2009年02月12日

アートホール・カジュアルコンサート28-2 前半

28th Casual Concert Vol.2
「 早春の響きをあなたに
〜 ヴァイオリンとギターのデュオ 〜 」

日時 : 2009年02月11日(水・祝)
13:00 開場 14:00 開演
会場 : かながわアートホール
( 横浜市保土ヶ谷区 )
出演 : 小宮 直 ( こみや なおる ) / ヴァイオリン
坪川 真理子 ( つぼかわ まりこ ) / ギター
料金 : 無料 ( 事前応募制 )
演目 : N.パガニーニ / チェントーネ・ディ・ソナタ 第4番 イ長調
  F.シューベルト / ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 D.384 ( ギター編曲版 )
  M.ジュリアーニ /協奏風大二重奏曲 Op.52

     休憩 15 分

     J.S.バッハ / 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 二短調 BMW1004より
     作者不詳 / 禁じられた遊び  
     F.タレガ / アルハンブラの思い出
     F.クライスラー / 愛の悲しみ
     F.クライスラー / 悲しきロスマリン
     A.ピアソラ / 「 タンゴの歴史 」より 娼窟 1900
     A.ピアソラ / 「 タンゴの歴史 」より ナイトクラブ 1960
     P.サラサーテ / チゴイネルワイゼン Op.20

     アンコール ファリャ / スペイン舞曲・歌劇 「 はかなき人生 」 より

***********************************

「 二へドンさん。 カジュアル・コンサートに小宮さんが出るんですけど、
  一緒に行きませんか? 」
「 あ、カジュアル・コンサートは無理ですね。 」
「 どうしてですか?」
「 んー。 だって、どうやら二へドンはブラックリストに載っているらしくて、
  どうせ葉書出しても当たらないもん。
  10枚出しても1枚も当たらないもん。
  湘南信金のコンサートより当たらないもん。
  これ、絶対にはじかれてるよ。 だから前回も葉書出さなかったんだー。」
「 ブラックリストに載ってるなんて事無いですよ。
  だって、二へドンさん、何も悪い事してないじゃないですか。」
「 んー。 向こうはそうは思ってないみたいよ。
  別に法律に触れる事は何もしていないつもりなんだけどさ。
  噂を信じちゃってる部分も大きいと思うけど、その程度のレベルなら私も相手しないし。
  是非来て下さいって言ってくれる演奏家サイドも多いし、そっち行くから。 」
「 まあ、ともかく、行かれるようになったら連絡しますから、一緒に行きましょうね!!」

そして、1週間程前でしたでしょうかね?
連絡が来まして、一緒に行ったと言う訳なんでございます。
最初、1列目でかぶりつこう!という意気込みだったのですが、
いざ、会場に入ってみると、誘ってくれた方が怖気づきまして。
( 分かる。分かる。 二へドンも石田~リンにかぶりつくまでには2年位時間がかかりました。)
2列目に後退致しました。

で、演奏会は、どうっだったかと申しますと、そりゃあもう絶品でごわした!!
何故こういう言葉使いになるのか意味不明ですが、もう小宮さんのヴァイオリンに
脳幹に電気流れまくりで、少々ショート気味になっちまいました。
一言で言うと凄い! 凄かった。

1つ懺悔をさせて頂くと、二へドンも毎回神奈川フィルの定期演奏会には足を運んでおりまして。
その経験からいくと、二へドンは、小宮氏 イコール セカンド・ヴァイオリン主席奏者 という
固定観念が出来上がっておりました。
「 小宮氏 イコール セカンド 」。 
誰が何を言おうと 「 小宮氏 イコール セカンド 」だった訳ですよ。
二へドンの目から見たら、ジルヴェスターでもどこでも、
小宮氏はオーケストラに座っている人だったのです。
だから、小宮氏が立って演奏する姿を二へドンは生まれて初めて見ました!!
小宮氏のソロの音を生まれて始めて聴きました!!
OKですよ! OKです!!
二へドンは石田様を追っかけていて、1つの副作用に悩まされておりました。
それは、石田様がステージで弾いた曲は、二へドンに取ってはそれが
世界で最高の演奏ですから、他の演奏家が、それと同じに弾いてくれないと
「 え”-。 そんなん??????? 」 と感じてしまう副作用ですね。
これは他の演奏家の方には大変申し訳ないのですが、
石田~リン命icon06恋は盲目の成せるワザですから、
大目に見てやってくんなまし・・・・・・ですよ。

