2010年02月15日

「 フロスト X ニクソン 」 後半

この記事は2010年02月02日「 フロスト X ニクソン 」前半の記事の続きです。
前半はこちらでお読み下さい。 → http://nihedon.hama1.jp/e817074.html

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いよいよ、インタビュー当日。
フロスト 「 スタートは何故テープを燃やさなかったか、だ。」
仲間達は反対するが、共和党員のスミス邸でインタビューを行なう事になりました。
フロスト達が、スミス邸の前に集まっている報道陣達の前に先に現れます。
物々しい警備の中、黒い車の車列がやって来て、車から降り立ったニクソンはにこやかな顔を見せます。

フロストに同行したのは、ボブ・ゼルニックとジム・レストン。
ジム・レストンはニクソンに関する本を4冊書いているが、実際にニクソンに会うのはこの日が初めて。
会う前は、「 握手なんかするか。」 と言っていたのに、本人を目の前にしたら思わず握手をしてしまった。
フロストはまずニクソンにこう声を掛けます。?
「 奥様が回復して良かったですね。」
そして続いてニクソンにこうもつげます。「 ( インタビューの費用に )200万ドル掛かりました。」
ニクソン 「 全部集めたのか?」

ニクソンは、ケネディとの討論会で上唇に汗をかき、その映像でイメージをダウンさせてしまったので、
今回は神経質になっています。
フロスト 「 4回に亘り、それぞれのテーマで話しをしますが、何故テープを燃やさなかったんですか?」
ニクソン 「 フロスト君。 これは驚いた。 契約で合意が出来ている筈だ。
       ウォーターゲートの件は最後の回に回すと。」
あっと言う間にニクソンにかわされ、「 ジョンソン大統領が撮影装置を導入した 」事など、
フロストの思い通りとは言えないインタビューの状態が続きます。
フロスト 「 辞任を意識したのはいつ?」
ニクソン 「 7月23日だ。下院議長から圧力を受けた時だ。」
テープのチェンジの為、ブレイクが入ります。

ブレイクの間、フロストはジョンと今後のやり方をディスカッションします。
一方ニクソンは部下と話し合いをします。
フロスト 「 大統領辞任については?」
ニクソン 「 今まで味わった事の無い苦しみだった。
       アイゼンハワーが亡くなった日も辛かった。
       私とキッシンジャーは難しい話をする時、いつもリンカーンの部屋に行った。
       我々は膝まずいた。」
2時間が経ち、その日の撮影は終了します。

ニクソン 「 変だな。 ベトナムの話が出ると思ったのに。」

フロストは、自分の仲間たちと今後の話し合いに忙しい様子です。
フロスト 「 ウィードイーター社の人間に会う。」
ジョン 「 芝刈り機の会社だよ。 スポンサーの1社だ。」
「 集まった資金は30%だ。」 ともジョンは仲間に報告をします。
ところが、フロストが、ウィードイーター社の人間に会うと、「 気が変わった。」と断られてしまいます。

インタビュー2日目。
ジョンはフロストに言います。「 彼に切り込め。 一般論化させるのか!?」
ニクソンは部屋に入って来ます。そしてフロストに言います。
「 やあ、大審問官。 良い夜だったか? 彼女とやったか?」
フロストは丸い目を更に大きく見開きます。
・・・・・・・・・・・・・・ インタビューは大きな収穫が無いまま進みます。・・・・・・・
フロスト 「 選挙民に対する裏切りだと思いませんでしたか?」
ニクソン 「 それが米国の信頼性を維持する道だった。
        私はベトナムの二の舞はしたくなかった。 」
フロスト 「 カンボジア侵攻はどうです? CIAも皆、反対したのに。
       竹のペンタゴンは存在しませんでした。 」
そしてフロストはカンボジア侵攻の様子を撮影したビデオを流します。
ニクソンは鼻の下をハンカチで拭き、水を飲みます。
ニクソン 「 もっと早くカンボジアに踏み込んでくれれば、私の息子は死ななくて済んだのに。」

1977年03月28日 インタビュー3日目。
ジム 「 スタッフが収録で話してた。
      前は( ニクソンに )投票しようと思わなかったが、今なら彼に投票するねって。」
フロストはフランスへ飛びます。
ヒュー・へフナー、プレイボーイのバニーガール等がいて、ジム達はビックリ。
彼らはフロストの誕生日を祝ってくれます。

ニクソンは家でピアノの演奏を行い、家族5人が、聴いています。
フロストはベッドに座って身体を前に屈めます。
「 オーストラリアは打ち切り。 何を優先させるべきか考えろって。
  ロンドンも、その内、打ち切りだね。 どうして誰も止めてくれなかったんだ。」

キャロラインはレストランに何か食べ物を買いに出て行きました。 
その時、フロストの元に電話が掛かって来ます。 ニクソンからでした。
ニクソンは言います。 「 誰かと楽しんでいる時間かな?
フロストは電話での会話を録音します。

ニクソン 「 私はいまだに君が分からない。 プロファイルを作ってもらい、やっと今読み終えた。
        名門の出だと言う我々が彼等の尊敬が欲しい。
        権力だ! 栄光だ! 2人であのクソ共をやっつけるのだ。
        恐らく私は君に取って最大の敵になる。
        君は思っているだろう。 私が飲んでいると。 でも1~2杯だ。 おやすみ。」
フロスト 「 Good night. Mr. President. 」

