2009年01月29日

「草原の女」 ・ 前半

2009年01月29日(木)

シネマ ジャック&ベティで行われている「 中国映画の全貌 」に又、行っちゃいました。
今日は内モンゴルを舞台にした映画 「 草原の女 」です。
舞台は冬のモンゴルで、大地は雪に覆われています。
「 草原の女 」では無くて 「 雪原の女 」の方が正確だと思うけれど、ま、いいか。

モンゴルの話と言えば、日本の小学校の国語の教科書でも取り上げられている「 スーホの白い馬 」ですね。
じゃ他にどんなお話を知ってますか?
え? んー…。
し…知らないよねぇ…。
朝青龍なら知ってる?
あ、歌手のオユンナも知ってる!
ま、普通の日本人はモンゴルの文化について何か情報収集しているかと言うと、まあこんな感じですかね。

で、ニヘドンも、モンゴルを旅してゲルに泊まるのが夢だったとか言っている割には、モンゴルの事を全然調べていませんでした。
そんな調子で何の基礎知識も無く、この 「 草原の女 」を見て、そりゃあまあ、びっくりこきましたわ。
どんな映画か一言で言えば、「 お昼のメロドラマ 」。
しかもかなりドロドロ系が入っています。
素朴なイメージのモンゴルの遊牧民族の 「 昼ドラ 」に、胸がドキドキしてしまいました。


《 荒 筋 》

就学前の息子と2人でゲル( 移動式テント ) で暮らす女性ゾルが主人公。
彼女の夫は1人で都会に出て行ったまま数年間帰って来ない。
都会で女が出来たらしい。
そんな所に謎の一匹狼の男が仕事を求めて流れて来る。
人々はその男を不気味に思って誰も雇わないが、ひょんな事からゾルが力仕事を頼む。
それ以後、男はゾルのゲルの近くにゲルを建てて住むようになる。
男は火を怖がるので、ガル( 火の事 ) と呼ばれる様になる。
ゾルの息子のアヨールは、最初はガルの事を怖がったが、次第に慣れ、なついてしまう。
ガルとゾルも次第にお互いを意識し始め、お正月に結ばれる。
が、突然夫が帰って来る。
夫は都会で全てを失って戻って来たのだ。
さあ、ゾルは、どちらの男を選ぶのでしょうか!?

実は謎の男・ガルは、放火の濡れ衣で3年間服役していたのだ。
この火事で妻子を失ったガルは、真犯人を探す為にさすらっていた。
ねぇー。メロドラマと犯人探しのサスペンスが絡み合って、まあサービス満点の昼ドラでございますよ。

「 スーホの白い馬 」だけでは語れないですよ、モンゴルは。
是非、多くの皆さんに見てもらいたい映画です。

********************************

英題 : The Story of Zhura
邦題 : 草原の女
監督 : ハスチョロー

*********************

雪が積もった大地の上を、ブーツを履いた足がキシキシと音を立てて
雪を踏んで行く。
その雪の上で、女が牛の乳搾りをしている。
髪がボサボサの男が女に近寄り「 人手は要るか?」と訊く。
女は無言で男の様子を見ている。
ゲル( 移動式テント住居 )から5歳位の少年が出て来る。

女はゾルと言う名前。 男の母親である。
ゾル 「 主人が留守なの。 見知らぬ人は雇えないわ。」

男は数日歩き回ったが、誰も彼を雇ってくれなかった。
12月23日は火祭りの日だ。
人々は一晩中日を燃やして神に祈る。
突然、男が火祭りの日を消しにかかる。
男は叫ぶ。「 頼むから火を消してくれ!」

翌朝、荷車を牽き歩き回る男を、子供達がからかう。
人々はこの男をガルと呼んだ。 
ガルは、モンゴルの言葉で「 火 」を意味する。
ガルがゾルの家の近くにゲルを張る。
ゾルの息子が早速ガルのゲルを覗きに行く。

トラクターを運転するゾル。
牽いている荷車には藁が山の様に積み上げられて乗っている。
ゾルのトラクターがでこぼこ道に嵌まって、立ち往生してしまう。
ゾルの息子がタイヤのしたの雪を手で掻き出す。
「 冷たいね。 」とゾルは息子の手を温めてあげる。
息子は母を雪の上に転ばしてしまう。
ゾルは息子を追い掛けてじゃれ合う。
母と息子の2人は、雪の上で散々転げ回って遊ぶ。
母親のゾルは、雪の上に寝転がって歌を歌う。

しかし、冬の厳しさに狼も食べる物が無くなり、昼間から羊を襲う様になった。
ゾルと狼が睨み合っている所に、馬に乗ったガルが助けに来てくれる。
狼を追い払い柵の中に追い込む。
ガル「 165匹だった。 全部揃っていた。」
ゾル「 ずっとここに居たい? 羊の番をしたい? 
    そうしたいなら、ゲルを運んで来て。」
ガルは早速ゲルを建てる為に雪をスコップで掘り出す。
ゾル「 もっと離して建ててくれない?
    主人が留守だし、噂になっても困るわ。」

少年の寝床には車のおもちゃが有る。
ガルは新しい柵を作る。 くるくるくるくる、まあ働く、働く・・・。
その様子をゾルの息子のアヨールが柵にもたれ掛かって見ている。
ガルは、アヨールをバトと呼び、アヨールを抱き締める。
「 バト。 息子よ。」
「 僕はバトじゃないよ。 アヨールだよ。」
アヨールは泣き、母親のゾルが助けにやって来る。

