2008年02月23日

神奈川フィル 第242回 定期演奏会 レポ ・ 前半

日時 :2008年02月22日(金)
18:30 開場 19:00 開演
会場 : 横浜みなとみらいホール
出演 : 指揮 / 金 聖響
チェロ / 趙 静
コンマス / 石田泰尚様
管弦楽 / 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

演目 : ハイドン / 交響曲第88番 ト長調Hob.I-88
          Ⅰ. Adagio-Allegro
          Ⅱ. Largo
          Ⅲ. Menuetto:Allegretto
          Ⅳ. Allegro con spirito
ハイドン / チェロ協奏曲第1番 ハ長調Hob.VIIb-1
          Ⅰ. Moderato
          Ⅱ. Adagio
          Ⅲ. Allegro molto
休憩 15 分

ベートーヴェン / 交響曲 第4番 変ロ長調作品60
          Ⅰ. Adagio-Allegro vivace
          Ⅱ. Adagio
          Ⅲ. Allegro vivaceーUn poco meno allegroーAllegro vivace
          Ⅳ. Allegro ma non troppo


演奏前、2階ホワイエにてプレコンサートが行われました。
今日は山本裕康さんのソロで、無伴奏チェロ組曲を演奏してくれました。
チェロって、同じ曲でも演奏者によってガラッと音が違うのね。ヴァイオリンもよくそう感じるのですが、チェロは特にそう感じます。ああ…でもピアノもそうだな。でもチェロの演奏者による違いは突出していてると思います。山本さんのチェロの音は、彼岸からの音楽だと思います。確かに音はこちら側に届いているのに、こちら側から山本さんの所に行こうとすると、絶対に行かれない…みたいな。行かれなくてビックリして、呆然と立ちつくしているこちらを見て、山本さんは何も言わず、黙って悲しそうな目で、静かにチェロを弾き続けている。
だから、山本さんのチェロを聴くには、それなりの覚悟をしておかないと、ね。こちらの精神状態が低迷している時に、山本さんの物言わぬ悲しそうな目にさらされると、「嗤いたいなら、嗤え! 」と言いたくなっちゃう事があります。
「とにかくクラシックは高尚でなくちゃ!」と思う向きに、お薦めの音だと思います。
演奏の前に、山本さんが、今日のゲストの 趙静さんについてコメントをしました。
「彼女を以前から知っていたが、あれよあれよと言う間に有名になって。」との事。
10分と言う短い時間でしたが、山本ワールドを堪能致しました。
ホワイエでやるから、ある程度の雑音は仕方が無いんだけれど、それにしたってオバチャン達、少し位、声のボリュームを落としてくれても良いんじゃない? デリカシーが無さ過ぎるよ。それとも「デリカシー」と言う言葉が既に化石なの?


さ、始まりますよ〜。
お席に着きましょう。
ステージの上の椅子を見ると、今日は小さい編成の様ですね。
お客の入りは、先月の定期演奏会に比べると、若干少なめかな?
金聖響さんは、人気あるらしいんだけれど、彼の名前でも、この程度の集客力ですか!
オケの皆様が入って来ました。最後にニヘドンの本命の彼氏が入って来ました。お! 今日も調子良さそうですね。機嫌良さそうですね。 そして、金聖響さんの登場です。
人気あるんですか? ん~。 二へドンは、あんまり彼から感動を与えられた事が無いので、聖響さんの大ファンの方は、この先は読まないで下さいね。
聖響さんはね、第1印象が悪かったの。 これは前にもどこかで書いたと思うのですが、どこで書いたか忘れちゃったので、もう1
回書くね。 あのね、3~4年前だったのかなあ? どこかのオーケストラで聖響さんが指揮をしたんだ。 それを二へドンが初めて見て、「 うわあ! 指揮者って、こんなに孤独な職業なんだ! 」ってビックリしました。 それまで、二へドンが好きな指揮者は、オケとツーカーの雰囲気でやってたので、こんな孤独の哀愁を背中に背負ってお仕事をする姿に度肝を抜かれたんです。
オケの全員が、聖響さんを見ていなかったんです。 誰1人としてですよ。 じゃあ、オケの皆様は何を見ていたのかと申しますと
、コンマスさんを見ていたんですねえ。 力の無い指揮者が来たら、コンマス見て演奏するという話を聞いた事ありますが、正にその現場を見てしまったんですよ!! その時二へドンはP席に座ってました。 人間って、顔はポーカーフェースで取り繕う事が出来るのですが、人間、嘘をつけない部分があって、それは背中なんですねえ。 ギクッとした時とか、まず動揺が現われるのが背中じゃないですか。 P席からオケの皆様の背中を見ていて、紛れも無く、皆様はコンマスさんしか見ておりませんでした。 この時二へドンは思いました。 「 1ステージ100万円貰っても、指揮者だけはやりたくない。 」と。
あんな孤独には耐えられないと。
まあ、二へドンの大いなる勘違いなのかもしれません。 それに、あれから数年の月日が流れ、実力を充分に発揮して来たのかもしれません。 人気が有るそうですので。 実力があって、人気が無い人よりは、遥かに良いのでしょう。
でもね・・・。 第1印象はまだ拭い去ってないんだなあ・・・・・。

