2009年01月20日
「シッコ」 ・ 前半

チェ・ゲバラのキューバ革命への道を描いた映画「 チェ 28歳の革命 」を見て、ふと思い出した事が有ります。
それはマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「 シッコ 」に、チェ・ゲバラの娘さんが登場するシーンが有った事をです。
チェ・ゲバラが成し遂げた事は、まだそんな大昔の歴史ではなく、娘さんが現役で働いている程、現代から身近な時代の事なんだと感慨深く思いました。
「 チェ 28歳の革命 」を見て、もしチェ・ゲバラが好きになった人は、ゲバラ繋がりで「 シッコ 」も見てやって下さい。
アメリカとキューバの外交の歴史を思い浮かべながら、「 シッコ 」で描かれているアメリカとキューバの現在の医療事情の格差を考えると、ゲバラやカストロが成し遂げた革命の意味が、より理解出来ると思うのです。
このドキュメンタリー映画で、ニヘドンが驚いた事、印象に残っている事を羅列して行きます。
( 荒筋と言うには、あやふやな所が多くて申し訳無いのですが。 )
マイケル・ムーアの映画をご覧になった事はありますか?
彼が目指している事は、一般庶民にとっては、快哉を叫びたい所なんです。
社会の矛盾点を鋭く抉る事は、何も間違っていないのです。
ただ、その取材方法が個性的なので、( 別の言葉では強引? ・ 笑 )なので、
取材される側からは忌み嫌われているマイケル・ムーアなんですよ。
「 シッコ 」のチラシの裏側に、超・面白い事が書かれています。
恐らく大抵の方は、もうこのチラシは手に入らないと思いますので転記してみます。
「 沈黙は、突撃取材で破られる!
2002年、「 ボウリング・フォー・コロンバイン 」で銃社会に突撃!
2004年、「 華氏911 」でブッシュ大統領に突撃し、
カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞!
そして2007年、新たな標的となるのは、
世界中の誰もが関わりをもつ、医療問題!!
医療問題を扱うからには、自らも健康体でいなければならない!
と思ったマイケル・ムーアは、
なんと-20kg のダイエットに成功。
別人のように痩せたムーアは、警戒されることもなく、
アポなし取材先エントランスをなんなくスルー!のおまけつき。
全米の医療業界は、ただちに「 マイケル・ムーア対策マニュアル 」を制作。
そこに書かれている、恐るべき?対処方法とは・・・
1. 医療や政治の話題になったら直ちに話しを断ち切ること。
2. 話しを断ち切れなかったら、デトロイト・タイガースの話題で話しを逸らすこと。
( ムーアはデトロイト近郊出身 )
3. それでもしつこい場合はダイエットの成果を誉めること。
( ムーアはその話題が大好き!)
こんなバカげたマニュアルにも負けず、
命の最前線の暗部を暴く『 シッコ 』。
最後にマイケル・ムーアから一言。
「 アメリカで健康でいるためには、病気にならないようにするしかない。」 」
因みに、シッコは「 sicko 」、言ってみれば 「 ほとんどビョーキ 」みたいな意味です。
まず、スクリーンにはブッシュ大統領の医療問題に関するくだくだしい演説の中継画面が現われます。
そして 「 Sicko 」のタイトルが出て来ます。
二へドンは次のシーンで背中がムズムズして、思わず眼を覆いたくなりました。
だって、1人の男がパックリと開いた自分の膝の大怪我を自分で縫っているのですよ。
うぎゃあ~!! だ・・・・・駄目~!!
二へドンはこういうの、駄目なの!!
病院で自分の腕に注射針を刺されるのも直視出来ない人なんですから!! うぎゃー!!
でも眼を覆っている訳には行きません。 現実から眼をそむけては駄目ですよ。
マイケル・ムーアの解説が入ります。
アメリカ合衆国では、5,000万人が保険を持たない。
ええ~!? だって、合衆国の人口を、端折って2億人としたって、4分の1の人が保険を持っていない!?
Rick という若者が出て来ます。 彼は職場で指先を2本切断してしまいました。
縫合手術に幾らかかるか訊いてみました。
中指は6万ドル。
薬指は 1万2,000ドルだそうです。
Rick は薬指の縫合は諦めました。
マイケル・ムーアはゴミの埋立地に立ち、アメリカの保険事情を説明します。
アメリカでは、約2億5,000万人の人が保険を持っている。
その一方、毎年1万8,000人の無保険の人が死ぬ。
つまり、マイケル・ムーアが言わんとしている事は、
無保険の1万8,000人は、保険に加入していないばかりに、医療費を個人で全額払う事が出来ずに医療を諦め死亡に至ったのではないかと云う事です。 この1万8,000人が、支払う医療費を気にせずに、適切な医療を受けていれば、まだ生きている人々も多いのではないでしょうか?