ゾルは干草を高く積み上げる。
( 仕事がいっぱい有って大変だなあ。 生活の何もかも1人でやる訳だからね。)
草を積み上げる仕事を、途中でガルが代わってくれる。
作業をするガルにゾルは言う。
「 アヨールには近付かないで。怖がっているわ。」

ゲルの中の竃にブーツをくっつけて乾かしている。
アヨールが寝ている間に、ゾルがガルのゲルを訪ねる。
中には誰も居なかった。
そこへトラクターに乗ったガルがやって来る。
ガル「 塀を直したら出て行く。」
ゾル「 何故?」
ガル「 夜中に俺を追い出してくれと泣いていただろう?」

その夜、ゾルが病気になり、アヨールは泣きながらガルのゲルを訪ねる。
ガルはトラクターでゾルを病院まで運ぼうとするが、
凍った雪の轍( わだち )に嵌まり、動けなくなってしまう。
ガルはゾルを負ぶって雪道を歩く。

一夜明け、病院のベッドの上で目覚めるゾル。
ガルとアヨールは打ち解ける。
( ここで流れる音楽は馬頭琴が奏でているのでしょうかね?
  凄くいい感じです。)
ゾルはガルに言う。「 行かないで。アヨールは直に慣れるから。」

ガルのゲルの中でゾルは火を焚く。
すると、今まで鼾をかいて眠っていたガルが飛び起きて火を消してしまう。
「 必要無いさ。 俺は寒さには強い。」

翌朝、ガルはアヨールと一緒に2頭の馬に乗る。
ゾルは屠殺した羊の肉をナイフで切り分ける。
( うわあ。 何でも自分でやるんだあ。二へドンには真似出来ない~。)
茹でた肉が、ほかほかの湯気を立ててテーブルに置かれている。
ゾルはガルにお酒の瓶を出す。

アヨールが持っていたパトカーのおもちゃは、スイッチを入れると
赤と青のランプが点滅し、サイレンが鳴る。
ガルはそれを見て不機嫌になる。

近くに住む( と言っても彼のゲルは見えない程、遠くだけど。)男が
ゾルに忠告をする。
「 あの男はムレから外れて得体の知れない奴だ。
  逃亡して来て放浪生活をする犯罪者もいるから気をつけろ。」

ゾルとガルはお互いの身の上話をする程に親しくなる。
ゾル「 貴方の息子は何歳なの?」
ガル「 アヨールと同じ位。」
ゾル「 母親は何処に居るの? 離婚したの?」
ガル「 妻と子どもは死んだ。 火事で何もかも失くなってしまった。」
ゾル「 私の夫は都会に出て、もう何年も帰って来ない。
    向こうで女が出来たのよ。まあ、仕方が無いわね。」

***** 「 草原の女 ・ 前半 」 ・ 完 *****


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Posted by ニヘドン at 21:42│Comments(4)映画
この記事へのコメント
またまたおじゃまします。
「草原の女」、なんだか観に行きたくなりました。
モンゴルといえば、以前同僚が新婚旅行に行ったところだわ。
おもしろい人だな~、と思ったのを覚えてます。
日本人の祖先はモンゴル人だとか、人類の祖先はアフリカ人だとか。
95歳の祖母は「天照大神って知ってる?」て語りかけるし。
何が真実なんでしょう。

家中のハンカチが山積みになってます。
いつになったらアイロンをかけてあげるんでしょう。
四角いハンカチがもうありません。

そんな中、今日はサントリーホールへ行ってきます!
Posted by 遅咲きの花 at 2009年01月30日 11:40
> 遅咲きの花様。

   わお! 新婚旅行でモンゴルに行かれた方がいらっしゃるのですね! ロマンチックで良いなあ・・・・・・。
   モンゴルと云えば、二へドンのお尻にも、息子のお尻にも
   蒙古斑があったものですが、すっかりどこかに消えてしまいましたねえ・・・・。
   どこへ行ってしまったのでしょうか?

   サントリーホールは東フィルの定期演奏会でしたか?
   どうでした? 
   そりゃあ、楽しめましたよねえ!
Posted by ニヘドン at 2009年01月31日 21:41
ニヘドンさま

どしゃぶりの雨の中、東フィル最高でした!
先週も東フィルのオーチャード定期に行ったんですけど、
指揮者のペーター・シュナイダーさんのこと、大好きになってしまいました。
シュナイダーさんの指揮を見つめているだけでもう、うっとり。
柔らかくて優しい音色で、私には癒しのシェフです。
ちなみにサントリーの時は開演前に「Soup Stock」の酸辣湯(サンラータン)を
頼むんですけど、この週は無くて残念でした。

ps:東儀秀樹の悠久の「しちりき」の調べは本当に
 魂がふるえました。(゚ー゚*)
Posted by 遅咲きの花 at 2009年02月01日 14:04
> 遅咲きの花様。

  あの大雨の中、お出掛けされたのですね。
  風邪などひきませんように。

  ペーター・シュナイダーさんも、東儀さんもまだ「 生 」を
  聴いたことが無いんです。
  宝くじが当たれば、連日連夜コンサート三昧の生活が
  送れるのに!!

  欲を言っても仕方が無いので、少しずつ攻略して行きましょう。
  またお勧めがあったら、是非教えて下さいね!!
Posted by ニヘドンニヘドン at 2009年02月01日 20:29
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