2005年10月に、「この胸いっぱいの愛を」という映画が公開されて、二へドンも見ました。
伊藤英明、ミムラ、賠賞千恵子等が出ていました。 音楽は千住明が手がけていて、千住真理子も演奏に参加しているという、音楽ファンならなかなか嬉しい仕掛けのある映画だったと思います。 映画そのものも、良かったと思いますよ。
この映画で、ミムラが 「 もうヴァイオリンなんか弾かない~ 」とヴァイオリンを地面に叩きつけるシーンが有り、その時ヴァイオリンがバラバラに分解されてしまったのを見てショックでした。 ヴァイオリンって、あんなに簡単に粉々になってしまうものなのか・・・。 二へドンは、自分の養子にもらったヴァイオリンの「泰次郎」君を絶対に落とさないぞ!!
さて、この映画を見た時、金聖響さんが出ているのに、全く気がつかなかったのです!!
昨年、誰かから、「 聖響さんは、映画に出てから人気が出たみたい。 」と言われ、「 あ、二へドン、聖響さんの出た映画は知らない。 見てない。」 とほざいてしまったのでした。 半信半疑で「 この胸いっぱいの愛を 」のHPで調べたら、本当に聖響さんが出ていました。 指揮者役の人が出ていたのは確かに見たが、それが聖響さんだと気がつかなかった二へドンって、一体・・・・? 興味が無いって、こんなものなのですね。
二へドンが興味を持ったのは、右腕が動かなくなってしまった主人公が、ヴァイオリンの弓を包帯で右手にくくりつけて、
子供達にヴァイオリンを教えるのですよ。 本当にそんな事可能なのか!?
でも、もし二へドンがもっとウンと年を取って、半身付随にでもなっても、 ヴァイオリンは続けられるんだって、ちょっと勇気づけられましたね。 本当に包帯で弓を固定してヴァイオリンが弾けるのか、その時に実験をしてみたいと思います。

後、余談を2つ。

1.千住明さんと家主は同い年。 かたや有意義なお仕事を沢山され、片や・・・・・・・。
2.映画の中では、ヤクザ役の勝地涼さんが好きでしたわ。

ああ、また思う存分脱線したから本題に入りましょう!!
金聖響さんが登場です! うわ、態度でけぇ!! クラシック界の矢沢栄吉か!? みたいな・・・。
言われたくなかったら、二へドンの第1印象を拭いさって下さいよう~!!
コンマスの石田様とおざなりな握手をします。 ムカ! 二へドンのダーリンに、その態度は何?

しか~し!! 第1楽章の音が始まったら、二へドンは極楽浄土に昇天してしまった。
ああ・・・・・ この音・・・・・この音・・・・! これをアタシは待っていたのよ!!
この高貴な音の綾は確かに神奈川フィルの音!! はあ~ん。。。。。。。
今日は小編成のオケで、コントラバスチームが正面後方に控えている。
小編成なのに、音に厚みがある。 これよ! これなのよ!! 二へドンは、こういう音が好みなのよ!
2月3日に聞いた兵庫芸術文化センターのPACの、存在感の無い微笑ましい演奏を思い出してしまった!!
ハイドンの交響曲は、重みを感じさせる演奏をするオケが多いけど、今日の神奈川フィルの演奏は軽やかに乙女チック。
こんな乙女チックで、よろしいんでしょうか? とドギマギしてしまいました。
二へドンの目の前に、いつも隠れて見えないコントラバスチームがいる。 
( 神奈川フィルの定期演奏会はいつもバルコニー席なので、コンバスの上に乗っかっちゃって見えないのよ。)
いつも見えない人たちが目の前にいると、ついついそっちの方が気になって見ちゃいました。
柔らか~く弦に弓を当てたり、やたら早く左手を動かしたり、コンバスも色々な弾き方があるんですね。
左手の超絶技巧には目パチクリですよ。
二へドンが、妙に喜んでいる内に第1楽章が終わった。
あ、嫌な予感。 もしかしてこの曲、短いんだっけ? 交響曲は60分が基本じゃない? わははは。

