2009年01月26日

東京文化会館レクチャーコンサート/ドイツ・オーストリア編

「 東京文化会館 レクチャーコンサート 」
season 2008 - 2009

「 激動の時代と音楽 」シリーズ

4 th ドイツ・オーストリア編

日時 : 2009年01月23日(金)
18:30 開場 / 19:00 開演
会場 : 東京文化会館 小ホール
料金 : S席 3,800円 A席 2,800円 B席 1,000円
出演 : ナビゲーター & チェロ / 古川展生 ( ふるかわ のぶお )
ピアノ / 坂野伊都子 ( さかの いつこ )

演目 : J.S.バッハ / 無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
ベートーヴェン / チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2
休 憩 ( 2 0 分 )

ブラームス / チェロ・ソナタ 第2番 へ長調 op.99

アンコール J.S.バッハ / 5番 アリオーソ

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

今月は、古川展生ちゃんのステージはこれで2回目です。
特に今日はレクチャーコンサートと言う事で、展生ちゃんの喋りも堪能する事が出来ました。
ニヘドンは自分でチェロを弾いた事が無いので、「 チェロを弾く 」と云う事を身体で共感する事が出来ないのですが、この日の展生ちゃんの話で、チェロの演奏技法や展生ちゃんの音楽に対する考えが、良く分かった様な気がします。

今日のプログラムは洒落ているんです。
3大B を演奏するだけなら多くの演奏家が挑戦しますね。
実際 1月19日(月)も神奈川大学のセレストホールで石田様&山本さん&諸田さんが3大Bを演ってます。
でもね、展生ちゃんの場合、B はアルファベットの2番目だからって言うんで、3曲共、全部第2番の曲を持って来たんですよ。
こう云う遊び心大好きです!
流石、展生ちゃん!!
1週間の内に、ドイツ3大B が続くと云うのも偶然にしても面白かったです。

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19:00です。
さあ、展生ちゃんがステージに出て来ました。
シンプルに白いシャツに黒のスーツ姿です。
展生ちゃんがマイク置きからマイクを持ち上げ、早速レクチャーの開始です。

「 え〜、皆様。
今日はレクチャーコンサートにお越し頂きまして、ありがとうございます。
今シリーズは今日で4回目と云う事で、『 ドイツ・オーストリア編 』ですね。
この話を貰ったのが約1年前ですが、寄りによってドイツ・オーストリア編が当たるとは思わなくて、今日は、いつも以上に緊張しています。
ちょっと失礼。楽器を置かせて頂きますね。」
と言って展生ちゃんは、今まで片手に持っていたチェロを床に置きました。

今日来て頂いたお客様の中には、ドイツ・オーストリアの音楽がお好きな方とか、研究されている方も多くいらっしゃるかと思います。
古川の奴、何を言ってるんだ、と云う風に思われる方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
今、古川が何を考えているのかと云う様に受け取って頂ければと思います。

ドイツ・オーストリアは、クラシック音楽の中心ではないでしょうか。
多くの偉大な音楽家がいた中でも、特に偉大な
3大B ( バッハ、ベートーヴェン 、ブラームス ) を取り上げる事にしました。

最初に皆さんに質問をさせて下さい。
音楽の3大要素は何でしょうか?
こんな馬鹿げた質問は何だと思われるかもしれませんが。
メロディー、和声、リズムですね。
どんな音楽も、この3つの要素から成り立っています。
チェリストが無伴奏の曲を演ると、1人でこの3つの要素を演らなくてはならない。
非常に大変なんです。
バッハは、彼の幾つかの作曲の時代に分けられているのですが、今日これから演奏する無伴奏チェロ組曲は「 ケーテン時代 」に作られたものです。
バッハの死後、100間、人々から忘れられていました。
それをパブロ・カザルスと言うチェリストが古本屋で見つけたと云ういわくが有ります。
ここで1つ問題があって、バッハの自筆譜が無いんです。
「 パルティータ 」には、非常に美しいバッハの自筆譜が有るんです。
無伴奏チェロ組曲には、バッハの自筆譜が無い。
4つの写筆譜が残されています。
彼の妻、アンナ・マグダレーナが写譜した物、バッハの弟子が写譜した物など、4つ残っているのです。
4つの譜面がバラバラであるんです。 音が違う。スラーのかかり方が違う…。

さて、皆さんは、「 アーティキュレーション 」と云う言葉をご存知でしょうか?
文章で云えば句読点に当たります。」
ここで展生ちゃんは、日本の昔話の 「 桃太郎 」の話の冒頭部分を、故意に棒読みで語り始めました。
次に、句読点をつけて語りました。
「 やはり句読点を付けると、聞いている方は、分かり易いですよね。
ではチェロで実演をしてみましょう。」

そして展生ちゃんはチェロを持って弾き始めました。

最初はバッハの無伴奏チェロ組曲 第2番の第2曲< アルマンド > のさわりのフレーズを1音1音、全部弓を切って弾きました。
次は、同じ箇所を全部繋げて弾きました。

「 この2つでは随分印象が違うんじゃないでしょうか?
アーティキュレーションでも印象は変わりますし。
20世紀の巨匠と言われる人達の多くは、『 1音入魂 型 』の演奏をします。
1音1音を歌い込むスタイルで、19世紀終わりから20世紀にかけて顕著なスタイルでした。
私が好きなアンナ・



Posted by ニヘドン at 00:12│Comments(0)
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