2009年04月06日
8月26日石田泰尚ヴァイオリン・リサイタルレポ 後半
この記事は、2008年08月26日にアップした 「 石田泰尚ヴァイオリン・リサイタル レポ 」の
後半 ( 第2部 ) です。
前半の記事は http://nihedon.hama1.jp/e61809.html でお読み下さい。
石田泰尚ヴァイオリン・リサイタル
日時 : 2008年08月26日(火)
18:30 開場 19:00 開演
会場 : 東京文化会館 小ホール
主催 : MIN-ON
料金 : 4,000円 ( 全席指定 )
出演 : 石田泰尚様 ( いしだ やすなお ) / ヴァイオリン
中岡太志 ( なかおか ふとし ) / ピアノ
演目 : 第1部
ラヴェル ( コハンスキー編 ) / 亡き王女のためのパヴァーヌ ( 約7分 )
クライスラー / クープランのスタイルによるルイ13世の歌とパヴァーヌ ( 約5分 )
クライスラー / ベートーヴェンの主題によるロンディーノ ( 約3分 )
クライスラー / ジプシー奇想曲 ( 約5分 )
クライスラー / クープランのスタイルによる才けた貴婦人 ( 約3分 )
クライスラー / プニャーニのスタイルによるプレリュードとアレグロ ( 約5分 )
シャミナード ( クライスラー編 ) / スペインのセレナード ( 約3分 )
グラナードス ( クライスラー編 ) / スペイン舞曲 ( 約3分 )
ファリャ ( クライスラー編 ) / スペイン舞曲 第1番 ( 歌劇《 はかなき人生 》 より ) ( 約4分 )
休 憩 1 5 分
第2部 :
バッハ / 無伴奏パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 ( 約25分 )
ピアソラ / 忘却 ( オブリビオン ) ( 約5分 )
ピアソラ / 来るべきもの ( 約5分 )
ヴィジョルド / エル・チョクロ ( 約7分 )
アンコール :
1. 映画「 ひまわり 」のテーマ
2. ジェラシー
3. ガーシュイン / サマータイム
***********************************
19:40から約15分間の休憩に入りました。
石田様の名演奏に酔い痴れた人々の蒸気で、ロビーもむんむんしていました。
19:55 第2部の始まりです。
客席のライトが落ち、暗くなると、客席の人々はステージの上を今か今かと見詰めます。
「 おお~。 」
客席から声が漏れました。
石田様の衣装が素晴らしかったのです。
黒の長袖の開襟シャツなのですが、胸元一面に赤いビーズとスパンコールで赤い花と
緑色の葉があしらってあります。
黒いズボンの上に黒いカマーベルトをしています。
二へドンは、ついでに譜めくり君もチェーック!
ソバージュのロングヘアをポニーテールにした、ちょっとお好みタイプの青年でしたね。
第2部はJ.S.バッハの 「 無伴奏パルティータ第2番 」から幕開けです。
第1曲 Allemande ( アルマンド )
アルマンドはフランス語で「 ドイツ風 」の意味です。
16世紀に中庸のテンポの2拍子の舞曲として生まれ、ドイツで流行。
17世紀にフランスの作曲家によってテンポに自由度の有る4拍子の
舞曲に改良されたものです。
石田様が演奏する艶やかな流れるメロディーにため息です。
第2曲 Courante ( クーラント )
イタリア語では Corrente ( コッレンテ )
3分の2拍子、4分の6拍子によるフランス起源の宮廷舞曲。
アルマンドの一部が17世紀頃に独立したもの。
石田様の弓を持つ右手の肘が上がったり下がったりします。
これは、移弦が多いという事を意味します。
ヴァイオリン初学者には溜め息が出るパフォーマンスです。
「 カチャン。 カチャン。 」
石田様が正確に動かす肘の動きは、絶対に狂いの無い機械の動きを
思い起こさせます。
第3曲 Sarabende ( サラバンド )
イタリア語では Sarabanda ( サラバンダ )。
3拍子の荘重な舞曲。
二へドンは個人的に、石田様の重音と小指のトゥリルに心を奪われました。
石田様は表情を一つも変えぬまま、次々と休む間も無く音を紡ぎ続け
客席をメランコリックな雰囲気に包んでいきます。
