2007年03月12日

神奈川フィル第234回定演 本番レポート

さ、いよいよ本番ですよ~!

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第234回定期演奏会 『そして名曲は生まれた』

日時 : 2007年3月11日(日)  開場 13:20    開演 14:00
会場 : 神奈川県民ホール
演目 : ショスタコーヴィチ / ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77 
      ラフマニノフ  / 交響曲第2番 ホ短調 作品27
指揮 : 現田茂夫
ヴァイオリン : 川久保賜紀
ソロ・コンサートマスター : 石田泰尚様!

13:40 から現田氏によるプレトーク。
NHK地域放送文化賞受賞の報告、今日で神奈川フィルの定期演奏会としての県民ホールは
最後となる事などの話がありました。 
4月から、定期演奏会は全部、みなとみらいホールで、金曜日19:00~になります。
現田さんの話で面白かったのは、ショスタコもラフマも、生きた時代を日本の年号に変換してみると、
明治・大正・昭和を生きている。自分達のおじいさんと同じだと考えれば、親しみも湧くとの話。

ニヘドンいつも公開練習を聴く時、スコアは見ないんですよ。ブログに書く事は、もうニヘドンの耳と感性だけが勝負!!白石美雪さんのプログラムノートを読んだら、「春らしさ」「うねり」の2つが
ニヘドンの感想と一致していたので、「おおおおお!ニヘドンの感性は白石美雪張りや!」と
思ってしまいました。

最初の曲はショスタコ。ニヘドン、ショスタコには滅法弱い。何故かと云うと、昔、ソヴィエト連邦と
いう国があった頃、彼の地を訪れ、「ロシアの冬」という芸術プログラムを楽しんだ事があるからです。
「誰も書かなかったソ連」という本がベストセラーになった時代。
ソ連市民は配給切符で買い物をしていた時代。
そんな時代のソ連を1週間でも体験したニヘドンは、ショスタコの不遇な扱いに想いを馳せると、
もう涙、涙・・・・・。 タコ5の第2楽章の初っぱなからニヘドン号泣してしまうので、コンサートで
タコ5は聴きたくない。

ゲネプロの時は、ジーンズというラフな格好だった賜紀お嬢が真っ赤なロングドレスで登場。
そして、弾き始めたのですが、ゲネプロの時は、若くて可愛いお嬢ちゃんって感じでした。
が、本番では北の魔女張りの女王様に豹変しちまったんです!!
「お~ほっほっほ! アタシのヴァイオリンは、そんじょそこらの ヴァイオリンとは訳が違うのよ!
 日本音楽財団より貸与されているストラディヴァリウス『ムンツ』なのよ!!
 さあ、みんな、アタシの音だけを聞くがいい!! お~ほっほっほ!」 てな感じ。

客席の大半が女王様の前にひれ伏した。いつもより雑音が少なかったもん。
今日は読売ファミリーサークルの無料ご招待の人々が大勢いて、ほとんど空席は目立たなかった
のに、いつもより静か。皆、女王様の演奏を、固唾を呑んで聞いている。
ま、彼女は、顔もスタイルもいいし、背も高いから、元気に弓を動かしていると、迫力なんだけど。
それだけで、ニヘドンが彼女に軍配を上げる訳には行かないよね。
徳永二男氏のストラディヴァリウスをジルヴェスターコンサートで初めて聴いた時には、両膝が
震える程だったけど、賜紀ちゃん、君の演奏ではニヘドンを震わせるのは、まだだったな。

1音を1弓で弾くボウイングが多いので、この曲を石田様が演ったら、めちゃかっこいいだろうな~。
今度は絶対石田様に弾いてもらおう。石田様がやりたいと言っていた
「8大協奏曲一挙演奏!」の時に、この曲入れてもらおう。