そんな二へドンの耳にも、小宮氏のヴァイオリン・ソロは、あっぱれ、お見事!!めっちゃグーでした。
すると、二へドンにはむくむくと欲望が湧いて来ました。
小宮さん、もっとガンガンとソロ活動をして下さい!!

*********************************

13:58 舞台の袖からヴァイオリンの音出しの音が聞こえて来ました。
「 お!始まる。始まる。 」
聞き手にとって、これからどんな素敵な演奏で魅了してくれるのか、
期待が高まる素敵な一瞬です。
坪川真理子さんが現われました。
二へドンは過去に1度坪川真理子さんの演奏を聴いており、また彼女の演奏を聴くのは
とてもラッキーだと思いました。
坪川さんは、ロイヤルブルーのお姫様スカートに、ノースリーブの濃紺の上衣を着ています。
髪飾りもブルーで、ラメがキラキラ輝いています。
小宮さんも登場です。
黒いスーツに黒いカマーベルトです。 
ジャケットのボタンは外しており、黒いボウタイが目に飛び込んで来ます。

1曲目はパガニーニの 「 チェントーネ・ディ・ソナタ 」です。
おお! 小宮さんが立ちで演奏をしている!!
おお! 小宮さんがファースト・ヴァイオリンを弾いている!!( って、ソロだもん。笑 )

二へドンはパガニーニって、聞いただけで、難しいんだろうなあって思っちゃうけれど、
 「 へー、小宮さんのヴァイオリンって、こういう音を出すんだー。」
もうこればっかりが驚きで、パガニーニも何もありません。
小宮さんのお姿は、いつもいつも神奈川フィルの演奏会で、絶対に二へドンの視界に
入っているので、空気の様な存在だったのですが、
小宮さんのソロの音を聞くのは初めてなので、もう耳がそば立っちゃってそば立っちゃって。
小宮さんのヴァイオリンの音は、どちらかと言うと、石田様系ですね。
さらっとした感じです。 同じオケにいる内に似て来ちゃうのでしょうか?

坪川さんのギターの音は、二へドンは元々大好きだったのですが、
今日、小宮さんのヴァイオリンとアンサンブルをしていて、何か凄く良い感じ。
こんな事を言うと、小宮さんの奥様に怒られちゃいそうですが、誤解しないで。
夫婦( めおと )の様に、ピッタリと息の合った、寄り添う様な音の一致なんですよ。
こういう相性の良い演奏家仲間って、なかなか出会わないと思うのです。
二へドンも、ここまで音の質が合致するアンサンブルを聞いたのは初めてです。
素晴らしい! 小宮さん、もう坪川さんとデュオ組んで活動しちゃって下さいよ!
これは全国の皆さんに聞かせてあげるべきだと思うから、
デュオ組んで全国ツアーをしちゃって下さい!!
二へドンは、すっごく気に入りました!!

第1楽章では、上記の様に初めて聴く小宮氏のソロ演奏に驚きと感動の連続で
ボーっとしたまま演奏が過ぎてしまいました。
第2楽章では、明るいお茶目な印象の小宮氏のヴァイオリンの音にビックリ!!
今まで二へドンが小宮氏に対して抱いていたイメージと全然違います。
今まで二へドンが小宮氏に対して抱いていたイメージってどういうの?
一言で言うと 「 謹厳実直 」かな。 ( 笑 )
お下劣な冗談なんか笑ってくれなさそうなイメージが有りましたよ。
「 ドンドン日記 」なんか読むと目が腐ると、本気で思っている様な・・・・。
でも、こうしてお茶目な小宮氏のヴァイオリンの音を聞いて思いました。
小宮氏も、ヴァイオリンの演奏で雄弁に語るタイプの人だったんだ!!
ヴァイオリンの音色は、多彩な音を語りますよ~。

