2009年02月23日

「 ぐるりのこと 」

2009年02月21日(土)

あちこちの映画館で「 ぐるりのこと。 」の予告編を頻繁に見ました。
見る度に、「 あ、この映画は質の良い映画だ。
絶対に見よ〜っと。」
と思っていました。
やっとの事で見る事が出来ました。

期待通りの良い映画でした。
でも期待以上ではありませんでした。
ははは…。
ちょっと残念でした。
ニヘドンが1番期待を寄せていたのは、リリー・フランキーでした。
彼、いいですよね。
イケメンじゃないし、ファッションもバッチリ決まっていないし、クリエイティブな才能は認めるけど、自分勝手なんだろうし…。
こういう母性本能をくすぐるタイプの男は危険ですから近寄らないに限ります。
もしニヘドンが「 ぐるりのこと。」を見たら、ニヘドンが追っかけをしているヴァイオリニストの石田様の事も忘れてリリー・フランキー LOVE になってしまうのではないかと、内心恐れていたのです。

が、リリー・フランキーに恋はしませんでした。
もっと彼の魅力全開の映画かと思っていたので残念ですねぇ…。

この映画本編の見所が全て予告編にギュッと凝縮されてしまっていました。
ニヘドンはブリリア・ショートショート・シアターでショート・フィルムを見慣れているので、予告編以上に収穫の無い本編に、ちょっとフラストレーションを感じてしまいました。
良い映画なんですよ。
良いか悪いかと言ったら、良い映画です。
でも予告編にエッセンスを詰め込み過ぎた感が有ります。
忙しくて映画を見る時間の無い人は、予告編で事足れり……です。
監督が映画を作る時に、監督が表現したかったものを作ったら、時間が2時間位になったって云うんじゃないんですよね。
ロードショー上映する為に2時間にするんじゃ駄目なんですよね。
それは映画業界の責任も有ると思いますよ。
「 規格品 」しか上映しないのがいけないよね。
上映時間が40分でもどんどんシネコンで掛けて、その代わり料金は500円にするとかさ。
人気の無い映画は、どんどん料金を下げて行くとかさ。
スーパーだって閉店前には売れ残った食品は値引きするんだから、
映画だって画一料金は止めて、もっと色々な種類の映画上映に努力すべきだよね。
映画を金もうけの道具にしないで、文化だという認識が強くなれば良いと思うのです。

ぐだぐだ言いましたが、「 良い映画 」である事には違いありません。
1990年代を、法廷画家の仕事を通じて、世相を映す事件の断片と、赤ちゃんを失った
夫婦の軌跡を交互に映し出す手法は妙に納得が行きます。

***********************************

監督 : 橋口 亮輔 
登場人物

佐藤カナオ ( リリー・フランキー ) ・・・・・ 法廷画家。
佐藤翔子( しょうこ ) ( 木村多江 )・・・ カナオの妻。
吉田波子( 倍賞美津子 ) ・・・・・・・・・・ 翔子の実母。夫に女を作って家出される。
吉田勝利( 手島進 ) ・・・・・・・・・・・・・ 翔子の実兄。 不動産業者。
吉田雅子( 安藤玉恵 ) ・・・・・・・・・・・ 勝利の妻。 
生方圭子( 峯村リエ ) ・・・・・・・・・・・・ 翔子の出版社勤務時代の同僚。
安田邦正 ( 榎本明 ) ・・・・・・・・・・・・ 記者。
和久井寛人 ( 温水洋一 ) ・・・・・・・・ カナオの同業者。 元・警察官。
吉住栄一( 寺田農 ) ・・・・・・・・・・・・・ カナオの同業者。
小山悦子 ( 横山めぐみ ) ・・・・・・・・・・ 護国寺園児殺人事件の証人。
夏目先輩( 木村祐一 ) ・・・・・・・・・・・・ カナオに法廷画家の仕事を紹介する。
橋本浩二 ( 斎藤洋介 ) ・・・・・・・・・・・ カナオの同業者。
諸井康文 ( 八嶋智人 ) ・・・・・・・・・・・ カナオの上司。
田中ツヨシ ( 加瀬亮 ) ・・・・・・・・・・・・ 連続幼女誘拐事件の被告。

