2009年06月22日

ソスピロ・ウィンズ

2008年05月25日(日)

大阪国際室内楽フェスタ・予選

B - 3

Entry # 669
グループ名 : ソスピロ・ウィンズ
参加国 : アメリカ
メンバー : ケリー・マリー・キャズマン / フルート
   ジェイムズ・オースティン・スミス / オーボエ
   ロミー・ダ・ギーズ・ランダロワ / クラリネット
   エイドリアン・キース・モウレホン / ファゴット
   カイヤ・ジャスティーン・ラクール / ホルン

プロフィール : 「 素晴らしいアンサンブル 」とニュー・ミュージック・コニサー誌に賞賛されたソスピロ・ウィンズはニューヨークに拠点を置き、室内楽のミュージック・シーンにおけるダイナミックな新しい勢力となってきた。
今シーズンはアメリカ各地でのコンサートの他、ニューヨークのカーネギーホールにてデビュー・コンサートを行う予定である。
同アンサンブルはイェール大学音楽部にて結成され、2007年フィショフ室内楽コンクールにて銀賞を獲得。
またイェール室内楽コンクールでも入賞している。

予選演奏曲 : G.リゲティ / 6つのバガテル 第 1 - 4 楽章
   A.ドヴォルザーク ( U.G.シェーファー編曲 )/ スラブ舞曲集 第2集 op.72
   A.ピアソラ ( U.G.シェーファー編曲 ) / ボーデル 1900
   J.フランセ / 木管五重奏曲 第1番 第2楽章
   G.ガーシュウィン ( W.ホイト編曲 ) / 3つの前奏曲

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


5人組のユニットです。2人が男性( オーボエとファゴット )。
2人とも黒のスーツでビシッとキメています。
3人が女性です。( フルート、ホルン、クラリネット )。
女性は3人共、黒いドレス姿で、これが又、妙にセクシーなんです。

最初、ステージには5人分の譜面台が並べられていましたが、
メンバー達はステージに現われるとガタガタと音を立てて、
譜面台を後ろにうっちゃってしまいました。
どうやら暗譜で演奏する様です。

1曲目はG.リゲティの「 6つのバガテル 」 第1-4楽章です。
第1楽章は、ジャズっぽいアプローチです。
メンバー全員がお話をし合う様な演奏です。
コンサート・ホールよりも、ライブハウスで楽しみたいエキサイティングなライブ感!
さすがアメリカって感じです。

第2楽章
楽器を「 音を出す道具 」としてではなく、コミュニケーションのパーツと見なしています。
楽器を自分の身体の一部として表現しているのが凄いです。
中でもフルートの存在感がピカイチです!

第3楽章
ジャズでも無い、クラシックでも無い、自分たちの世界を作っています。
なかなか真似出来る事ではないのですよねえ。

2曲目はドヴォルザークの 「 スラブ舞曲集 」です。
演奏の前に、メンバー達は、1曲目の前に後ろに投げやっちゃった譜面台を
自分たちの前に移動させました。
( おお、今度は楽譜有りなんだ。) 変な所で感心してしまったニヘドンです。
さて、彼らの演奏の方はと言うと、エキゾチックな雰囲気が良く出ていて美しいのです。
ゆったりとしたテンポで心が洗われます。

3曲目は、ピアソラの 「 ボーデル 1900 」です。
ありゃりゃりゃ。 今度は又、譜面台を後ろに移動です。
別に楽譜を見なくても、いちいち移動が面倒くさいから前に置きっ放しにしておいても
よさそうなのに、そうもいかないのでしょうか?
しかし、この大阪室内楽フェスタをずっと聴いていると、いろいろなグループがピアソラを
取り上げています。 
それだけ演奏家にとって魅力が有るという事なんでしょうか。
この予選の演奏曲の中では、ピアソラの曲がダントツに使用頻度が高いと思われます。

フルートがメロディを奏でると、皆で足でステップを踏みます。 バンバン! カッコいい~!
ホルンのカイヤ嬢が地道に良い味を出しています。
他の楽器がクネクネ動きながら演奏している間、カイヤ嬢はほとんど動きません。
「 孤高の人 」みたいな雰囲気を出していて、ついついホルンに目が行ってしまいました。

4曲目はJ.フランセの 「 木管五重奏曲 第1番 第2楽章 」です。
彼らはまた譜面台を前に移動させます。
彼らの演奏をしみじみと聴いて思ってしまいました。
「 今回のフェスタでは、アメリカ、ロシアからの参加者が多いけれども、
  やはりアメリカ、ロシアの音楽を演奏する音楽性の高さ、深さには勝てないなあ。
  日本は、音楽後進国と言わざるを得ないのかなあ? 」
そりゃあね、最近では辻井伸行君が巷の話題をさらっています。
優秀な演奏家を日本は何人も何人も輩出して来ました。
でも、草の根ではどうよ? 世界の誰も、「 日本は音楽の国 」って言ってくれないよね?
今回のフェスタ参加者の演奏を聴いて思ったのは、外国は明らかに演奏者の層が厚い。
プロとアマの間の層が日本とは比べ物にならない程、厚くて質が高い。
日本人はまだまだ
「 ははあ。 プロ様が演奏して下さるクラシック音楽という有り難いものを拝聴させて頂きます。」
って感じだよね。
音楽はもっと気楽に楽しもうよ。 自分が演奏して楽しもうよ。
そんな事を考えさせてくれる彼らの演奏でした。

5曲目はガーシュウィンの 「 3つの前奏曲 」です。
あ、いいですねえ。 この2日間のフェスタで、ほとんど、いずみホールに缶詰で多くの演奏を
聴く訳ですけれども、たまには、こんなガーシュウィンも聞きたいですよー。
これは1926年に出版された3曲から成るピアノ曲なんですが、
もうありとあらゆる楽器の為の編曲が成されています。
さあ、これからソスピロ・ウィンズの皆さんは、どの様な味付けをしてくれるのでしょうか?

Ⅰ. Allegro ben ritmato e deciso
     うわあお! クラリネットのロミー嬢が聴かせてくれます!
     ロミー嬢のワンフレーズを聴いただけで、
     もう曲を最後まで聴かなくても大満足な気がしちゃいました。
     クラリネットの音を堪能しました。
Ⅱ. Andante con moto e poco rubato
     うーん。 今度はホルンとファゴットのアンサンブルが絶妙です。
     そこへオーボエのジェイムズ君の音色が乗って来ます。
     うわ! 日本人が演奏するよりも、しっとりウェットなガーシュウィンですよ!
     こんなにスローテンポで弾いちゃうんだ。 へー。
     間の取り方が美しいー。 「 間 」も音楽の一部としてしっかりと聞かせてくれる。
Ⅲ. Allegro ben ritmato e deciso
     こんなソフトムードに包まれた、でもライヴリーなガーシュウィンは初体験です。
     気に入りました!
     とてもアカデミックな気分に満ちたガーシュウィンでしたよ。

100点満点中80点。

***** 「 ソスピロ・ウィンズ 」 ・ 完 *****************




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Posted by ニヘドン at 18:31│Comments(0)コンサート
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