第2楽章でござんす。 あちゃ~。 神奈川フィルの弦楽チームは、今度はピチカートで二へドンをメロメロにする作戦のようです。
今二へドンはヴァイオリンのレッスンでハイドンのセレナーデの2パートの全部ピチカートに苦戦しているので、プロの奏でるピチカートの滑らかさと、軽さと安定した音に吸い付けられました。 ピチカートの何が難しいって、移弦したら指の角度を変えろって所。 弓を使えば、移弦したら弓の角度は変わるのが無意識に出来るようになって来たし、弓の角度は目で確かめられるのだけれども、指の角度って、目で分かりにくい。 それに角度に気をつけなくても、音が出る!? そこに甘えていい加減な弾き方をしちゃうのが先生のお気に召さないんだけれども。 この曲12月21日に始めて、まだ合格していないんだなあ・・・・。
1曲に ( しかも32小節程度の短い曲で) 仕上げに2ヶ月以上かかると、さすがにメゲる。

聖響さんのナルシスト振りが、ちょっと笑えます。 
今日の聖響さんは、そんなに孤独に苛まれているようには見えません。
孤独から逃れる為に、自分に陶酔する世界に入っちゃったのかな?
でも、神奈川フィルの音は相変わらず良いですよ~。 
フカフカの若草の丘のイメージですね。 うさぎさんがピョンピョン飛び跳ねている様ですね。
聞いている人に絵を描かせてくれる演奏は、流石ですよ!!
途中、ドラマチックに展開して行きます。
クライマックスは、終盤のヴァイオリンが弓を何度も下げ弓で繰り返す所。
これを石田様のパフォーマンスで見て(聴いて)御覧なさいよ!! 格好イイ~。
これを見逃したらあかんよ。 L席に座ってしまった人は、ろくろ首に変身して、うにゃうにゃ首を伸ばして正面から石田様を見て!!

第3楽章は華やかな舞踏会の雰囲気。
石田様は今日も熱演だあ~! 二へドンの為なのよね。 彼はいつも二へドンの為に一生懸命ヴァイオリンを演奏してくれるのよね。 まあ、右ひじの動きがなめらかですよ。 動く動く。
ヴァイオリンを弾く時には、いろいろな部分に意識を向けなければなたないのですよ。 指の角度、弦を押さえる深さ、指の重心、次に弾く音の準備、小指に力が入ってないか? 手首に力が入ってないか? 肩に力が入ってないか?
左手だけで、1度にこれらの事に注意をしなければなりません。 弾きながら、全部を良好な状態に保つのは至難のワザ!
小さい時からヴァイオリンを習っていて、何だかよく分からないけど、自然に手が動くっていう状態の人には難しい事は無いのでしょうが・・・・。 二へドンはいつも弾いている時は、右手の甲と手首にしか意識が向かないのだけれども、自分の肘も、今日の石田様の様に動いているのだろうか? え? 曲の難易度が違う? 大変失礼致しました。

聖響さんは、左手をバーに乗せながら、右手で指揮をするパターンが多かったですね。
3楽章のフィニッシュは、石田様が 「 えいやっ! 」 と弓を引き抜いて終わり!

第4楽章は、小刻みな弦のやり取りが面白い。
一瞬、石田様が聖響さんと目を合わせました。 おお、聖響さん、今日は孤独じゃなかったね~。 良かった。 良かった。
最後まで弦楽チームの弓の動かし方が速く、二へドンは、あろう事か、自分がこの第4楽章を弾く事を想像し、油汗を流しながら聴いてしまいましたとさ。

またまた、脱線がすごく、文章量が多くなってしまったので、続きは別記事に書きますね。

***** 「 神奈川フィル 第242回 定期演奏会 レポ ・ 前半 」 ・ 完 *****





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Posted by ニヘドン at 22:48│Comments(4)コンサート
この記事へのコメント
おお
金曜日は定期演奏会でしたか

私は川崎で小朝ちゃんの落語をきいてました~~
Posted by マッハママ at 2008年02月24日 00:51
> マッハママさま。

   小朝ちゃんは、如何でしたか?
   そう言えば、最近二へドン、全然落語聞いてないな。
   そろそろ聞きに行こうかな?

   マッハママさんは、最近ちょくちょくお出かけしてるみたいですね。
   調子が良いようで、何よりです。 
Posted by ニヘドン at 2008年02月24日 09:51
主人が取ってたちけっとなんですが
いけなくなったので、捨てるのはもったいないから代わりに行きました。
落語ははじめてきいたけど
コアサ君のはブラックユーモア(毒舌)でいいのかな?っておもますがおもしろかった

ほかのお客様も前座がやっているときとこあさちゃんがやっているときとでは明らかに態度が違う、、、笑
Posted by マッハママ at 2008年02月24日 15:52
> マッハママ様。

   そうなんですよ。
   なんばグランド花月でも、誰かの講演会でも、
   凄いブラックで、実在の人の事、笑い飛ばすんですよ。

   同じ事を二へドンがブログに書くと、袋叩きに合うんデスヨ。
   「 有名 」 に弱い日本人の体質が、こんな所にも顔を見せて
   ますよね。
Posted by ニヘドン at 2008年02月25日 04:17
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