丁度電話を切った所で、キャロラインがハンバーガーを買ってフロストの部屋に戻って来ました。
02:57 フロストは、深夜の時間だと言うのにジムに電話を掛け、今までのニクソンの過去の記事や
      録音を全部洗い直す様に言います。
04:14 フロストは再び電話を掛け、コルスンとニクソンの事を調べる様に言います。

3日後フロストの元にジムがやって来ます。
フロスト、レストン、キャロライン達が、思い詰めた様な緊張した様子で、ホテルの部屋から下りて来ます。
ニクソンは少し遅れてインタビュー会場に入ります。
ニクソンが入って来た時、フロストはニクソンに握手の手を差し出しますが、ニクソンはそれを無視します。
フロスト 「 電話で話したような事になると、今日は死闘ですね。」

04月22日インタビュー最終日。
フロストは司法妨害から切り込みます。
ニクソン 「 公益の為にやったのだ。 07月06日にFBIのパットから電話が有った。」
フロスト 「 その2週間前にホールドマンと貴方の録音テープが焼却されたからです。
        チャールズ・コルスンとの会話は今まで文字になっています。
        それによると06月23日に侵入を知った筈です。」
フロストは、今までに調べ上げた証拠を1つ1つ挙げて行きます。
       『 捜査を中止にしろ。 7人の内、誰かが口を割った時点で。』
       『 ジョン・ディーンに100万ドル。』
       『 金はアーリックマンが運ぶ。』 
ニクソン 「 私はメモを見ずに話をしている。」
フロスト 「 金は空港の電話ボックスに置かれた。 弁護士費用の渡し方じゃない。
        大統領は国益の為なら非合法な事が出来ると? 」
ニクソン 「 I believe so. 」
フロストが更に言葉を継ごうとするが、ニクソンの側近達が撮影を中止させ、インタビュー現場は
大混乱になってしまいました。

ニクソン 「 何をした? タオルを投げたか? 私を哀れんで? 」
ニクソンの側近 「 今が如何に重要な時期かをお考え下さい。」
ニクソンは側近のジャックと握手をします。 「 君には感謝している。」
そしてインタビューの撮影が再開されます。

フロスト 「 03月20日~04月21日までの事を話しました。 過ち以上の事をされたのでは? 
        1. 過ち以上の事が有った。
        2. 大統領の権力を乱用した。
        3. 私は国民を2年間に亘って苦しめ続けた。
       この3点の謝罪をしない限り、貴方は一生その罪から逃れられないでしょう。」
ニクソン 「 思い出してくれ。 困難な時代だった。
       心ならずも5つの戦争に巻き込まれていた。
       全ての過ちに対し、謝罪をする。
       しかし君たちが私に跪き謝罪を要求するなら、 No never. 」
フロスト 「 For American people. 」
ニクソン 「 国民を失望させた国家を許して欲しい。
       最悪な事は政治制度を危うくさせ、政治を志す若者の夢を打ち砕いた事だ。
       私はその重荷をこれからずっと背負って行く。 私の政治生命は終わった。」

ジョン・バートが喜びの余り、裸で海に飛び込みます。
ニクソンのクローズアップの顔がスクリーン一杯に大写しになります。
( この表情が、役者の演技だとは到底思えません。もうここまで映画を見てしまうと、
  彼がニクソン大統領本人だと錯覚してしまって仕方が有りません。)

インタビューの後、ニクソンは建物を出て犬を抱いて前を通りかかった女性に
「 ダックスフントかね? 」と声を掛けました。 そして黒い高級車に乗って走り去ります。

インタビューは大成功しました。 視聴率は最高を記録。
フロストとキャロラインは帰国前、ニクソンに再び会いに行きました。
ニクソン 「 君の仲間のジャーナリスト達は私に冷たかった。
        よく来てくれた。 君は好敵手だった。」
フロストは、紐の無い靴をニクソンにプレゼントします。
ニクソン 「 David. 2人だけで話をしたい。 ちょっといいかな?
       君のパーティの事を新聞で読んだけど、君、本当に楽しんでる?
       その魅力、明るさ。
       私がインタビュアーで、君が政治家になれば良かった。
       あの夜、本当に私は君に電話をしたのか?」

フロストの打ち切りの憂き目に遭いそうだったトークショーは継続が決定。
ニクソンは政治世界に復帰する事はありませんでした。
1994年 ニクソンは脳卒中で死去します。

The End 

ハンス・ジマーの音楽は、とっても地味めなのですが、エンドロールの時の音楽が心に沁みました。
やっぱり映画音楽って、最後に心にじわんと来て何ぼって感じですかね?
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シネマ・Jack & Betty は、よっぽどの話題作でもなければ、平日の昼間はそんなに混まないのですが、
今日は何でこんなに混んでいるの?
ざっと見渡して30人以上は入っていますね。
もう定年過ぎて何年も何十年も経ってますって風情の目上の殿方が多いのです。
齢を重ねる毎にお耳も擦り切れて来ているようで、
二へドンの前には痰吐きお爺様がいらっしゃいまして、二へドンは身も細る心地でした。
二へドンの横には、ポリ袋ガサガサの熱演をしていらっしゃるお爺様が。
自棄のやんぱち状態に陥った二へドンは、「 アンコール! 」って叫んじゃいたい気分だったわ。
そして二へドンの後ろには鼾と共に幸福の夢の楽園をスキップしているお爺様が。
痰 X ポリ袋 X 鼾 という壮絶なトリオ演奏。
ぶち切れなかった二へドンを誰か褒めてやって下さい~!!

***** 「 「 フロスト X ニクソン 」 後半 」 ・ 完 ************


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Posted by ニヘドン at 02:15│Comments(0)映画
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