2012年01月08日
「 テザ 慟哭の大地 」・ 前半

映画館 : シネマ ジャック&べティ
料金 : 1,000円 ( レディース・デー )
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[ 本日の予告編 ]
* 「 地球にやさしい生活 」
* 「 おじいさんと草原の小学校 」
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珍しいエチオピアの映画です。
エチオピアの現状って、余り良く分からないので、
この映画が提示した社会の動乱に背筋が凍りました。
人間の命が、いとも簡単に消される社会。
その中で懸命に生きようとする社会の末端の人々。
もの凄くスケールの大きな映画でした。
「 下らない娯楽映画なんて見てるんじゃないよ! 」と怒られた気分になりました。
因みにタイトルの「 テザ 」とは、エチオピア語で、「 朝露 」とか「 幼少期 」と言う意味です。
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雷の音。長く引き摺る様な歌声。
アフリカのエスニックな絵をバックにタイトルロールが流れる。
風の音が唸っている。
老人の絞り出す様な歌声。
「 天では何が待ち受ける?」
「 裁きの日が来た。
アダムの子等が火に焼かれる。」
病院に運び込まれた血だらけの黒人の男。
( これが主人公のアンベルブル。)
医師 「 朝迄持たないかもしれないな。」
アンベルブル 「 死ぬもんか。」
長い棒に火を点けた松明を持ち、ゆっくり歩く男。
アンベルブルの名を呼ぶ声が聞こえる。
子供達が棒で大地を叩きながら焚き火の周囲に座ってなぞなぞ遊びに興じる。
題字 「 TEZA 」( 朝露の意味 )
小学校のメルゲータ先生が湖の畔で民族楽器を奏でている。
母親が「 ウシさんよ。ウシさんよ。」と歌う。
祖母は囲炉裏の火が強いのを見て
「 誰か来るのかしら?」といぶかしがる。
「 アンベルブルに決まっているでしょう。」
「 あの子は帰って来ないよ。」
母はアンベルブルがやって来るのを見つけ、抱きつくと、
多分日本人は決して立てない甲高い吼え声( ? )を立てる。
1990年、アンベルブルは驢馬に乗せられ家に向かう。
その驢馬の後に迎えの家族が歩いて続く。
アンベルブルの歓迎のパーティーが行われる。
村人達が次々に挨拶に来る。
村人達が掛ける言葉が続く。
「 妻はいないのか? 」
「 イタリア人をやっつけた。」
「 お前は、この村の希望だ。」
そこへ兵隊が押し入って来た。
村の若者を戦争に狩り出すのが目的だ。
アンベルブルのモノローグ 「 そこは戦争状態なのだと気がついた。」
人々が外に立っている。
アンベルブルは片足を失って帰って来た。
アンベルブルの母は誓いの通りに地面の上を這って移動する。
草で葺いた屋根の、円形の建物の中で、
無数の蝋燭に火を点けて、人々が祈りを捧げている。
異境の匂いがぷんぷんしている。( 日本人の目から見ると。)
アンベルブルは目眩を感じ、外へ出る。
アンベルブルの兄 「 私の弟はどうなってしまったんだ?
