2010年10月02日

通常版 「 眠り姫 」

いや、凄い映画だ。
いや、映画なんて陳腐な言葉は使いたくない。
芸術なんてダサダサの言葉も使いたくない。
究極の映像表現だと思う。
ここまで「 表現 」と言う仕事に徹した作品は貴重だよ。

唸った。唸らせて頂きましたよ。

画面に人間が映らない。
画面に映るのは木、トイレ、テーブル、グラス…… 。
それはニヘドンの心をゲッチュした Charlie K.さんのスライド・ショーと同じ方向性を持っている。
勿論、Charlie K. さんのスライド・ショーには人物が沢山映ってはいるのだが、「 物 」或いは 「 静物 」を映し出す事に特化すると、「 眠り姫 」になるのだと思う。

音声と相俟って、物凄い生々しさ。
人間の映像を一切出さない事で、人間の嘘をも封印してしまっている気がする。

最初の夜の木の映像を見た途端に、強い安堵感を得られた。
映画全体から、自分の孤独感を代弁してくれた気がして、ホッとした。
この作品は、カタルシスと同義語なのかもしれない。

この作品を見てしまったら、ハリウッド映画なんて幼稚園のお遊戯会に思えてしまう。

俳優さん達は基本的には声だけの出演。
しかし名優達が揃っています。

つぐみ、西島秀俊、山本浩司。
声だけで、半端無いリアルな演技。
ため息の連続。
また西島秀俊が殺し文句を決めてくれちゃって!!

会場は、50人以上の人々が押し寄せ、満席状態だった。

実はこの作品は2007年製作と言う事になっているが、七里監督自身がトークショーで語った所に拠ると、作品自体は2005年に完成していたそうな。
2007年に公開されて移行、毎年アンコール上映を重ね、今年で4年目!!
七里監督曰わく
「 千昌夫の『 星かげのワルツ 』の様に7年位、やろうかな 」と。( 笑 )

今年も UPLINK でアンコール上映やっちゃいますよ〜!

2010年10月23日(土)〜11月05日(金)
連日 20:50 〜 当日料金 一般 1,500円

まだ見ていない方は、この機会をお見逃し無く!!!



Posted by ニヘドン at 23:36│Comments(0)
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