2010年04月30日

「 ウルフマン 」

邦題 : ウルフマン
キャスト : ローレンス・タルボット /
         ベニチオ・デルトロ
   ジョン・タルボット卿
      ( ローレンスの父親 )/
         アンソニー・ホプキンス
      グエン・コンリフ /
エミリー・ブラント
     アバライン警部 /
ヒューゴ・ウィーヴィング
* ジェラルディン・チャップリン
* マリオ・マリン=ボルケス
* エイサ・バターフィールド
* リック・ベイカー

鑑賞日 : 2010年04月29日(木・祝)
映画館 : 109 シネマズ MM
料金 : 1,200円 ( レイトショー )

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

豪華キャスティングを売り物にしている映画は星の数ほど有りますが、ニヘドン、この「 ウルフマン 」のキャスティングは絶対に見たかったのよね。
だってアンソニー・ホプキンスとベニチオ・デル・トロですよ。

この映画は見事にニヘドンの期待に応えてくれました。
主役級の2人もさる事ながら、エキストラ達に至るまで、皆、目で演技が出来ていて、凄く良かったです。

この映画の時代設定は1891年。
ロンドン郊外のブラックムーアと云う田舎町です。
役120年前の設定ですから、衣装も街並みも時代掛かっています。
これが超ロマンチックなんです。

最近、古き良き時代のロンドンが舞台の映画って多くないですか?
ニヘドンが見ただけでも
・ シャーロック・ホームズ
・ Dr.パルナサスの鏡
・ スウィーニー・トッド
( ニヘドンの映画ノートを見れば、もっともっと出てくると思うけど、今、電車の中で思い浮かんだものだけ書いてみました。)

凄く良い映画でしたよ。
ウルフマンは文字通り狼男ですから、人間が狼に変身するシーンが出て来ます。
変身シーンは、最新の特撮技術を使ったものごっつ〜い物では有りません。
1番最初に狼の顔になる所では、「 あちゃー、これは単なる狼の被り物では? 」
と思っちゃった位レトロです。
100年前のロンドンの雰囲気とマッチしていて実にいいじゃないですか。
ニヘドンは実は特撮を売り物にした映画には、あんまり興味が無いんです。
自分の偏差値を自慢する男みたいで鼻持ちならないですよね。

でも、画面にスピード感が有って、スリルを味わいたい人も満足いきますよ。
ウルフマンが活躍すると、スクリーンには内臓や脳みそが飛び散って、
なかなかスプラッターな感じなのですが、決してグロではありません。
それは、映像の美しさが全編を支えているからです。
どちらかと言うと、この映画は「 地味 」 系の映画です。
アカデミー賞を狙った映画でもなければ、巨匠が数十年振りにメガホンを取る
と言った売り物は有りません。
が、作品を見た人は納得してくれると思うけれども、映画としての質は
かなり高いんですよ~。
映像美に包まれたスプラッターな映画なんですよ。

夜の森の中の、木立の間を夜霧が流れて行くシーンは、まるで水墨画を見て
いる様な静けさと、じわじわと来る言い知れぬ恐怖感を演出してくれます。
この映画では原色のカラフルな色彩の物は出て来ません。
グエンのドレスも黒だったり、紺だたり、後家さんですか? という地味さ。
でも、色が汚くないんです。
ブラックムーアの森や川の、荒涼とした景色とトーンを合わせながら、
でも上品に纏め上げているのです。
美的センスの有るスタッフに恵まれて出来た映画だと思いました。

映画の冒頭では、一体誰がウルフマンなのか、という事は表されません。
この犯人探しが、この映画の1つの楽しみになっているからです。
ウルフマンは、ローレンスでもありそうで、当のローレンスは自分の父親を
疑っています。
ローレンスは精神病院に入れられ、拷問もどきの治療を受けます。
医者や警察は、ローレンスが父親を犯人だと言うのは、精神病のせいだと
決め付けます。

ここでのやり取りが、「 シャッターアイランド 」を彷彿とさせ、
両方の映画を見た人は面白い・・・・・・・ と言うか、混乱すると思います。
一体、どっちの言ってるのが本当なの? どっちが正気なの?
ニヘドンなんか、疑り過ぎて、意表を突いてグエンがウルフマンなんじゃないの?
と思ってしまいました。 ( あんまり馬鹿過ぎて自分が恥ずかしい・・・・・・・。)
それじゃ、ウルフウーマンだろっての。

いや、本当。 なかなか面白い映画でしたよ。
恐らくファミリーは「 アリス・イン・ワンダーランド 」を見に行くと思います。
こっちの方がスプラッター無いからね。
そういう意味で、観客動員数とか、興行収入とかは、「 アリス・・・ 」の方が
上回るでしょうが、数字と映画そのものの質の良さとは又別物ですからね。
ニヘドンは「 アリス・・・・」 と 「 ウルフマン 」 を比較するなら
「 ウルフマン 」 に軍配を上げます。
「 アリス・イン・ワンダーランド 」はファミリー向けファンタジー。
「 ウルフマン 」は大人の貴方に見ていただきたいファンタジー。

「 ウルフマン 」の映像に仕掛けられた「 美 」 と 「 レトロ感 」は、
ガキンチョには味わえないですよ。

ニヘドン、又、妄想スイッチ入っちゃいましたからね。
ウルフマンと村人達が闘うクライマックス・シーンで、
ゼブラーマン登場! はいっ!?
ウルトラマン一族もやって来た。 はい!? 
タイガーマスク。 ええ~! 被り物大集合なの!?
スーパーマン、スパイダーマン、ついでに梅干食べてスッパマンも!!
じゃあ、仮面ライダーシリーズも行こうかね。
仮面ライダークウガのオダギリジョー君の再来を望むが、
彼きっとロケ地の木の洞の中でサボってそうじゃない?
そしてこれだけ被り物が大集合したら、最後に天からマイケル・ジャクソンが
降臨して、スリラーを全員で踊って、観客は大満足!!
いや、少なくともニヘドンは大満足するな。

何はともあれ、地味だけど、きちんと咀嚼出来る、大人のファンタジーを
是非ご覧下さいませ。
GW前後に日本で公開される映画の中ではニヘドンの一押し映画です。




同じカテゴリー(映画)の記事画像
「 サルトルとボーヴォワール 哲学と愛 」
「 ロボジー 」
「 スパルタンX 」
「 第4の革命 」 ・ 前半
「 CUT 」
「 テザ 慟哭の大地 」・ 前半
同じカテゴリー(映画)の記事
 「 サルトルとボーヴォワール 哲学と愛 」 (2012-02-01 23:05)
 「 ロボジー 」 (2012-01-25 20:25)
 「 スパルタンX 」 (2012-01-24 16:48)
 「 第4の革命 」 ・ 前半 (2012-01-20 21:06)
 「 CUT 」 (2012-01-11 20:25)
 「 テザ 慟哭の大地 」・ 前半 (2012-01-08 18:11)

Posted by ニヘドン at 00:20│Comments(0)映画
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。