「 荘重 」な気分と言うよりは、正にメランコリックな気分になりましたよ。
客席の誰も彼もが石田様の演奏を凝視しています。
二へドンの席よりも前に座っているお客さんの3割以上の人々が身を前に
乗り出して聴いています。
( ふふふ。 見てよ。 見てよ。 二へドンの心の彼氏を見てやって頂戴よ。)
不埒な事を考えながら、二へドンはご満悦です。
この曲が終わると、石田様は調弦をしました。
第4曲 Gigue ( ジーグ )
8分の6拍子 又は 8分の9拍子の舞曲で、イギリスやアイルランドの民族的な
踊りの形式の1つ。
石田様は細かい弓の動きで、つややかな音を織り上げて行きます。
指をヴァイオリンの指板に置く、ポクポクという音も幽かに聞こえて来ます。
石田様の演奏はガンガンに熱を帯びて来ました。
石田様の短い髪が、揺れて見える程に激しく身体を揺らしながらの演奏です。
第4曲が終わった所で、石田様は調弦をします。
石田様の調弦タイムは、比較的短いのです。 ちゃちゃっと済ませてしまうんです。
未だ1人で調弦が出来ずにもたもたしてしまう二へドンとは(雲泥の差)×100位です。
その石田様が、いつもよりもたっぷりと時間を掛けて入念に音合わせをしています。
第5曲 Chaconne ( シャコンヌ )
イタリア語では Ciaccona ( チャッコーナ )です。
特定の低音及び和声進行で繰り返す曲の呼称の1つです。
さあ、石田様が聞かせてくれますよー。 だって、この第5曲は石田様の十八番ですもの!
過去の石田様リサイタルでも、よく弾いてくれています。
この第5番だけ取り出して弾く事も有ります。
ほーら、期待に反せずに、石田様は上に伸び上がったり、膝を大きく屈伸させたり、
右足の踵をドシン! と床に踏みつけたり大熱演です。
移弦だらけの箇所は、石田様は右肘を激しく上下させています。
あれで、隣の弦を触ってしまわない所が石田様の凄い所なんです。
流石に二へドンの石田~リンは違うわ!!
石田様は、ヴァイオリンのあご当てをズボンのももの部分に押し当てて ずべ~と拭く事が
よく有るのですが、今日もここに来て、その仕種を見せてくれました。
客席から見ていると分かりませんが、滑る程の汗をかいているのでしょうね。
演奏後、客席の誰もが思ったに違いない事。
それは、「 うーん。 凄いー!! 」。
凄いですよ。 凄いの他に、どんな感想が有ると言うのですか?
Wikipedia にはこんな事が書かれています。
( 無伴奏パルティータ 第2番 の項より抜粋 )
「 非常に難易度の高い事で知られ、ヴァイオリ二ストの技量、表現力が問われる。」
あらー、こんな難曲が十八番だなんて、本当に石田~リンは最高!!
もう石田~リンが神様にしか見えなくなりました。
格好良い神様が、大股で退場して行きます。 二へドンの目は涙でウルウルです。
暫くの間の後、石田様と中岡さんの2人が又ステージに姿を現します。
石田様は調弦をします。
第2部の2曲目は、ピアソラの 「 忘却 ~ オブリビオン 」 です。
ピアノのイントロ部分の演奏が始まります。
この時、石田様は両腕を組み、右のつま先を上げ、じっと下を向いています。
ほーら。 やっぱり中岡さんのピアノに対する愛が違う。
中岡さんは大学の頃からピアソラが好きだと言っておりますが、本当にピアソラの曲になると、
ピアノに向かう姿勢からして違うもん。
目に入れても痛くない程、溺愛している愛娘に向かっている様なピアノに対する接し方です。
石田様のヴァイオリンも負けてはいません。
お父っつぁんが2人、愛娘の自慢合戦している様な感じです。 ( 笑 )
石田様は眉をピクン、ピクンと2回 上に上げました。
はあー。 石田様の弓の上に垂れる様に置かれた彼の指に見とれます。
美し過ぎる。。。。。。。。。。。。
第2部の3曲目はピアソラの 「 来るべきもの 」です。
中岡さんのピアノの前奏がゴージャスな香りを周囲に撒き散らします。
これを演られると、マダムは陥落なのよ。
( 演奏者の意向はともかく、勝手に陥落させられちゃいますからね! うひ。)
そこへ持って来て、石田様のヴァイオリンが悩ましげな音で二へドンの心を激しく誘惑します。
( え? 誘惑しているつもりは無い? いえ、勝手に誘惑させられちゃってますぅ!!