どうですか!! この脇役の層の厚さ!! これだけでも、この映画を見る価値有りですよ!!
二へドンの贔屓の俳優さんは、横山めぐみ( 「真珠婦人」はほとんど欠かさず見ました! )と
寺島進ですねー。 いいですねー。


では、ストーリーをなぞっていきましょうかね。

1993年 春。
「 女で苦労するのは分かってるの。」 出版社で働く翔子は、同僚の女性と
フットマッサージを受けながら話をしています。
「 じゃあ、やめなよー。」
「 いいの。 私がしっかりしてればいいんだから。 」と、翔子は誇らしげに断言します。
( このシーンは、予告編でお馴染みです。)

翔子の夫のカナオは、靴の修理屋で働いている。
靴を修理しながら、女性客とみると、熱く語りかけるカナオです。
結局、風俗嬢みたいなギャルと、飲みに行っちゃいます!

タイトルが出ます。「 ぐるりのこと。」

1993年7月。

翔子が働く出版社の事務所のシーン。
「 大分、お腹が目立って来たね。 」と翔子は社内の人から言われます。

靴の修理屋のシーン。
カナオは相も変わらず、靴の修理をしながら仕切りに女性客に話し掛けています。
少し離れた所に、ニヤニヤ笑いを浮かべてカナオを見ている無精髭の男がいます。
夏目先輩でした。
2人は居酒屋に行きます。 2人は中ジョッキで生ビールを飲みながら色々近況を
語り合います。
夏目は、店の人にTVをつける様に頼みます。 快く応じる店の主人がスイッチを入れると
TV画面には奥尻島の地震の被害を伝えるニュースを報道しています。
( うわ、懐かしい。 そうか。 奥尻島の地震は1993年だったんだっけ?
  あの時、二へドンはツアコンをやっていて、同僚の男性添乗員が丁度、地震の時に
  奥尻島の民宿にツアーのお客さんと泊まっていたのです。
  その時の彼の生々しい避難レポートのコピーが添乗員仲間の間で回覧されたものです。)
ニュースは次々に変わり、裁判の様子を伝えるニュースになった時に、夏目は
「 ああ、これこれ。」 とカナオに注意を促します。
夏目はTVの美術チーフをやっていて、副業として法廷画家もやっています。
1枚描いて8万円の給料以外の副収入が有る訳です。
それをねたまれて、同僚からいじめを受けているとの事。
「 男の嫉妬は恐ろしいぞー。 法廷画家を俺の代わりにやれ。 」







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Posted by ニヘドン at 18:15│Comments(2)映画
この記事へのコメント
「ぐるりのこと。」はDVDになったら見ようと(レンタルで)ずっと思っていたのですが最近のDVD化のサイクルと比べるとなかなかDVD化されず出るのか心配していました。まだ上映中の劇場があったのですね。DVDは今月25日に発売されるようです。私も予告編に魅かれたひとりでしたので、二へドンさんの記事を見て迷っています。でもレンタルならいいかな。
Posted by hama1スタッフ dai at 2009年02月23日 19:24
>  hama1 スタッフ dai 様。

   迷わずに見てやって下さいませ。
   先日の第32回日本アカデミー賞で、木村多江さんが  
   見事、最優勝主演女優賞を受賞しましたからね。

   是非是非、アカデミー賞受賞記念に見てあげて下さい。

   どこかのオヤジが言っていたのですが、
   「 木村多江は、不倫顔をしていて、いい。」って。
   二へドンはリリー・フランキーに恋は出来ませんでしたが、
   男性はもしかしたら、木村多江さんを気に入るかも!?
Posted by ニヘドンニヘドン at 2009年02月23日 23:11
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