約35分間の演奏が終わると、女王様の奴隷と化した聴衆達は、ニヘドンの12時の方角にいる
女王様に割れんばかりの拍手喝さい。ニヘドンも割れんばかりの拍手喝さい。
でも、ニヘドンの拍手は、方向が違うの。 11時の方角のコンサートマスター様に捧げられましたの。
石田様、さすがでございます。今日もしっかり、コンマスのお仕事を遂行なされましたのね。

カーテンコールの時、現田氏が女王様にデレデレだったのは、超かっこ悪かった!!
若い美人が、嬉しいなんて、ただのオジンじゃん。
ニヘドンは何が何でも、石田様だな。
ニヘドンも石田様の傍で、あんな風にデレデレしてみたい~!!

さて、15分の休憩の後、ラフマちゃん。
ニヘドンが神奈川フィルの演奏を聞く時、いつも感じるのは、「ああ、絹の肌触りの音質だよね」と
いう事。薄くて滑らかでふんわり感が、神奈川フィルの音にはありますよね?
風通しが良いと言うか・・・。それに比べると、東京のオケは、官僚臭さを嗅ぎ取ってしまうのよね。
海からの自由の風が吹き渡るオーケストラ。それがニヘドンが神奈川フィルを好きな理由。

でもって、またまた、ソリストという邪魔者がいなくなって、神奈川フィルもはじけた!はじけた!
第1楽章で、「え?もうこんなに盛り上がっちゃうの?」とニヘドンが慌てる位の盛り上がり!!
3階席までオケのうねりが うわ~んと立ち上って来て、ニヘドン、胸倉摑まれてユサユサ揺す振られている気分になっちゃった!
金管の音も最高。朝、心配した事は全然無かった。やっぱり皆、本番にベストな状態が出せる様に
調整してくるんだね。
いつも絹の音を出すオケも、今日は曲の構成のせいか、各楽器の音の絡みが複雑で、緻密で、
まるでまだ誰も踏んでいない、フカフカのぶ厚いペルシャ絨毯を連想させました。

ぽふり。 ニヘドン、ペルシャ絨毯の上に全身を投げ出し、現田氏が用意してくれた安らぎの
スペースでゴージャス感を味わう。両手で、両頬で絨毯の柔らかさ、緻密さ、暖かさを味わう。
あれ? 気がつくと、そばに、もう1人、絨毯の上に寝そべっている。
ニヘドンは腹這いだが、向こうは仰向けだ。
見るともなしに、顔を上げて見ると、そこに寝そべっていたのは・・・・・・・言うまでもなく・・・・・・
そう、本当、言うまでもないんですよ。 だって、こういうニヘドンの妄想に出て来るお方は、もう
1人しか ございません!!
でも、あえて、お名前を申し上げても、よござんすか?
そう、コンマスの石田泰尚様でございます。
あ・・・・・・目が合った。  ワンパターンな展開ですが、もうこれしかございません!!
「いいのよ。コンマス様。何も言わなくても・・・・。ニヘドンは何でも分かっているわ・・・・・。」

さて、ニヘドンが激しく妄想モードに入っている間に、第2楽章に突入。
すると、音のうねりが またもや 3階席まで立ち上って来た。
コロりん。 おお、何と、石田様からのメッセージ・ボトルがニヘドンの元に届けられた。
そう、愛を持って石田様の演奏を聞くと、こういう事もあるのですよ。
キュコ、キュコ、キュコ。(ボトルのフタをねじって開けている音)
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ボトルの中には、几帳面に折りたたまれたメモ用紙が入っている。
ニヘドン、震える指で、紙を取り出す。
カサカサッと小さな音をたてながら 開いて文面を読む。

「一緒に ラフマニノフの虹の向こうに 飛んで行こう。 石田泰尚」

やあああだああああああ!!
こんな恥ずかしい手紙よこさないでよおおおおおおおお!!
もう、何も言わなくてもいいって、さっきから言ってるじゃん!!
でも、折角だから、お返事を書きます。