もう二へドンの事、誘拐しちゃってもOKだから!?
そして、東京湾にドボン!? あ・・・・・・・・誘拐は無かった事に!! )
石田様は演奏の合間にドンドン! と足踏みをします。
あ、もしかして、それは 「 二へドンドン! 」 という私的なメッセージですか?
もしかしてモールス信号で、二へドンに愛を語っているとか?
いやいやいやいや・・・・・・・・・。
美しく狂おしい音色に包まれると、人は妄想スイッチが入っちゃうんだってば。
このコンサートを聞きに行かれた方は、皆そうですよねえ?????
石田様の背後で、ピアノに向かっている中岡さんが右腕を大きく回転させるのが見えました。
乙女達の うっとり度も最高潮に達した頃なのに、なのに、なのに。。。。。。。。
客席中央から大きな鼾が聞こえました。 うげげげ・・・・・!
聞かなかった事にして石田様の演奏に集中します。
石田様は中岡さんの方を向いて、中岡さんも石田様の方に身体をひねって向き合いフィニッシュ!!
ちょっとジェラシーを感じる瞬間。
音楽家同士っていいなあ。 お仕事で石田様とアイ・コンタクトを取れるんですよ!!
二へドンも石田様と 愛・コンタクトを取りたあ~い
音が閉じた後、中岡さんが嬉しそうに微笑む顔がピアノからピョコンと上がったのが見えました。
会心の演奏だったって事ですかね。 もう本当に良かったもん!! ぱちぱちぱちぱち!
第2部の4曲目は ヴィジョルド作曲の 「 エル・チョクロ 」です。
石田様のヴァイオリンから音が始まります。
石田様のピチカートの演奏の所でピアノの伴奏がスタートします。
お得意の技が出ましたよ。 うふふ。 石田様がヴァイオリンの渦巻きを
肩の上でグルリンと反時計回りに回します。
石田様のドスン、ドスンと云う足踏みに、中岡さんもピアノの縁を掌で叩いて応えます。
「 エル・チョクロ 」ならぬ 「 えろ・チョクロ 」的なムードに客席は催眠術に掛かった様に
ポワーンとなります。
うはッ!! 最後の狂おしいまでに情熱的なフィニッシュは何だ!?
この曲は石田~リンが何度となく二へドンの為にステージで演奏してくれていますが、
( いいの。 いいの。 勝手にほざかせておいて。 )
こんなに凄い演奏は音楽史の歴史に残っちゃうかも?
演奏の後、石田様は上を向いて溜め息を吐き出します。
石田様が背中にやさぐれた哀愁を漂わせながら、酔っ払いの足取りで(?)退場して行きます。
中岡さんの後ろを通る時に石田様は中岡さんに向かって左腕を高く突き上げました。
石田様が左耳に着けているゴールドのイアカフが きらりん! と煌きました。
中岡さんは客席に向かって深々とお辞儀をしました。
中岡さんも、石田様の後について退場しました。
そうなんです。 これでプログラムに書かれている曲は全曲終了してしまったのです。
が!!
石田様がこれで終わる訳がない!!
ほーら。 やっぱり石田様と中岡さんが再びステージに出て来てくれました。
今度は石田様ったら、マイクを持ちましたよ。
「 えーーーーーー。 楽しかったですか?」 会場からは大拍手が巻き起こります。
「 えーーーーー。 えーーーーーーー。 まあ、かなり疲れちゃってますけど、
あのー、映画 『 ひまわり 』 のテーマです。 」
石田様は掌を天井に向けて中岡さんの方に差し出し、演奏を促します。
すると中岡さんが、しんみりと、しっとりとピアノの音を奏でます。
石田様のヴァイオリンの音が仲間入りをすると、客席は声にならない溜め息の渦で包まれます。
ピアノが間奏をしている間に、石田様はヴァイオリンのあご当てをズボンの腿の部分にズベーッと
こすります。 2回連続技です。
石田様はそのまま、項垂れる様に下を向いてじっと立っています。
ハーッと溜め息混じりに上を向いて、しばらくそのままの姿勢を続けています。
石田様がヴァイオリンを構え、弓を動かすと、透明なせせらぎの様な音が迸ります。
石田様のヴァイオリンの音色からは、絶対にマイナスイオンが出てますって!!