まるで悪魔が憑いている様だ。」
子供の頃に遊んだムッソリーニ山で、アンベルブルは少年の姿を見る。
アンベルブルは遺跡に座る。
周囲には少年達が座り地獄について語り合う。
湖に浮かんだ1艘の丸木舟。
太陽が上り、湖の水面がキラキラ輝く。
すっかり日中の太陽が上り、アンベルブルの周囲には最早少年達の姿はない。
テケゼ川の戦いで何千もの人々が毒ガス攻撃を受けて死んだ。
そこに有るのはイタリアに勝った戦勝記念碑。
バラックの様な小学校に子供達が集まる。
先生は「 社会主義の花を咲かせよう! 」と子供達と
一緒に歌う。
アンベルブルが丘の上から下の草原を見ていると、徴兵忌避をしたワルクが軍人達に捕まってしまう。
軍人達に抗議をしたワルクの母親は顔を殴られ地面に倒れる。
母親は、そのまま地面に突っ伏したまま泣き叫ぶ。
アンベルブルは、小学校の先生と語る。
先生 「 子供達が将来どうなるかなんて、このご時世じゃ分からないよ。」
母親は地面を這った為に両膝から血を流す。
松明に火を点けた少年達が歌いながらアンベルブルの家を祝福する歌を歌う。
兄 「 俺が長男なのに、あいつが金を渡す役なんておかしいじゃないか。」
朝、アンベルブルはベッドで大声で叫び飛び起きる。
包帯でぐるぐる巻きの男の映像。
湖の畔に立つアンベルブル。
水は泥色に濁っている。
木舟に乗る女アザヌが歌う。
♪ 飛んで私の鳥よ 飛んで
私を探してと伝えて
朝も無く夜も無く、働くアザヌの姿。
母親のタタの姿。
アンベルブルの所に、老人が末娘の具合を見てくれと連れて来る。
夫が酒飲みで、妻を殴るらしい。
アンベルブルは、じっと座って考える。
「 どうすれば家族の期待に応えられる? 」
アンベルブルは、其処に居ない人物に向かって話し掛けている。
母親 「 大丈夫かい? 」
アンベルブルは教会に行く。
アンベルブル 「 聖水で記憶喪失は治りませんよ。」
司祭 「 母親の為だ。安心させてやりなさい。」
大きな叫び声。
母親が駆け寄る。
アンベルブルがベッドの上で叫んでいた。
人々はアンベルブルに白い布を被せ教会に連れて行く。
司祭達は祈りの言葉を唱える。
アンベルブルは上半身裸に冷水を浴びせられる。
「 悪魔よ。出て行け。」
ケルン 1970年代。
英語で喋るアンベルブルとカサンドラ。
カサンドラ 「 母がドイツ人なのよ。」
研究室で研究をしているアンベルブル。
「 病気を根絶する為に国に帰ろう! 」
民兵達が大木の下で、村人達に社会主義のアジを飛ばす。
「 セラシエ体制から今のファシスト政権まで話して下さい。」
アンベルブルの独白 「 戦争を続ける為に若者を狩り集める。」
夜、洞窟に行くアンベルブル。
中には若者達が隠れている。
彼らは洞窟の中で松明に火を点けている。
アンベルブル 「 私が若い頃、この洞窟は竜が棲むと言われ、イタリア軍から身を隠すのに使われた。」
昼、ライフルを構えた軍人達がやって来る。
水甕の中に隠れていた青年が見つかり、彼は飛び出して草原を走る。
兵隊は容赦無く青年を背後から撃つ。
地面に倒れた青年を見て、アンベルブルは嗚咽する。
雷が鳴る。
白鷺の群れが小さな鳴き声を上げながら飛んで行く。
母タタは棒を立てた周囲に糸を巻いている。
母親 「 温かいローブを作るよ。」
アンベルブル 「 彼らが殺したのは私の少年時代だ。
彼らは、この村の記憶を塗り替えてしまった。」
村人達は殺されたムチェーを思い泣く。
翌日、アンベルブルは教会で水を浴びる。
ケルンの家でギャビがテスの子を妊娠し、カサンドラは納得出来ない。
カサンドラ 「 I want to warn you.」
アンベルブル 「 I don't get it. 」
カサンドラ 「 ふらっとやって来て子供を作っていい国じゃない。
黒人の子供がどんな差別を受けるか。」
アンベルブルは女が湖で泳いでいるのを見る。
***** 「 「 テザ 慟哭の大地 」・ 前半 」 ・完 *****
後半は 「 ドンドン日記・第2章 」 http://cinemamusicgroumet.hama1.jp/e1106410.html で
お読み下さい。
Posted by ニヘドン at 18:11│Comments(0)
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