2009年04月29日

「 赤い鯨と白い蛇 」

2009年04月27日(月)

ランドマークシネマコレクション

TVドラマの演出を手掛けていた せんぼんよしこ さんが75歳で映画初監督をした作品。

ニヘドンはこの作品の前評判も批評も、いや実は、この映画の存在すら知らなかったのです。
見て、しみじみと良い映画で、せんぼんよしこさんが大好きになりました。
感動の押し売りをする映画や、膨大な製作費を誇る映画では全く有りません。

誰でもが日常生活で抱えているのに、気が付かない振りをしてそのまま通り過ぎようとしている問題を浮き彫りにしてみせる映画です。
路線的には、「 トウキョウ ソナタ 」とか、「 ジャージの二人 」とか、「 かもめ食堂 」とか、そんな感じです。
でも登場人物が女性ばかりと言うのが「 かもめ食堂 」チックかな?
もし、今までにこれらの映画を見て、凄く気に入ったのであれば、この 「 赤い鯨と白い蛇 」も心を掴まれるに違いありません。

女優陣が壮観です。
香川京子、浅田美代子、樹木希林、宮地真緒です。
女性は、特に更年期を迎えた辺りの微妙なお年頃の女性達は、100% 「 うん、うん、そうなの! そうなの! それ、凄く良く分かる〜!! 」と頷きまくって首を傷めてしまうかもしれません。

千葉県の館山が舞台です。
館山の古くて大きな屋敷に住む、夫に家出をされた女性・河原光子に扮するのが浅田美代子。
記憶に障害が出る様になり、千倉の息子と同居する為に千倉へ向かう途中に、60年前に疎開をしていた館山を訪れる女性・雨見保江に香川京子。
仕事上でお金を横領して逃げ出して来た女・大原美土里を樹木希林が演じます。

香川京子、樹木希林の両名の演技は、いつも通り素敵です。
浅田美代子がもう最高です。
最近、小泉今日子も
「 グーグーだって猫である 」や 「 トウキョウ ソナタ 」で目茶苦茶 素敵な女優さんに成長していましたが、「 赤い鯨と白い蛇 」では浅田美代子も、凄い演技力を発揮しています。
昔のアイドルさん達が、女優として実力を発揮してくれるのは嬉しい限りです。
広末涼子も 「 おくりびと 」の成功でグンと株を上げたみたいだけど、浅田美代子や小泉今日子に比べたら、まだまだ全然青くて、頂けませんな。
女は40歳過ぎないと、全然お話になりません。
それでは思いっきりネタバレ・コーナーが始まるよー。
( これから見る人は読まないよーに! )

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

お手玉が何度も宙に浮かぶ映像。
歌を歌う幼女の声が聞こえる。
女性の顔がアップになる。
( これが香川京子が演じる雨見保江 [ あまみ やすえ ] 。映画の設定は70代のお婆ちゃんなのだが、香川京子が余りにも美しくて、まだ50代で通りますよ! )

場面は変わり、保江は列車に乗っている。
特急列車で座席は通路を挟んで2つずつ並んでいる。
保江は和服姿。
保江の隣の席には20代の若い女性。
ヘアスタイルは茶髪のレイヤード。
タンクトップにジーンズと云うカジュアルな服装。
若い女性は、保江に「 お婆ちゃん 」と呼び掛ける。
彼女は保江の孫である田中明美。( 宮地真緒が演じています。)
保江は明美に 「 やっぱり一緒に行ってくれる? 」と言う。

保江と明美の2人は館山で列車を下り、駅前ロータリーからタクシーに乗る。
保江は、娘夫婦と一緒に暮らしていた。
( 娘と言うのが明美の母親。)
ところが娘が亡くなったから、保江には認知症の症状が出始め、本人はすっかり気弱になる。
赤の他人の義理の息子の世話になるのは遠慮が有り、千倉の実の息子夫婦の世話になる為に引っ越しを決めたのだ。
しかし、60年前に保江が疎開をしていた家が途中の館山に有るので、保江はその家を訪ねる気になったのだ。
孫の明美は、千倉の叔父の家まで祖母を送る役目を引き受けたのだ。
ついでに館山への寄り道にも付き合う事になる。
保江は60年振りの場所をしっかり覚えていて、タクシーの運転手に曲がる所等を細かく指示する。
お地蔵さんがある場所まで明言して明美を驚かせる。
保江の指示でタクシーは止まり、保江と明美はタクシーを下りる。
保江は突然、坂道を小走りに上り始める。
明美も慌てて保江の後を追う。
着いた所は広大なお寺の様な古い日本家屋。
明美が「 こんにちはー。誰かいませんかー? 」と声を掛ける。
誰も住んでいないかに見えた家だが、突然女性が「 どなたでしょうか? 」と現れ、明美をびっくりさせる。
この女性が、この家の現在の住人で有る河原光子 [ かわはら みつこ ] 。



小出しに続く…。



Posted by ニヘドン at 18:59│Comments(0)
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