第3楽章では、小宮ヴァイオリンと坪川ギターの音の質が見事にピッタリなのに唖然、呆然。
世の中には、運命の出会いという物が存在しますが、
音楽にも運命の出会いは有るなあ・・・・・・と、つくづく思いました。
お互いに、お互いの音を必然として受け留めて認め合っている様な大人の信頼感。
どっちかが甘えたり、パラサイトしているんじゃないんです。
二へドンは、また、凄いデュオを発見してしまいました!!

演奏が終わると、小宮氏が挨拶をします。
「 今日はありがとうございます。
  今日はヴァイオリンとギターという珍しいデュオをお聞き頂きます。
  皆様の余り知らない曲も有るかとは思いますが、
  ヴァイオリンとギターで弾ける曲を中心にお届けしたいと思います。

  最初に演奏した曲はパガニーニの『 チェントーネ・ディ・ソナタ 第4番 イ長調 』でした。
  パガニーニは19世紀前半に活躍したヴィルトゥオーゾです。
  彼は実はギターの演奏も出来たんですね。
  パガニーニはある時ヴァイオリンを数年間止めていて貴婦人と同棲していたらしいのですが、
  その時期に18曲の曲を作っています。

  次に演奏致しますのはシューベルトの『  ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 D.384 』です。 
  パガニーニとシューベルトは同時代の人で、ピアノとヴァイオリンのためのソナタは
  家族や友人が集まって、ギターという楽器が演奏する事によって家族的な雰囲気が出せると
  思います。」

普段、石田様のおとぼけトークを聞いているので、小宮さんの真面目度100%の解説に舌を巻きました。
( あ、こっちが本来あるべき姿なのか!?)

小宮さんは解説が終わるとヴァイオリンのあご当てに布を被せてヴァイオリンをスタンバイします。
2曲目はシューベルトの 「  ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 D.384  」です。

第1楽章
  おお~! もう最初の小節からシューベルトだあ!! これは嬉しい!!
  小宮氏のヴァイオリンと、坪川さんのギターの2人が醸し出す雰囲気は季節で言えば「春」です。
  癒されますよー。 世の中の冷たさや、不条理に負けそうな人は、
  この小宮&坪川デュオを聞いて、辛さを乗り切って下さいね~。 
  温湿布みたいに、じわじわと効いて来ますよ~。

第2楽章
  ギターの柔らかいイントロから、ヴァイオリンの力強い音が乗り、又ギター・ソロになります。
  ギター・ソロの間、坪川さんのガットを押さえる左指を凝視してしまいました。
  左手の指と指の間をうんと開くんですね。
  転調した物悲しい部分は秋色に染まって、じっと耳を傾けている乙女の心は満足感で一杯。

  二へドンはヴァイオリンを弾く時に、まだ克服出来ていない問題点が有ります。
  指を沢山開く時に、小指が覚束なくなる事です。
  今日、坪川さんのギターを弾く指をじっと見ていて、ギターはヴァイオリン以上に指を
  開かなければならないのですね。
  二へドンにギターは弾けないかもしれません。
  でもギターはガットが長いから、チャレンジのし甲斐が有るだろうな。

第3楽章
  雅やかな音のレースが風になびくかの様です。
  なびいたレースは、カーテンの様に、客席の頭上にふわーっと優しく広がります。
  坪川さんの両耳のイヤリングがぴかぴかキラキラと光りさんざめきます。
  一方、小宮さんのヴァイオリンの左手の指のうねうねが、見事です。
  「 ムーミン 」に出て来るニョロニョロの大行進を見ている気分です。
  すっかり気分が良くなってしまった客席の皆さんです。
  最前列の6人のお客さん、仲良くおやすみなさ~い。( 笑 )