その位に清涼な音なんです。
ソフィア・ローレンを100人束ねても、石田~リンの音色の方が綺麗なんだから!!
曲が終わると、石田様が言いました。
「 えー、まだ弾きます。 」 客席から大きな拍手が起きました。
疲れていてもファン・サービスをしてくれちゃう石田様、最高です!!
「 えー、次はガーデのジェラシーを弾きます。
この曲はどういう曲かと言うと、日本語で『 嫉妬 』・・・・・・・・・・・。
まあ、嫉妬的な・・・・・・・・・・・・。 」 客席からクスクス笑い。
「 ・・・・・・・・・・・・・ 聴いて下さい。 」
椅子が無かったら、気絶して床に倒れちゃう女子が続出しそうな、石田~リンの
悩ましい演奏です。
石田城大奥は既に十分過ぎる程のジェラシーの嵐が吹き荒れているから、
もうジェラシーは沢山なのに、石田様はそんな事を知ってか知らぬか、
情熱的な『 ジェラシー 』 を弾いていきます。
会場の空気が、すっかりピンク色に染まった頃、曲が終わりました。
石田様のトークです。
「 えー、ありがとうございました。
えー、今日は、CDの販売と、最近こうDVDを出しちゃったりなんかして・・・・・・。
後で、もしあれでしたら、買っちゃったりなんかしちゃったりなんかしちゃって・・・・。
( 客席・笑い )
もう1曲弾きます! ( 歓声&拍手 )
ガーシュウィンの『 サマータイム 』です。
サマータイムって言うとどんな曲かと言うと・・・・・・・・日本語で「 夏の時間 」・・・。
夏の時間です。 」
石田様の話の展開は、もうバレバレなのですが、それでも聞く度に客席の人が笑い声を立てて
しまうのは、もう石田様への愛に他なりませんよね。
皆、本当に石田様を愛しちゃってるんだから、全くもー!!
石田~リンは左手はヴァイオリンから離して
右手でヴァイオリンのあご当ての部分だけをつまむ様に逆さに持ちます。
くるりと素早い動きでヴァイオリンを肩に乗せると、甘く気だるい感じで弾いていきます。
石田様は流石です。 クラシック一辺倒ではなくて、こういう気だるい退廃的な音も出しちゃう
所が本当に凄いです。
二へドンが石田様が弾く「 サマータイム 」が大好きなのは、甘~く弾いた後、
突然、曲調が変貌するのですよ。
石田様がパラリと音を立てて楽譜をめくると、その「 パラリ 」の音が合図かの様に
ジャズ・バージョンのテンポの速い「 サマータイム 」が展開されます。
格好良いよー。 二へドンもこのアレンジで弾いてみたいー。
出来たら石田様とデュオりたいー!!
演奏が終わると、石田様は舞台の縁まで歩を進め ( ドキ!っとする瞬間 )お辞儀をしました。
全てが終わったのが 21:08。
おお、やっぱり今夜も石田様は大サービスの大熱演をしてくれたのでした。
どこかから、こんな声が二へドンの耳に入って来ました。
「 ファンの人は喜ぶね。 じゃ行きましょう。 」
はい! はい! はい! はい! 二へドンはもう少しで本当に手を上げてしまう所でした。
「 はい! 私が、そのファンの内の1人です!!
喜びました!! どえらー 喜びました!! 」
石田様、お疲れ様でございました。 今日も痺れました!!
