2011年03月15日

「 少女が知ってはいけないこと 」

今週は、普段ニヘドンが行なっている様々な活動の大半が、東日本大震災の影響で中止になってしまいましたので、本ばかり読んでいます。
連日の地震報道に、直接的な被害を受けていない私達も、じわじわと心が蝕まれて行く感じですね。
少し、地震以外の話題をお届けしますね。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「 少女が知ってはいけないこと 」

実に面白い本に出会ってしまいました!
たまたま本屋さんで見つけたのです。
目次を見て、即買い決定!!

題名 : 少女が知ってはいけないこと
著者 : 片木智年
( かたぎ ともとし )
発行所 : PHPエディターズ・グループ
発売元 : PHP研究所
定価 : 本体 1,600円( 税別 )

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ニヘドンは10年程、小学校で絵本の読み聞かせをして来ました。
すると、民話、伝承、おとぎ話の類いを、どの様に解釈するべきなのか途方に暮れる事が、よく有ります。

この本は、そんな風に書籍の森の中で迷子になった時に、頼もしい道案内をしてくれます。
ニヘドンが今まで知らなかった事柄が盛り沢山!
それらを平易な文章で、実に分かり易く説明してくれています。
1番驚いたのは、聖書が改訂された時、或いは新しく改訳された時に、意図的に改竄されていたと言う事実です。

実はニヘドンはクリスチャンでは有りませんが、幼稚園がカトリック系でした。
埼玉県草加市の「 ひかり幼稚園 」でしたが。
殊更に宗教教育が行われた訳では有りませんでしたが、2年間通園する間には、やはり何らかの刷り込みが有ったのでしょうね。
ブッダやマホメットよりは、イエス・キリストに対するシンパシーが1番強いですね。
卒園する時に園長先生から新約聖書を1冊手渡され、
「 小学校に行っても、神の子イエス様と共に歩む光の子でいなさい。」と言われました。
ところが、普通の公立小学校の給食の前に1人で「 アーメン 」と呟く勇気は持ち合わせていなかったので、自分は背信者なのだと云う意識が、ずっと心の奥底に貼り付いている様でしたが…。

そんなニヘドンは、やはり幼稚園時代の刷り込みによってだと思うのですが、聖書は永遠に不変の真実の書だと云う認識が有ったのです。
大人の冷めた目で、ちょっと考えれば、2,000年の間にローマ・カトリック教会に取って都合の良い改竄、解釈が為されるのは当然の流れだと気付く筈ですよね。
思い込みって恐ろしいわぁ…。

この本の中では、どの版の何処の箇所が、どの様に書き替えられているのか、具体的に引用文を並べて、違いがよく分かる様に説明されて行きます。
日本語だけではなく、フランス語版や英語版での露骨な表現についても指摘が為されます。
片木センセったら、一体何百冊の本を読んだのよ〜。
ビックリ!

他にも目からウロコの指摘のオンパレードです。
例えば、序文の
「 はじめに ― 禁じられた知と女性の罪 」では、こんな一文が。( 3 p)
『 女性の文化的地位向上に伴って、「 心 」の問題として文化的「 恋愛 」が発明されます。」

え!? 恋愛って発明品なの!?
そんな風に恋愛を論じる人を今まで知らなかったので、ビックリです。
これから片木智年氏の著作を集中的に当たってみようかなと思う次第です。

各章の大見出しを転記してみましょう。

第1章 エデンの園で起こったこと
    ー 禁じる父と解き放つ蛇
第2章 おとぎ話に現れる女性の罪
    ー 嫉妬・好奇心・虚栄
第3章 「 心 」と呼ばれた少女の神婚
    ー 「 エロスとプシュケ 」
第4章 心と愛
    ー 「 エロスとプシュケ 」 から 『 美女よ野獣 』へ
第5章 ディズニー版『 美女と野獣 』
第6章 産みの苦しみと児殺し
第7章 異類との婚姻

凄いでしょう?
片木智年氏が引き合いに出して論じているのは、
旧約聖書から、ローマ時代以前からの伝承「 エロスとプシュケ 」から
ディズニー迄!!
そして第6章では、日本の妖怪「 こなき爺 」にまで及んでしまうのです!
何なの? この知識の守備の範囲の広い事! 広い事!!
誰が読んでも、どんな趣味を持つ人画読んでも、
どこかで、自分の興味を持てる話題が出て来る事、請け合いです!

二へドンは、本を読んでいて、興味を引いた部分のページの上端を折り込む
のですが、この本はやたらめったら下り込んでしまいました。
もう古本屋には売れないわね。
興味を引く箇所のオンパレードなのですが、タイムリーな部分を1つ
ご紹介しましょう。
2011年03月12日(土)にディズニー・アニメ
「 塔の上のラプンツェル 」が公開されましたので、
ラプンツェルについて書かれた部分を引用してみましょう。

二へドン、この話はグリム童話として有名なので、てっきりドイツの
おとぎ話だと思っていたのですが、片木智年氏はこう著します。

「 同じモチーフは、よく知られた民話・伝承の中では、
  『 眠れる美女 』や「 ラプンチェル 」系統の話に、
  運命の知る保護者と禁忌という姿をとって現れます。
  グリムの『 ラプンチェル 』の下敷きとなったフランスの話では、
  娘が12歳になったとき、妖精の育て親は入り口のない塔の上に
  閉じ込めます。娘の運命を知っていたからだとされます。
  ところがその日はやってきます。
  塔の上で歌う美女とその歌声に見せられた王子が、妖精の声色をまねて、
  まんまと塔の上に上ります。
  妖精以外、誰に会うこともなく育った娘は『 自分が何をしているか
  わからないままに 』 結婚のセレモニーをすべて、終えてしまいます。
  やがて、娘は子を宿し、見知らぬ病のような状態になるのですが、
  王子の方は『 それが何なのかはわかったものの、悲しませたくなくて
  娘に教えなかった 」 という筋書きです。

  このもともとは17世紀フランスで民話をもとに書かれたテキストを、
  グリムがドイツ語で発表しました。
  『 ラプンチェル 』の物語として世界中の子どもが愛する話になったのです。
  そのためには、子どもというよりも話を聞かせる大人に気に入られることが
  条件に


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Posted by ニヘドン at 18:19│Comments(0)読書
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