2020年10月11日

キプロス紀行 ~ 雨ざらしのテセウスの館、大丈夫なの?

ディオニソスの館 寝室by二へドン2019年12月07日(土)
パフォス遺跡は広大な敷地を擁し
ていて、中にディオニソスの館、
テセウスの館、オルフェウスの
館、エオンの館、半円形劇場、サ
ランタ・コロネス城、アスクレピ
オンと見所が点在しています。
残念ながら、二へドン達のツアー
では、時間の関係で見学出来たの
はディオニソスの館とテセウスの
館の2つだけでした。 1枚目の写
真は、ディオニソスの館の寝室で
す。 階段状に小さなフロアが並
んでいます。 キプロスの遺跡に
はどこも素晴らしいモザイクが沢
山残されています。 モザイクは
当時の住居の絨毯に相当する物な
ので、必ず貴族やお金持ちはモザ
イクを敷き詰めました。 けれど
も、寝室だけは、モザイクが有り
ません。 人類発祥の地と言われ
る南アフリカのシブドゥ洞窟で
は、約7万7000年前の布団の化石
が発見されています。 ベッドの
原型と思われる物は紀元前3200年
のエジプトで誕生。 当時のベッ
ドは日中は長椅子として兼用さ
れ、古代ギリシャでも、その様な
使用法だった様です。

テセウスの館 テセウスのモザイクby二へドンディオニソスの館の見学を終え
て、次にテセウスの館に行きまし
た。 ディオニソスの館は大きな
屋根で覆われてモザイクを守って
いるのに、テセウスの館は雨ざら
しです。 このパフォス遺跡は
1980年に世界遺産に登録されてい
ます。 しっかり保存しなくて大
丈夫なの? キプロスは紫外線強
いよ。 二へドンは見ていてハラ
ハラしてしまいました。 2枚目の
写真はテセウスの館のハイライト
とも言える物です。 テセウスは
大変力の強い男で、当時クレタ島
のミノス王に支配されていたアテ
ナイは、毎年ミノタウロスに生贄
を要求されていました。 テセウ
スは生贄達が乗る船に同乗し、ク
レタ島に渡ります。 ミノタウロ
スが居る脱出不可能と言われる迷
宮に入りミノタウロスを討ち果た
します。 2枚目の写真のモザイク
は、そのテセウスが迷宮内でミノ
タウロスに棍棒を振りかざす名場
面です。 意外と日本人には知ら
れていない神話もご紹介しましょ
う。 ミノタウロスへの生贄を乗
せた船は、黒い帆を張るのが習慣
でした。 テセウスは父王に無事

テセウスの館 列柱 by二へドンにミノタウロスを退治したら、帰
る船には白い帆を張ると約束して
いました。 ところが帰る時に、
その事をすっかり忘れ、黒い帆の
まま港に入りました。これを見た
アイゲウスは、テセウスがミノタ
ウロスに殺されたものと勘違い
し、絶望のあまり海へ身を投げて
死んでしまいました。その後、
アイゲウスが身を投げた海は、彼
の名にちなんでエーゲ海と呼ばれ
るようになりました。 そうなん
です。 テセウスの神話は、エー
ゲ海の名前の由来になっていたん
ですね。 このテセウスはギリシ
ャ人には大変人気の有る人物で
す。 日本で言うと八岐大蛇を退
治した大国主命みたいな存在でし
ょうか。 14:00 にこの THE
HOUSE OF THESEUSに到着しま
した。 「 2nd - 6th Cent.AD
)と看板に書かれていました。 近
くには3枚目の写真の列柱が並んで
いました。 このテセウスの館は
テセウスが住んでいた訳では無
く、テセウスのモザイクが有名な
ので、名付けられました。 9600
㎡の敷地に100室以上の部屋が有
ったとされるローマの地方総督の
館跡です。

*****「 キプロス紀行 ~ 雨ざらしのテセウスの館、大丈夫なの? 」 ・ 完 *****

  