***** 「 8月26日石田泰尚ヴァイオリン・リサイタルレポ 後半 」 ・ 完 *****
後半 ( 第2部 ) です。
前半の記事は http://nihedon.hama1.jp/e61809.html でお読み下さい。
石田泰尚ヴァイオリン・リサイタル
日時 : 2008年08月26日(火)
18:30 開場 19:00 開演
会場 : 東京文化会館 小ホール
主催 : MIN-ON
料金 : 4,000円 ( 全席指定 )
出演 : 石田泰尚様 ( いしだ やすなお ) / ヴァイオリン
中岡太志 ( なかおか ふとし ) / ピアノ
演目 : 第1部
ラヴェル ( コハンスキー編 ) / 亡き王女のためのパヴァーヌ ( 約7分 )
クライスラー / クープランのスタイルによるルイ13世の歌とパヴァーヌ ( 約5分 )
クライスラー / ベートーヴェンの主題によるロンディーノ ( 約3分 )
クライスラー / ジプシー奇想曲 ( 約5分 )
クライスラー / クープランのスタイルによる才けた貴婦人 ( 約3分 )
クライスラー / プニャーニのスタイルによるプレリュードとアレグロ ( 約5分 )
シャミナード ( クライスラー編 ) / スペインのセレナード ( 約3分 )
グラナードス ( クライスラー編 ) / スペイン舞曲 ( 約3分 )
ファリャ ( クライスラー編 ) / スペイン舞曲 第1番 ( 歌劇《 はかなき人生 》 より ) ( 約4分 )
休 憩 1 5 分
第2部 :
バッハ / 無伴奏パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 ( 約25分 )
ピアソラ / 忘却 ( オブリビオン ) ( 約5分 )
ピアソラ / 来るべきもの ( 約5分 )
ヴィジョルド / エル・チョクロ ( 約7分 )
アンコール :
1. 映画「 ひまわり 」のテーマ
2. ジェラシー
3. ガーシュイン / サマータイム
***********************************
19:40から約15分間の休憩に入りました。
石田様の名演奏に酔い痴れた人々の蒸気で、ロビーもむんむんしていました。
19:55 第2部の始まりです。
客席のライトが落ち、暗くなると、客席の人々はステージの上を今か今かと見詰めます。
「 おお~。 」
客席から声が漏れました。
石田様の衣装が素晴らしかったのです。
黒の長袖の開襟シャツなのですが、胸元一面に赤いビーズとスパンコールで赤い花と
緑色の葉があしらってあります。
黒いズボンの上に黒いカマーベルトをしています。
二へドンは、ついでに譜めくり君もチェーック!
ソバージュのロングヘアをポニーテールにした、ちょっとお好みタイプの青年でしたね。
第2部はJ.S.バッハの 「 無伴奏パルティータ第2番 」から幕開けです。
第1曲 Allemande ( アルマンド )
アルマンドはフランス語で「 ドイツ風 」の意味です。
16世紀に中庸のテンポの2拍子の舞曲として生まれ、ドイツで流行。
17世紀にフランスの作曲家によってテンポに自由度の有る4拍子の
舞曲に改良されたものです。
石田様が演奏する艶やかな流れるメロディーにため息です。
第2曲 Courante ( クーラント )
イタリア語では Corrente ( コッレンテ )
3分の2拍子、4分の6拍子によるフランス起源の宮廷舞曲。
アルマンドの一部が17世紀頃に独立したもの。
石田様の弓を持つ右手の肘が上がったり下がったりします。
これは、移弦が多いという事を意味します。
ヴァイオリン初学者には溜め息が出るパフォーマンスです。
「 カチャン。 カチャン。 」
石田様が正確に動かす肘の動きは、絶対に狂いの無い機械の動きを
思い起こさせます。
第3曲 Sarabende ( サラバンド )
イタリア語では Sarabanda ( サラバンダ )。
3拍子の荘重な舞曲。
二へドンは個人的に、石田様の重音と小指のトゥリルに心を奪われました。
石田様は表情を一つも変えぬまま、次々と休む間も無く音を紡ぎ続け
客席をメランコリックな雰囲気に包んでいきます。