「はい、あなたと一緒にどこまでも参ります。」

返事のボトルをそっと音の流れに乗せて返した。
するってえと、タイミングばっちりに 石田様のソロが始まった。
美しい~。美しい~。
これだよ。これ。ヴァイオリンの音色は、こうでなくちゃ。
人の心をゾクゾクさせる、この危険な香りがなくちゃ・・・・・・。はあ~。

そして、第3楽章、第4楽章と曲は進み、すんごい盛り上がりの中でフィナーレ。ちゃんちゃん。
拍手。拍手。皆、あまりの感動に、さっきの女王様の事を忘れてるみたい。
現田氏が数回出て来たり、引っ込んだりを繰り返し、何回目かの時、石田様の背後から両肩を
掴み、石田様を立たせる。「え?何でオレ?」みたいな顔が可愛い~!!

ニヘドン、今回は公開練習、ゲネプロ、本番と3回石田様と付き合って、身も心も骨抜きにされました。
もっと、もっとコンサートに行きたい・・・・・・・・。
病はさらに悪化・・・・・・・・。   はう~・・・・・・・。  

Posted by ニヘドン at 09:16Comments(8)コンサート

2007年03月12日

神奈川フィル第234回定演 ゲネプロレポート

朝から激しい雨。しかし、いかに激しく降ろうと、ニヘドンの恋の炎は消せないぞ~!!

今日は午後2時からの神奈川フィル定期演奏会に先立ち、午前のゲネプロを見学できる。
定期会員のみに許されたささやかな特権。

集合時間の10時に県民ホールロビーへ。何となく人が待っている。
係りの人に案内されて2階席へ。 着席を許されるのは2階席のみ。でも県民ホールは、ニヘドンいつも3階席なので、少しでも石田様に近づけて 幸せ! ポワン。。。。。。
ゲネプロの醍醐味は、皆さんの私服の演奏が楽しめるという所ですね。

楽員達は既に着席し、練習に余念が無い。 さっきからずっと待っているのに、コンマス席が
空っぽ。 ニヘドン、ちょっとイライラしてきた所、上手から石田様登場!!
よっ! 大将、待ってました!!
今日は、カーゴパンツの様な黒のダボダボパンツに、白い靴。黒と白の縦ボーダーのロングジャケット
です。 石田様、ロングジャケットを着る事が多いのですが、もしかしたら、これはニヘドンの
せいかもしれません。2年前の夏、アートホールの公開練習を見に行った時、石田様、白っぽい
ジーンズに、水色のポロシャツだったのね。
で、ご存知の様に、石田様、演奏中のアクション激しいじゃないですか!!前屈みになる度に
石田様の背中が出てしまってですね・・・・・背中ですよ! 背中!
普段ステージの上では燕尾とか、露出少ないじゃないですか!!シャツだけの時も長袖だし。
で、動く度に背中!動く度に背中!背中って言葉を使ってますけど、どちらかと云うと下の方
ですわ。うほほほほ。 石田様の生背中をですね、見てしまったニヘドンは、もう見学ギャラリーの
ガラスにヤモリの様に這いつくばってですね、うほほほほ・・・・・・。人間を捨てました。
楽員の皆様方は、さぞかし怯えたことと思います。
石田様も、男の操が危ない!と思った事でしょう。それ以来、石田様はロングジャケット愛好家に
なってしまわれたのであります。

そんな訳で、石田様のガードは今日も固かった。

最初はラフマニノフの交響曲第2番 ホ短調作品27。
昨年はネコも杓子もモーツァルトでしたが、今年は個人的に ラフマニノフ・イヤーになりそうな予感。
1月から、どうもラフマニノフを聞く機会が多い。
3月10日の「アートホール潜入中」の記事に書いた様に、「春の野原にウサギがピョンピョン」な
曲は、このラフマの事だったんですよ!
リハが面白いのは、指揮者の指示を言葉で聞けるので、指揮者の考えている事、目指している物が
よ~く分かるのです。勉強になりますよう~!!
今日、印象に残った現田さんの言葉は、第1楽章で、「そこは、そんなにアクセントつけないで!
もっと安らげる様に!」と仰った事。皆さ~ん、どうです?
今日の神奈川フィルのラフマで安らげましたか?

