2012年01月20日
「 第4の革命 」 ・ 前半

英題 : THE 4TH REVOLUTION
ENERGY AUTONOMY
監督 : カール・A.フェヒナー
観賞日 : 2012年01月19日(木)
映画館 : ブリリア・ショートショート・シアター
料金 : 1,000円
( 年間パスポート会員価格 )
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「 再生可能エネルギーにシフトして、莫大な利益を一握りの大企業が独占している現状を打破し、地球と人類の未来を守りましょう。」と言うのが、
この映画の主張です。
ドイツ連邦議会議員であり、
ヨーロッパ太陽エネルギー協会会長の
ヘルマン・シェーアが冒頭から問題提起をします。
このおやっさんが又、いい味を出しています。
マフィアの No.3 位の実力者に匹敵する様なオーラを出しています。
そして吠えます。
このドキュメンタリー映画には複数の「 識者 」或いは「 専門家 」の皆さん達が出演して、
エネルギー問題に関する持論を述べます。
どの意見も「 成る程。そう言うものなのかな?」と思えてしまいます。
ところが、必ず後でヘルマン・シェーアのおやっさんが出て来て反論します。
「 いや、だが、しかし…。」
見事なあまのじゃくっ振りです。(笑)
日本にもアメリカにも、こういう骨太のおやっさんが居れば良いのに。
ただ長い物に巻かれるだけの日本人の中で暮らしていると、
ヘルマン・シェーアのおやっさんがヒーローに見えて来ます。
この映画から学ぶべき点は沢山有ります。
再生可能エネルギーにスムーズに移行しない理由は、
決して技術的な問題なのではなく、
「 抵抗勢力 」の為だと、映画はバッサリと切り捨てます。
ほんの一握りの企業( それは往々にして政府と癒着している )が莫大な利益を吸い上げる現在のシステムを、連中がおいそれと手放す訳がありません。
私達一般庶民は、電気が欲しくて、「 大地主 」の言うなりになっている「 農奴 」なのです。
自分達が使う電気は自分達で発電しようと、この映画は提案しています。
エネルギーで自立する事が、エネルギー・デモクラシーなんだと、全く納得出来ます。
03月11日の大地震以降、頭狂電力のやり方が何だか変だ、政府のやり方が納得出来ないと思っている方には、是非この映画を見て欲しいと思います。
「 結局何もしない日本人 」のままでいるのは自由ですが、
ヘルマン・シェーアや他の「 先進的 」な行動する人々から刺激をもらえる事は必至です。
ニヘドンは、自分で出来る事を模索する勇気を、この映画からもらいました。
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[ 本日の予告編 ]
☆ 「 皆既日食の午後に 」
☆ 「 ミステルロココ 」
この予告編で客席から笑い声が上がる。 良かった。
二へドンの好きな映画だもの。
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アメリカ・ロサンゼルスの夜景。
川の様に長く続く車のライトの繋がり。
高層ビルの無数の灯り。
御伽噺の様に美しい流れる様な音楽に乗って、
この夜景のシーンは長く続く。
飛行機が空港に着陸する。
人々が電話をする。
ヘルマン・シェーアが語ります。
「 確かにロスの様な大都市を見れば分かる。
再生可能エネルギーで賄えるのかと。」
「 こんな情景を見ていると胸が痛む。 高層ビルの大半が、それだ。」
ヘルマン・シェーアがタクシーに乗ってロサンゼルスの街を見て回る。
「 ソーラーパネルの外壁が殆ど無い。」
「 文化的な街なら、街にゴミを捨てないだろう。
エネルギー排出物だって同じさ。」
「 この地球には、今も20億人以上が電灯無しで暮らしている。」
題字 「 第4の革命 」
中国の夜景が映し出され、ロック音楽が流れる。
タイトル・ロール。
工場地帯から立ち昇る煙の映像。
カール・A・フェヒナー監督のアップ。
風力発電所のプロペラの連なり。
フェヒナー 「 この風力発電所はデンマークの北西に有る。
1970年代後半、石油に100%依存し、石油ショックは深刻だった。」
風力発電所の創立者プレベン・メゴー氏が語る。
「 再生可能エネルギーに農場主達が興味を示してくれた。」