Posted by ニヘドン at 19:21Comments(0)旅行

2020年10月04日

キプロス紀行 ~ ディオニソスの館の動物のモザイク。

ディオニソスの館の孔雀のモザイクby二へドン2019年12月07日(土)
パフォス遺跡の中に有る「 ディ
オニソスの館 」の素晴らしいモ
ザイクの中から、この記事では3枚
の動物のモザイクを紹介して行き
ます。 1枚目は孔雀のモザイクで
す。 羽を広げた孔雀を正面から
描いています。 孔雀の周囲には
花びらの様なデザインが散りばめ
られていて、孔雀の全体像の形と
シンクロしていて、とても美しい
統一感が有ります。 静謐で、見
ていて飽きません。 ところで、
皆さん、孔雀って飛べない鳥だと
思っていませんか? 実は飛べる
んですよ。 「 飾り羽 」の他
に、飛行する為の「 風切羽 」
も持っているのです。 この為、
渡り鳥の様な長距離は飛べません
が、かなり飛ぶ事が出来ます。
インドでは野良犬ならぬ野良孔雀
が我が物顔に道路を歩いている様
子にビックリしたものです。 モ
ロッコやイスラエルでも放し飼い
の孔雀を見ました。 エキゾチッ
クで良いものですが、日本でも
茨城県の雨引観音、千葉県の城山
公園等で見た事が有ります。 城
山公園の孔雀は羽を広げている事

ディオニソスの館の虎のモザイクby二へドンが多いです。
  2枚目の写真は虎のモザイクで
す。 とても躍動感に充ちた素晴
らしい虎ですね。 二へドンは寅
年生まれなので、旅行先で虎を見
ると感動します。 虎をモチーフ
にした民芸品のコレクションをし
たりしています。 ガイドさんの
説明によると、モザイクには多
種類の動物が描かれていますが、
キプロスに唯一いる動物は3枚目の
写真のムフロンだけだそうで
す。 日本でも象や虎はいない動
物ですが、絵や木彫りによく登場
しますね。 でもこの虎はとても
リアルです。 想像だけではここ
までリアルに描けないと思いま
す。 野外劇場では人間と猛獣の
闘いを見る娯楽が催されたそうで
すので、きっとそこで、本物の虎
を見て描いたとしか思えません。
今ならあちこちの動物園で見る事
が出来ます。 動物園と言えば、
市民に一般公開された最初の動物
園は1752年、オーストリアのシェ
ーンブルン宮殿に造られたものだ
そうです。 一般公開されなかっ
たと言う意味では、古代エジプト
から中世ヨーロッパに、王侯貴族

ディオニソスの館のムフロンのモザイクby二へドンが動物を飼育するケースはよく有
った様です。 戦争後、戦利品と
して動物を持ち帰ったり、外国の
王族から貢物として珍しい動物を
贈られたり、そう言った動物達を
集めた「 個人動物園 」はかな
り古くから有ったみたいです。
  3枚目の写真はムフロンです。
孔雀も虎も、ムフロンも、のびの
びと生きている様に描かれてい
て、二へドン、こういうの大好き
なんです。 
  話は全く変わりますが、キプ
ロス旅行を終えてから二へドンが
読んでみたい本が有ります。
ジョン・マンデヴィル ( Sir 
John Mandeville )が書いた
「 東方旅行記( マンデヴィル
旅行記 )」です。 14世紀後半
に成立した旅行記です。 第1部で
コンスタンティノープルを出発
し、ビザンツ帝国、キプロス、シ
リア、エルサレム、シナイ砂漠の
修道院と辿って行くのです。
第5章のサブタイトルは
「 キプロスのいろいろ。
  キプロスからエルサレムへの
  道。 砂利の多い墓穴の不思
  議な働き 」 読みたいね~。

*****「 キプロス紀行 ~ ディオニソスの館の動物のモザイク。」 ・ 完 *****
  


Posted by ニヘドン at 22:47Comments(0)旅行