次に、スーパーの掃除人として働く79歳の男性が出て来ます。
アメリカでは日本に先んじて、雇用の年齢制限を撤廃した国です。
そこの所は、日本も是非真似して欲しいと思っています。
60才で定年なんて早過ぎます。
労働意欲に年齢は関係無いし、年寄りの体力に問題が有ると云うなら、若くても病弱な人はいるし、
個人個人を見るべきですよね。
79才で働く意志の有る男性も凄いし( 働かなければならない事情が有るにしても )、
その男性を雇うスーパーの経営者も凄いと思います。 拍手。 拍手。
ローラという女性が出て来ます。
彼女は様々な事を訴えます。
・ 事前許可の無い救急車の利用には保険は下りない。
・ 身長と体重で保険に入れない。
因みに彼女の身長は 183cm, 体重は59kg。
Too thin. ( 痩せ過ぎ ) が、彼女が保険加入を断られた理由です。
勿論 Too fat. ( 太り過ぎ )も駄目です。
155 cm の人も、BMI が高過ぎると、保険加入を断られています。
この様に保険加入を断られる人が、年間25,000人いる!?
アネットという女性は、両耳の手術を希望していましたが、
保険会社から片耳の手術だけOKが出されます。
この保険会社はシグナ社ですが、アネットが、マイケル・ムーアの映画に投稿すると
シグナ社に告げると、両耳の手術がOKになったそうです。
( やれやれだよね。)
糖尿病の持病のある患者さんも出て来ました。
“ If you have these diseases, ” と口火を切った患者さんの話を
スター・ウォーズのパロディと表現しているのが印象的でした。
この患者さんも、やはり保険の支払いを拒否されました。
理由は、・ 命に別状が無い。
・ 患者が受けた検査が実験的な検査であり、不必要な物であった。
日本にも、糖尿病患者の数は多いですから、これは外国の話と聞き捨てにする訳には
行かないと思います。
日本の健康保険制度が現在よりも、さらに状況が悪くなったら・・・・?
命に別状が無いと言われちゃうんですよ!?
そんな事を言われたら、ドライアイも、水虫も、花粉症も、虫歯も、命に別状が無いと言われ
全額自己負担で医療を受けなければならないんですよ!?
マイケル・ムーアは戦慄の話をします。
「 医師が医療を拒むと、保険会社の利益になる。
拒否率が10%を維持する様にコントロールされている。 」
日本では、原因が違うのですが、救急車を要請した患者が受け入れ病院が見つからないまま
死に至る事例が結構、ニュースに出ますよね。
アメリカでも日本でも、医療を受けたいと希望している人が、拒否されて死んで行くという
結果は同じじゃないですか。
こういう国は「 先進国 」と呼ばれる資格は無いんじゃないんですか?
アメリカの医療の裏側を告発する事例には事欠きません。
別の女性も登場します。
彼女が保険金の給付を受けられなかったのは、「 カンジダ膣炎 」という過去の既往症の為です。
しかも彼女自身は、自分にその様な既往症が有る事を知らなかったのです。
加入者も知らない内に既往症を調べ上げ、保険金請求を退けるのです。
マイケル・ムーアの言葉が、さらに無気味に響きます。
「 加入者の故意でも過失でも無く、誰かが開けた穴へ落ちて行く・・・・。」
さらにさらに「 治療上、必要性が認められない。」 と保険金給付を拒否された女性が出て来ます。
( 治療をするかしないか決めるのは医師では無く、保険会社って、凄いね!!)
女性は涙ながらに訴えます。
“ Why me? I'm a good person.
He's my son's father. ”
「 彼らに良心なんて無いんだから。 」 女性の憤慨ももっともです。
この現状を1言で言い表すと、「 管理型の医療 」です。
1987年の春、ある医師が告発しました。
「 医療保険会社で働く医師が、患者の命を奪う!」と。
この続きは「 後半 」として、別の記事に書きます。
***** 「 シッコ ・ 前半 」 ・ 完 ***************
Posted by ニヘドン at 20:41│Comments(0)
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