2009年09月23日

METライブ ビューイング 〜 プッチーニ 「 三部作 」

MET ライブビューイング 2006 - 2007
リバイバル上映

第6作 プッチーニ 「 三部作 」

鑑賞日 : 2009年09月23日(水)
映画館 : 東劇
料金 : 3,000円 ( 全席指定 )

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

プッチーニのオペラは有名です。
・ 蝶々夫人
・ トゥーランドット
・ ラ・ボエーム
はオペラを見ない人でも、タイトル位聞いた事が有るでしょう。
オペラの中で歌われる「 ある晴れた日に 」は桃屋のTV CMに使われたし、 「 誰も寝てはならぬ 」は荒川静香ちゃんのイナバウアーとセットで日本中を夢中にさせたもんね。
「 ラ・ボエーム 」はオペラ映画が今年の02月に公開されたから、普段オペラを見ない人も見たんじゃないかな?

もうちょっとオペラ中級者になるとプッチーニの作品として
・ トスカ
・ マノン・レスコー
・ つばめ
等が思い浮かぶと思います。
ニヘドンはオペラを集中的に見始めたのは MET のライブビューイングがきっかけだから、まだまだオペラ初心者です。
なのでタイトルの 「 三部作 」って何よ?って思ってしまいました。
昨年末の大晦日に歌舞伎座で見た 「 MET オープニング・ガラ 」みたいに、異なるオペラからハイライト・シーンを3つ持って来るのかと思っちゃいました。
何と何と「 三部作 」と云うのは、3つセットで上演すべくプッチーニが作った全く異なる1話1時間程度のオペラ3話なんです。
第1話 「 外套 」
第2話 「 修道女アンジェリカ 」
第3話 「 ジャンニ・スキッキ 」です。

何と 「 ジャンニ・スキッキ 」は、こんな所に入り込んでいたんだ!
いえね、ニヘドンのヴァイオリンのレッスンのテキストにジャンニ・スキッキの「 ああ、お父様聞いてちょうだい 」が有ったんです。
日本国内のオペラ・ガラ・コンサートでもよく歌われてニヘドンも散々聞いていました。
いつか「 ジャンニ・スキッキ 」のオペラを見てみたいな〜と思っていましたら、元々は「 三部作 」の1つだったんですね。
へ〜。へ〜。へ〜。

結論から云うと、この「 三部作 」滅茶苦茶良かった!!
もしかしたらプッチーニ作品の中でNo.1 オペラに推奨しちゃう程に良かったかも。
全く味わいの違うストーリーを3編まとめて見るって云うのは、いつもブリリア・ショートショート・シアターでショート・フィルムのオムニバスを見慣れているニヘドンには全く抵抗が無かったのかもしれませんが…。

第1話の「 外套 」はライブビューイングのインタビューの中でヒッチコック張りの作品と評していました。
確かに、全編歌ってはいるものの、現代劇の様なスリリングなステージになっています。
見事なサイコ・スリラーです。
オーケストラの音がまた、舞台に「 参加 」しているに止まらないんです。
「 加担 」しているんですよ。
オーケストラが舞台のドキドキ感を煽っているんです。
余りの恐怖に心臓止まるかと思いました。
稲川淳二さんの 「 怖い話 」より怖かったです!
プッチーニの凄さを思い知らされました。
マジ凄いよ!
オペラの表現力の凄さに度肝を抜かれるよ!
普通の日本の一般ピープルが、この作品を知らないで一生を終えるなんて勿体無い!!
みんな見て下さいよ〜。

ニヘドンはシルバーウィークの間、ずっと東劇に通って MET ライブビューイングを見続けました。
何しろ4枚綴りの回数券 1万円を2冊買って、多分明日寝坊しなければ、全ての回数券を使い切るんですよ。
よし。ニヘドン、このシルバーウィークを実に有意義に過ごした!

東劇に通い詰めたと云う事は、東劇に来るお客さんの動向をも見詰めたと云う事です。
やっぱ、マダム達に人気はあれですよ。
アンナ・ネトレプコ。
兎に角ニヘドンの耳に入って来るマダム達のおしゃべりは、
「 ネトレプコはさすがね。」
「 ママになる前は、あんなに可愛いかったのね。」
等々、ネトレプコ絡みのものばかり。
ルネ・フレミングや、ナタリー・デセイとか、ニヘドンが贔屓のディーバへの賞賛の声は残念ながら聞こえて来ないのです。
日本のおばちゃまはアンナ・ネトレプコがお好き。
アンナ・ネトレプコ主演のオペラ映画をじゃんじゃん公開すれば、
当たる事必至でしょう。
彼女がお婆さんになっちゃう前に、若い姿をいっぱい映像に残しておいてあげるべきだよー。

第2話の「 修道女アンジェリカ 」は、マスネの「 タイス 」を彷彿とさせる様な哀しく胸を打つ
秀作です。
映画「 ランジェ公爵夫人 」 とか 「 タイス 」とか、修道院絡みのストーリーは多いですが、
この「 修道女アンジェリカ 」は、生まれて直ぐに引き離された自分の息子の事を想いながら
7年間も修道院で過ごすのです。
7年振りに面会に来た叔母から、息子の死を知らされ、絶望の余り毒を飲んで自殺してしまうのです。
ストーリー自体はシンプルですが、シンプルなだけにアンジェリカの悲しみから目を背ける事が出来ず、
涙・涙の化粧くずれにご用心のオペラです。
子を持つ母なら、絶対見ておかなければ駄目です!!

第3話が、これまた抱腹絶倒のコメディです。
資産家の死の床に集まった一族が自分達に不利な遺言書を書き直そうとするドタバタ劇です。
プッチーニ唯一のコメディ・オペラで、幕が開いたその瞬間から抱腹絶倒。
はっはっはっはっはっはっは!!
ナンセンス物が好きな二へドンのツボに嵌りました。
キャラクター設定も、思いっきり楽しいし、いやはや皆さん、役者じゃのう~。
8月に六本木シネマートで公開していた 「 ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式 」を
ちらっと思い出したりしちゃいました。

で、二へドンが感じた事は、東劇に通って、マダム達のお目当てはアンナ・ネトレプコだって
分かったじゃない?
アンナ・ネトレプコが主演している「 清教徒 」 「 ロメオとジュリエット 」は超混みだったのね。
二へドンは今年の2月に見ちゃったから今回は見に行かなかったけれど、
恐らく 「 ランメルモールのルチア 」も超混みだったと思います。
これもアンナ・ネトレプコが主演しているからね。
今日の「 三部作 」は、お客さんガラガラだったのよ。
何かね~。
二へドンも石田様を追っかけている手前、アンナ・ネトレプコが好きな人に
「 他のオペラも見なくちゃ駄目じゃないか!!」って説教する訳には行かないのだけれども、
「 三部作 」を知らずに人生を送るなんて、それでいいのか!?

またMET LIVE VIEWING 2009 - 2010のシーズン9作品が
2009年10月31日(土)東劇を皮切りに順次全国公開されていくので、
是非是非皆様1度は足をお運び下さいませ。

***** 「 METライブ ビューイング 〜 プッチーニ 「 三部作 」 」 ・ 完 *****


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Posted by ニヘドン at 20:45│Comments(0)映画
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