2020年08月13日

キプロス紀行 ~ コロッシ城に彩を添えるもの達。

コロッシ城の白い鳩2019年12月07日(土)
コロッシ城の中の見学を終えて、
外に出て、中庭の散策を楽しみま
す。 1枚目の写真は、コロッシ城
の城壁の小さな明かり取りの窓に
留まっている白い鳩です。 無機
質な石の建物に、生物の温かみが
加えられて、お城がとても身近に
感じられる一瞬でした。 
  前回の記事では、Cyprus for
travellers の記事を二へドンが翻
訳したものを載せましたが、今回
Cyprus in your heartの記事
を、またもや二へドンが翻訳して
載せたいと思います。 媒体に依
って、書かれている事が微妙に違
うので、較べてみるのも一興かと
思います。 
「 軍事要塞としての好例を見せ
てくれるコロッシ城は、元々は13
世紀に造られ、15世紀に現在の姿
に造り替えられました。 1291年
のアッコン陥落の後、この城はエ
ルサレムの聖ヨハネ騎士団の宿舎
として提供されました。 そして
14世紀にはテンプル騎士団の領地
となります。
 」アッコンと言う
のは、パレスチナに於ける最後の
キリスト教の拠点だった場所。

コロッシ城の薔薇の花。2枚目の写真はコロッシ城の中庭に
咲いていた薔薇の花です。 本当
に清々しい姿でした。 
さて、翻訳は続きます。
「 騎士団は甘口のワインを作
り ” Vin de Commanderie " 
と言う名で輸出しました。 今
日、コマンダリアワインとして知
られているキプロス島の伝統的な
ワインです。 このワインは8世紀
に亘ってずっと途切れる事無く、
現代に至るまで製造され続けてい
ると言う意味に於いて『 世界最
古のワイン 』と呼ばれていま
す。
 」
 Commanderie と言う言葉は
フランス語で、「 キリスト教騎
士修道会が所有した地所 」の事
を指します。 二へドンはキプロ
ス滞在中は、コマンダリアは地名
か何かだと思っていました。 帰
国後色々調べてみたら、騎士団が
暮らしていた場所でワインを作っ
たからコマンダリアだったんです
ね。 アッコンを陥落したのは、
マムルーク朝です。 最後の拠点
を失ってしまった訳ですから、キ
リスト教社会は慌てた事でしょ
う。 1291年は大事です。

コロッシ城のハイビスカス3枚目の写真は、コロッシ城の中庭
に咲いていたハイビスカスで
す。 日本では冬の12月は咲く花
の種類は少ないですが、キプロス
では逆に真夏は暑過ぎるので、真
夏よりは冬場の方が、見られる花
の種類は多い様です。 
  さて、アッコンが陥落した 
1291年に、クルツォラ戦争( 第
2次ヴェネツィア・ジェノヴァ戦
争 )が起こります。 フランク
王国が3分割された後、イタリアは
神聖ローマ帝国との抗争状態が続
いた上、イスラーム勢力も南下し
て、イタリアの統一まで手が回り
ませんでした。 その為、ヴェネ
ツィアやジェノヴァ、ピサ等の有
力な「 地方都市 」が独自の政
治を行なっていました。 アッコ
ンが陥落したお陰で、ヨーロッパ
諸国の貿易ルートが遮断され、ヴ
ェネツィアもジェノヴァジェノヴ
ァも、東地中海と黒海の貿易圏独
占を狙っていたのです。 
  キプロス共和国は小さな小さ
な島ですが、有史以来、他の国々
との関連性はとても密接で、キプ
ロスの歴史を学ぼうと思うと、ヨ
ーロッパ・アフリカ・中東全ての
歴史が絡んで来ます。 大変ですけど、興味は尽きません。

*****「 キプロス紀行 ~ コロッシ城に彩を添えるもの達。」 ・ 完 *****





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Posted by ニヘドン at 23:20│Comments(0)旅行
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