「 荘重 」な気分と言うよりは、正にメランコリックな気分になりましたよ。
客席の誰も彼もが石田様の演奏を凝視しています。
二へドンの席よりも前に座っているお客さんの3割以上の人々が身を前に
乗り出して聴いています。
( ふふふ。 見てよ。 見てよ。 二へドンの心の彼氏を見てやって頂戴よ。)
不埒な事を考えながら、二へドンはご満悦です。
この曲が終わると、石田様は調弦をしました。
第4曲 Gigue ( ジーグ )
8分の6拍子 又は 8分の9拍子の舞曲で、イギリスやアイルランドの民族的な
踊りの形式の1つ。
石田様は細かい弓の動きで、つややかな音を織り上げて行きます。
指をヴァイオリンの指板に置く、ポクポクという音も幽かに聞こえて来ます。
石田様の演奏はガンガンに熱を帯びて来ました。
石田様の短い髪が、揺れて見える程に激しく身体を揺らしながらの演奏です。
第4曲が終わった所で、石田様は調弦をします。
石田様の調弦タイムは、比較的短いのです。 ちゃちゃっと済ませてしまうんです。
未だ1人で調弦が出来ずにもたもたしてしまう二へドンとは(雲泥の差)×100位です。
その石田様が、いつもよりもたっぷりと時間を掛けて入念に音合わせをしています。
第5曲 Chaconne ( シャコンヌ )
イタリア語では Ciaccona ( チャッコーナ )です。
特定の低音及び和声進行で繰り返す曲の呼称の1つです。
さあ、石田様が聞かせてくれますよー。 だって、この第5曲は石田様の十八番ですもの!
過去の石田様リサイタルでも、よく弾いてくれています。
この第5番だけ取り出して弾く事も有ります。
ほーら、期待に反せずに、石田様は上に伸び上がったり、膝を大きく屈伸させたり、
右足の踵をドシン! と床に踏みつけたり大熱演です。
移弦だらけの箇所は、石田様は右肘を激しく上下させています。
あれで、隣の弦を触ってしまわない所が石田様の凄い所なんです。
流石に二へドンの石田~リンは違うわ!!
石田様は、ヴァイオリンのあご当てをズボンのももの部分に押し当てて ずべ~と拭く事が
よく有るのですが、今日もここに来て、その仕種を見せてくれました。
客席から見ていると分かりませんが、滑る程の汗をかいているのでしょうね。
演奏後、客席の誰もが思ったに違いない事。
それは、「 うーん。 凄いー!! 」。
凄いですよ。 凄いの他に、どんな感想が有ると言うのですか?
Wikipedia にはこんな事が書かれています。
( 無伴奏パルティータ 第2番 の項より抜粋 )
「 非常に難易度の高い事で知られ、ヴァイオリ二ストの技量、表現力が問われる。」
あらー、こんな難曲が十八番だなんて、本当に石田~リンは最高!!
もう石田~リンが神様にしか見えなくなりました。
格好良い神様が、大股で退場して行きます。 二へドンの目は涙でウルウルです。
暫くの間の後、石田様と中岡さんの2人が又ステージに姿を現します。
石田様は調弦をします。
第2部の2曲目は、ピアソラの 「 忘却 ~ オブリビオン 」 です。
ピアノのイントロ部分の演奏が始まります。
この時、石田様は両腕を組み、右のつま先を上げ、じっと下を向いています。
ほーら。 やっぱり中岡さんのピアノに対する愛が違う。
中岡さんは大学の頃からピアソラが好きだと言っておりますが、本当にピアソラの曲になると、
ピアノに向かう姿勢からして違うもん。
目に入れても痛くない程、溺愛している愛娘に向かっている様なピアノに対する接し方です。
石田様のヴァイオリンも負けてはいません。
お父っつぁんが2人、愛娘の自慢合戦している様な感じです。 ( 笑 )
石田様は眉をピクン、ピクンと2回 上に上げました。
はあー。 石田様の弓の上に垂れる様に置かれた彼の指に見とれます。
美し過ぎる。。。。。。。。。。。。
第2部の3曲目はピアソラの 「 来るべきもの 」です。
中岡さんのピアノの前奏がゴージャスな香りを周囲に撒き散らします。
これを演られると、マダムは陥落なのよ。
( 演奏者の意向はともかく、勝手に陥落させられちゃいますからね! うひ。)
そこへ持って来て、石田様のヴァイオリンが悩ましげな音で二へドンの心を激しく誘惑します。
( え? 誘惑しているつもりは無い? いえ、勝手に誘惑させられちゃってますぅ!!