マリ共和国ザンバラ。
イブラヒム・ドゴラ 「 現地の病院が深刻な危機に瀕している。 明かりが無いんだよ。」
デコボコの道路に泥水が溜まっている。
「 若者が多く、自然が豊か。 でも動力が無い。 電気が通っていないからだ。
このテクノロジーがアフリカを変える。
この( ソーラー )パネルで東京やロサンゼルスと同じ電力が賄える。」
病院にソーラーパネルを付け、電灯が点く。
看護婦が興奮して言う。「 今まで懐中電灯で分娩したのよ。」
アメリカ合衆国ロサンゼルス。
「 第3世界の危機とエネルギー問題は切り離して考えられない。
彼らはこれ以上石油に頼れない。
世界のエネルギーの80%を占めるエネルギーであっても。」
IEA事務局のチーフ・エコノミスト、 ファティ・ビロル氏が語る。
「 彼らが事実に基づき、独自の判断を下せる様になるまでだ。」
ヘルマン・シェーア 「 石油、ガス、石炭。 エネルギーの消費地は
エネルギーの産地とは切り離された所ばかりだ。
一次エネルギーを商業的な物から無料の物へと転換する。
勿論、反対は有るだろう。」
ヘルマン・シェーア 「 ロサンゼルス ⇔ サンフランシスコ間のソーラーファームは突然終わる。
カリフォルニアの壊れた風力発電所の墓は、昔の夢の墓だ。
20年~30年と言う期間では、エネルギーの転換は難しい。」
「 技術面だけの問題ではない。 抵抗勢力だよ。
そのシステムを変えるんだ。 家庭や農場が個人レベルで電力を供給する。」
ベルリン官庁街。
1995年にOPECから移った白人男性( ごめん。 名前を失念!)が語る。
「 一般の人は悪くない。 政治はエネルギー勢力の言いなりになっている。」
「 エネルギーシフトは勢力を変える。」
エクソン・モービル社が450億ドルの利益を上げている。 これは売り上げNo.1。
朝靄に煙る高原。 風力発電のプロペラが多数回っている。
老年の夫婦が車に乗ってやって来て停める。
妻 「 ここがエネルギーを自給して受賞した所? 」
元OPECの男性が村を案内する。
「 貯蔵タンク。 中には80℃のお湯が貯めてある。
デンマークの80%は地域暖房。 余剰エネルギーでお湯を沸かす。」
「 巨大な発電所の廃止も夢ではない。」
「 次の課題は電気の使い方だ。 余剰エネルギーを如何に効率良く使うか。」
マリア・スカイラス・カザコスと言う女性が語る。
「 発電した電気を貯蔵するなら、ガソリンスタンドと同じ様に電解液を詰められる
スタンドを作ればいい。」
カリフォルニア電気カーの発明者イーロン・マスクが語る。
「 シュワルツェネッガーもマット・デイモンも( この電気カーを )買った。」
「 先ずテスラ社を創った。 再生可能エネルギーの自動車だと思う。」
インタビュワーは、思わず突っ込む。「 車検はどうなるの? 」
ノルウェー、オスロの波止場。
「 鉄の固まりで走る必用は無い。 用途に合わせた車に乗れば良い。」
電気自動車の欧州初の大量生産をする工場の映像。
「 自然エネルギーには増減が有る。
食事時にエネルギーが逼迫したら、車から借りて、後で返す。」
「 石油産業から離れる事だよ。 石油産業からの自立だ。」
マスト「 私は電気飛行機を造るよ。
5年後には( 飛行距離を )4,000マイルに伸ばす。」
フェヒナー 「 交通用のエネルギーは400億リットル。」
実業家のマティアス・ヴァレンバッハーは語る。
「 私の電力発電機1号機は100万マルクだった。
両親は呆れたよ。 それでも建てるなら、家に帰って来ないでって。
今では400基に増えた。」
ヴァレンバッハーは、マクシミリアン・ゲーゲに自分のアイデアを語る。
「 社屋のコンペをした。 世界最高のエネルギー効率にしたかった。
先ず木造でなければならない。 オープンのガラスは3層。
発生したバイオガスを再び調理に利用したい。
ソーラーパネルは多数設置した。
社内のラップトップも一般のPCより省エネだ。
建物全体では1年で1万以上節約になる。」
事務局の男性 「 新聞やTVで啓蒙活動をしても、消費傾向は変わらない。」
***** 「 第4の革命 」 前半 ・ 完 *************
Posted by ニヘドン at 21:06│Comments(0)
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