弦楽器達は申し分無かった。ただ、金管達が、ちょっとニヘドン好みでは無かった。
ニヘドンは絵でも、ダリの様に輪郭がシャープなものが好きで、音も最初の切れがないと嫌なの。
弦楽器にあまり切れは求めないけど、金管、木管に切れが無いのは、ちょっとね・・・・。
で、金管の切れがイマイチだったんだけど、朝だから仕方無いか。
ニヘドン、小学校で絵本の読み聞かせをしていて、やっぱり朝は声が出ない。
1時間目のクラスには申し訳無いけど、2時間目、3時間目と経過するにしたがって、よくなっていく
もん。 第3楽章あたりまでいったら、大分こなれてきたみたいだったから、この調子で本番は
ベストかな?

約1時間の演奏の後、休憩。休憩時間の楽員達を見てると、まあ面白いの。
皆、てんで勝手な事してるから。こういうの、撮影するだけで、結構楽しい番組が出来るかも?
練習三昧の人。腰振り体操の人。歩きながらヴァイオリン弾く人。何故歩きながら?ギャラリーに
アピールしているのか?ああ、ああ、下手から上手まで、全部横断しちゃったよ。
全部横断した後、立ち止まってヴァイオリン弾いていたら、通る人に「邪魔だ!」と言わんばかりに
両手でぐいぐい押されていた。 ちょっと笑える・・・。
談笑する人々。何やら相談する人々。 チェロ軍団は、皆チェロをかかえたまま円陣組んで、しきりに
話し込んでいる。
お、石田様が上手から登場。スタスタ舞台を横断。下手に引っ込む前に、キョロリと2階席に視線を
向けた。 ふふふふ。気になる?ニヘドンが いるか、気になる?
大丈夫よ。ニヘドンは今日も朝から、ちゃ~んと、こうして あなたを 見守っているわよ!
だから安心して、演奏に集中してね!! (もう背中は見ないから、安心して!)

休憩が終わると、今度はヴァイオリン・ソロの川久保賜紀(かわくぼ たまき)さんがジョイント。
背が高い、スラッとしたお嬢さん。曲はショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op77
賜紀さんのソロが始まると、石田様はつまらなそうに、足で床をいじいじ・・・・。
石田様、わかりました。あなたは、自分がヴァイオリンを弾いていない時は、とにかく面白くないのね。
コンマスソロもあるんだけれど、短い、短い。
無伴奏リサイタルなんか聞いちゃったら、こんな短いコンマス・ソロなんかじゃ絶対許せません!!

賜紀さん、いいんだけれど、ニヘドンの脳裏には、「石田様だったら、どんな風に弾くだろう?」
「石田様だったら、どんな風に仕上げるだろう?」と、そればっかり考えていました。
石田様だって、「もしオレが弾いたら・・・」って思いながら聞いていたと思うの。
第4楽章が終わると、全員が足踏みして、アプローズ。
いや・・・・・ニヘドンは石田様のソロを聞きたいな・・・・・。石田様のソロを聞きたいな・・・・石田様の・・

ゲネプロ終了!
ニヘドン、近くのジョナサンで、昼食。ちょっと風邪引いたっぽくて、軽い咳が出るっていうのに、
頼んだものは、「タンドリーチキン&メキシカンピラフ」。
うは!刺激物は喉にいかんだろう! でも、もう後の祭り。

さあ、それでは、本番はどうだったのか、続く・・・・・・・。
  

Posted by ニヘドン at 01:30Comments(0)コンサート