者や名古屋の暴走事件の大野木亮太容疑者の様に
社会に対する曖昧な不安を抱え、自分に注目してもらいたいと言う幼時的な理由での犯行が多い様な気がします。
「 音楽 」の中に、三島が現代の病巣を予言しているかの様な件が有るので、転記しておきますね。
汐見医師が、麗子の兄が浅草の山谷に居る事を突き止め、麗子の心の病の原因を取り除く為に
麗子達4人で山谷に潜入する場面です。
P.184 「 それというのも、社会構造の最下部には、あたかも個人個人の心の
無意識の部分のように、おもてむきの社会では決して口に出されることのない
欲望が大っぴらに表明され、法律や社会規範にとらわれない
人間のもっとも奔放な夢が、あらわな顔をさし出しているからだ。
そして同時に、そこにはあらゆる種類の社会的不適応が堆積している筈であり、
それも社会人の夢のなかに、あらゆる退行現象が巣喰っているのと
同じことなのである。」
現代の社会に巣喰う病巣を読み解くキーワードが、三島の作品の中に散見される事に興味は尽きません。
「 欲望 」「 夢 」 「 社会的不適応 」「 退行現象 」。
それは正しく「 働かない 」「 父親が生活費を持って来る 」「 認められたい 」現代の容疑者達の
キーワードですよね。
この様に、三島由紀夫の「 音楽 」は、中篇小説ながら、様々な切り口で読む事が出来る
面白い小説です。
この小説を読む事」を機に、三島由紀夫再発見のきっかけになってくれたら嬉しいと思います。
***** 「 三島由紀夫・著「 音楽 」 」 ・ 完 *****
タグ :三島由紀夫