もう二へドンの事、誘拐しちゃってもOKだから!?
そして、東京湾にドボン!? あ・・・・・・・・誘拐は無かった事に!! )
石田様は演奏の合間にドンドン! と足踏みをします。
あ、もしかして、それは 「 二へドンドン! 」 という私的なメッセージですか?
もしかしてモールス信号で、二へドンに愛を語っているとか?
いやいやいやいや・・・・・・・・・。
美しく狂おしい音色に包まれると、人は妄想スイッチが入っちゃうんだってば。
このコンサートを聞きに行かれた方は、皆そうですよねえ?????
石田様の背後で、ピアノに向かっている中岡さんが右腕を大きく回転させるのが見えました。
乙女達の うっとり度も最高潮に達した頃なのに、なのに、なのに。。。。。。。。
客席中央から大きな鼾が聞こえました。 うげげげ・・・・・!
聞かなかった事にして石田様の演奏に集中します。
石田様は中岡さんの方を向いて、中岡さんも石田様の方に身体をひねって向き合いフィニッシュ!!
ちょっとジェラシーを感じる瞬間。
音楽家同士っていいなあ。 お仕事で石田様とアイ・コンタクトを取れるんですよ!!
二へドンも石田様と 愛・コンタクトを取りたあ~い
音が閉じた後、中岡さんが嬉しそうに微笑む顔がピアノからピョコンと上がったのが見えました。
会心の演奏だったって事ですかね。 もう本当に良かったもん!! ぱちぱちぱちぱち!
第2部の4曲目は ヴィジョルド作曲の 「 エル・チョクロ 」です。
石田様のヴァイオリンから音が始まります。
石田様のピチカートの演奏の所でピアノの伴奏がスタートします。
お得意の技が出ましたよ。 うふふ。 石田様がヴァイオリンの渦巻きを
肩の上でグルリンと反時計回りに回します。
石田様のドスン、ドスンと云う足踏みに、中岡さんもピアノの縁を掌で叩いて応えます。
「 エル・チョクロ 」ならぬ 「 えろ・チョクロ 」的なムードに客席は催眠術に掛かった様に
ポワーンとなります。
うはッ!! 最後の狂おしいまでに情熱的なフィニッシュは何だ!?
この曲は石田~リンが何度となく二へドンの為にステージで演奏してくれていますが、
( いいの。 いいの。 勝手にほざかせておいて。 )
こんなに凄い演奏は音楽史の歴史に残っちゃうかも?
演奏の後、石田様は上を向いて溜め息を吐き出します。
石田様が背中にやさぐれた哀愁を漂わせながら、酔っ払いの足取りで(?)退場して行きます。
中岡さんの後ろを通る時に石田様は中岡さんに向かって左腕を高く突き上げました。
石田様が左耳に着けているゴールドのイアカフが きらりん! と煌きました。
中岡さんは客席に向かって深々とお辞儀をしました。
中岡さんも、石田様の後について退場しました。
そうなんです。 これでプログラムに書かれている曲は全曲終了してしまったのです。
が!!
石田様がこれで終わる訳がない!!
ほーら。 やっぱり石田様と中岡さんが再びステージに出て来てくれました。
今度は石田様ったら、マイクを持ちましたよ。
「 えーーーーーー。 楽しかったですか?」 会場からは大拍手が巻き起こります。
「 えーーーーー。 えーーーーーーー。 まあ、かなり疲れちゃってますけど、
あのー、映画 『 ひまわり 』 のテーマです。 」
石田様は掌を天井に向けて中岡さんの方に差し出し、演奏を促します。
すると中岡さんが、しんみりと、しっとりとピアノの音を奏でます。
石田様のヴァイオリンの音が仲間入りをすると、客席は声にならない溜め息の渦で包まれます。
ピアノが間奏をしている間に、石田様はヴァイオリンのあご当てをズボンの腿の部分にズベーッと
こすります。 2回連続技です。
石田様はそのまま、項垂れる様に下を向いてじっと立っています。
ハーッと溜め息混じりに上を向いて、しばらくそのままの姿勢を続けています。
石田様がヴァイオリンを構え、弓を動かすと、透明なせせらぎの様な音が迸ります。
石田様のヴァイオリンの音色からは、絶対にマイナスイオンが出てますって!!
