2008年11月29日

「旅立ちの時」〜 ショパンの音楽日記 No.3

写真はサインに応じるピアニストのジャン=フレデリック・ヌーブルジェ君。

Le Journal Musical de Chopin
( ル・ジュルナル・ド ・ショパン )
ショパンの音楽日記
No.3 「 旅立ちの時 」 1828 〜 1830 年

日時 : 2008年11月28日(金)
  開場 18:00 開演 18:30
会場 : 東京オペラシティ コンサートホール
料金 : S席 2,000円 A席 1,500円
     ( 全指定席 )
演目 & 演奏家

ポロネーズ へ短調 op.71-3 ( 1828 )
♪ アンヌ・ケフェレック

ポロネーズ 変ト長調 KK Ⅳa-8 ( 1829 )
ワルツ 変ニ長調 op.70-3 ( 1829 )
マズルカ  ハ長調 op.68-1 ( 1829 )
変奏曲 イ長調 「 パガニーニの思い出 」( 1829 )
♪ アブデル・ラーマン・エル=バシャ

ワルツ ロ短調 op.69-2 ( 1829 )
♪ 児玉 桃

マズルカ へ長調 op.68-3 ( 1829 )
マズルカ イ短調 [ マズルカop.7-2 初稿 ]( 1829 )
マズルカ ニ長調 KK Ⅳa-7 ( 1829 )
ワルツ ホ長調 KK Ⅳa-12 ( 1829 )
ワルツ ホ短調 KK Ⅳa-15 ( 1830 )
♪ イド・バル=シャイ

ノクターン 嬰ハ短調 [ 遺作 ]KK a-16 ( 1830 )
マズルカ 嬰へ短調 op.6-1 ( 1830 )
マズルカ 嬰ハ短調 op.6-2 ( 1830 )
マズルカ ホ長調 op.6-3 ( 1830 )
マズルカ 変ホ短調 op.6-4 ( 1830 )
♪ アンヌ・ケフェレック

マズルカ 変ロ長調 op.7-1 ( 1830-31 )
マズルカ イ短調 op.7-2 ( 1830-31 )
マズルカ へ短調 op.7-3 ( 1830-31 )
マズルカ 変イ長調 op.7-4 ( 1830-31 )
マズルカ ハ長調 op.7-5 ( 1830-31 )
♪ フィリップ・ジュジアーノ

*************************************

「 んー。今日は一体どうしたんだろう。
なんか空席が目立つ気がする。」
花金は皆さん、飲み会なんですかね?
飲み会よりデートより「 ショパンの音楽日記 」の方が楽しいのにねぇ…。

まず1曲目は、アンヌさんの「 ポロネーズ へ短調 」です。
今日のアンヌさんの出で立ちは、紫色のベルベットの身体にピッタリとフィットしたジャケットです。ジャケットの合わせの中は、よく見えないのだけれど、チラッと見えた瞬間は、黒いビスチェだった!?
下は黒いズボンです。
アンヌさんが、そっと鍵盤を押すと、芳醇な音がホールいっぱいに広がります。
今日のアンヌさんの演奏は、夜の雰囲気が濃厚です。
やはり昨日のプログラムは意識して若々しく弾いたのでしょうか?
ショパンのポロネーズは、昨日の1曲目( ポロネーズ ト短調 ) も、そうだったのですが、低い音が物凄く哀しみを宿しています。
全体的には明るく軽やかなので、心の奥底の、普段は忘れた振りをしている哀しみの様に残酷な影を宿しています。
でもアンヌさんは、その哀しみを恐れずに、華やかさ、豊かさを乗っけて行きます。
うーん。人生こうであれと、アンヌさんからアドバイスを受けている様です。
アンヌさんはピアノで人生を語る詩人なのである。

お次は、燕尾服を着たエル=バシャ氏が登場です。
曲は、「 ポロネーズ 変ト長調 」
エル=バシャ氏も、くっきり鮮やかな絵画の様な演奏をします。
彼の演奏を聞いて、ニヘドンはまだ自分が20代前半の頃、ソ連に行った事を思い出していました。
「 ロシアの冬の旅 」と言う芸術祭を鑑賞する為のツアーでした。
まだまだソ連に自由なんか無く、「 鉄のカーテン 」の向こう側の世界でした。
年末年始の休暇を利用して行ったので、大みそかをモスクワのホテルで盛大なパーティーで過ごしました。
それはインツーリスト( ソ連国営旅行社 )が主催する国家の威信を掛けたパーティーでした。
「 ロシアの冬の旅 」に参加した全ての外国人旅行者が出席していたので、アメリカ人、ドイツ人、イタリア人など色々な国の人々がいました。
テーブルには、ありったけのご馳走が並べられ、外気温の低さも忘れ、暖かい部屋の中で、多種多様な国籍の人達がテーブルを共にする。
エル=バシャ氏の演奏によって、こんな昔の記憶が蘇えっておりました。
中盤、エル=バシャ氏の、激しく鍵盤を叩きつける大きな音で、ハッと現実に戻されました。
エル=バシャ氏の演奏は、また「 豊かさ 」の中に戻って行きました。
でも、その「 豊かさ 」は、複雑なニュアンスを含んでいました。
平静な顔の下の、揺れ動く心に気がついてしまった自分を発見した様な・・・・・・。



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Posted by ニヘドン at 22:50│Comments(0)コンサート
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