演奏が終わると小宮さんがMCをします。
「 どうもありがとうございます。
  次は最後の曲で、M.ジュリアーニ の協奏風大二重奏曲です。
  仰々しいタイトルが付けられていますが、3楽章から成る素敵な曲です。
  ジュリアーニはギタリストで、ウィーンで活躍したギタリストで、
  最初に僕達が演奏したパガニーニより1つ年上で、
  つまりこの2人とシューベルトの3人は、殆ど同じ時代の人達なんです。
  今日はギターとヴァイオリンで演奏したいと思います。
  ヴァイオリンはとても弾き難い曲です。
  ギターは弾き易いんですよね? 」
小宮さんはマイクを坪川真理子さんに向けます。
坪川 「 場所にも拠りますけど・・・・・・。」
小宮 「 きっと弾き易いんだと思いますよ。」   ( 笑 )

M.ジュリアーニ /協奏風大二重奏曲 Op.52
第1楽章 
  坪川さんのギターから、柔らかい音がこぼれ出して来ます。
  この世の中には、重たい物、固い物なんかありゃしないとでも言いたげなソフトムードの演奏です。
  ギターの超絶技巧にびっくり!! ガットの端から端まで満遍なく指が動き回るんですよ!
  これで、弾き易い・・・・・・・・・・訳が無いよね!!

第2楽章
  静かな情熱とでも言いたい、大人の雰囲気がホール内を支配して行きます。
  客席の人々は、ただただ聞き惚れるという感じで、静寂に包まれています。
  その静寂の中で、坪川さんのネックレスの輝きだけが、キラキラと、まるで派手な音を立てて
  いるかの様に光り輝いています。

第3楽章
  後半に、どんどん熱を帯びて、トゥリルの箇所で二へドンの胸キューン。
  ヴァイオリンのトゥリルは難しいんだぞー。
  ヴァイオリンを習い始めて1年目2年目の初学者には出来ない技なんです。
  へなちょこなトゥリルは、弾き間違えたみたいに聞こえちゃうからね。
  二へドンが無理やりトゥリルを弾こうとすると、ぎこちなくて、とても聞くに堪えないんだから。

小宮さんって、見た目すごく真面目そうじゃないですか。
弓の持ち方も凄く真面目。 基本通りに持っている。
ビデオに撮って、教則本として使いたい位ですよ。

14:50に前半が終わり、15分間の休憩に入りました。
続きの後半は、別の記事に書きます。


***** 「 アートホール・カジュアルコンサート28-2 前半 」 ・ 完 *********




  

 


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Posted by ニヘドン at 14:47│Comments(2)コンサート
この記事へのコメント
あぁ、あぁ、ニヘドンさん。昨日の熱がまだ冷めやらぬまま仕事を終え帰宅致しました。
ニヘドンさんのおっしゃる通り小宮さんと坪川さんの音色の相性クラギとバイオリンの響きが溶け合ってうーんこれはまさに冷静と情熱の間!状態ですね(笑)けして掻き鳴らすのではないけれど静かな情熱たゆたう坪川姫のクラギとこれまた飽くまでクールなポーカーフェイスを崩さずに熱い音色を紡ぎだす小宮さんのテクニックに私も脳幹痺れまくりッス!!!是非ソロ演奏の機会を増やして頂きたいですよ!
Posted by 志摩島 at 2009年02月12日 20:39
>  志摩島さん。

   昨日はお疲れ様でした。
   そして、小宮氏の演奏会にお誘い頂き
   本当にありがとうございました。
   二へドンったら、いつも神奈川フィルの定期演奏会に
   行っているくせに、小宮氏のソロを聞いた事が無かったので、
   千載一遇のチャンスでした。
   この機会を逃さなかったのは、本当に意義深い事ですよ。

   また時間をみて、小宮氏の演奏会をレポりますね。

   丁寧なメールを頂いていたのに、お返事出来なくて
   すみません!!
   早く、小宮氏に関して書いた方が良いかと思って、
   お返事が後回しになってしまいました!!
   お許しをー!!
   
Posted by ニヘドンニヘドン at 2009年02月13日 22:07
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