その位に清涼な音なんです。
ソフィア・ローレンを100人束ねても、石田~リンの音色の方が綺麗なんだから!!
曲が終わると、石田様が言いました。
「 えー、まだ弾きます。 」 客席から大きな拍手が起きました。
疲れていてもファン・サービスをしてくれちゃう石田様、最高です!!
「 えー、次はガーデのジェラシーを弾きます。
この曲はどういう曲かと言うと、日本語で『 嫉妬 』・・・・・・・・・・・。
まあ、嫉妬的な・・・・・・・・・・・・。 」 客席からクスクス笑い。
「 ・・・・・・・・・・・・・ 聴いて下さい。 」
椅子が無かったら、気絶して床に倒れちゃう女子が続出しそうな、石田~リンの
悩ましい演奏です。
石田城大奥は既に十分過ぎる程のジェラシーの嵐が吹き荒れているから、
もうジェラシーは沢山なのに、石田様はそんな事を知ってか知らぬか、
情熱的な『 ジェラシー 』 を弾いていきます。
会場の空気が、すっかりピンク色に染まった頃、曲が終わりました。
石田様のトークです。
「 えー、ありがとうございました。
えー、今日は、CDの販売と、最近こうDVDを出しちゃったりなんかして・・・・・・。
後で、もしあれでしたら、買っちゃったりなんかしちゃったりなんかしちゃって・・・・。
( 客席・笑い )
もう1曲弾きます! ( 歓声&拍手 )
ガーシュウィンの『 サマータイム 』です。
サマータイムって言うとどんな曲かと言うと・・・・・・・・日本語で「 夏の時間 」・・・。
夏の時間です。 」
石田様の話の展開は、もうバレバレなのですが、それでも聞く度に客席の人が笑い声を立てて
しまうのは、もう石田様への愛に他なりませんよね。
皆、本当に石田様を愛しちゃってるんだから、全くもー!!
石田~リンは左手はヴァイオリンから離して
右手でヴァイオリンのあご当ての部分だけをつまむ様に逆さに持ちます。
くるりと素早い動きでヴァイオリンを肩に乗せると、甘く気だるい感じで弾いていきます。
石田様は流石です。 クラシック一辺倒ではなくて、こういう気だるい退廃的な音も出しちゃう
所が本当に凄いです。
二へドンが石田様が弾く「 サマータイム 」が大好きなのは、甘~く弾いた後、
突然、曲調が変貌するのですよ。
石田様がパラリと音を立てて楽譜をめくると、その「 パラリ 」の音が合図かの様に
ジャズ・バージョンのテンポの速い「 サマータイム 」が展開されます。
格好良いよー。 二へドンもこのアレンジで弾いてみたいー。
出来たら石田様とデュオりたいー!!
演奏が終わると、石田様は舞台の縁まで歩を進め ( ドキ!っとする瞬間 )お辞儀をしました。
全てが終わったのが 21:08。
おお、やっぱり今夜も石田様は大サービスの大熱演をしてくれたのでした。
どこかから、こんな声が二へドンの耳に入って来ました。
「 ファンの人は喜ぶね。 じゃ行きましょう。 」
はい! はい! はい! はい! 二へドンはもう少しで本当に手を上げてしまう所でした。
「 はい! 私が、そのファンの内の1人です!!
喜びました!! どえらー 喜びました!! 」
石田様、お疲れ様でございました。 今日も痺れました!!
***** 「 8月26日石田泰尚ヴァイオリン・リサイタルレポ 後半 」 ・ 完 *****
横浜バッカスブラスオーケストラ! #25定期演奏会
ベルリン・フィルハーモニー弦楽五重奏団@杉田劇場
はじめてのクラシック 2011年 東京公演
第7回 イマジン七夕コンサート 2011
第272回 神奈川フィル定期演奏会
第7回 大阪国際室内楽フェスタ 予選第1日目
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Posted by ニヘドン at 18:58│Comments(2)
│コンサート
この記事へのコメント
ビーズアクセサリーはやっぱりラインストーンがキレイですよね。
Posted by ラインストーン at 2009年04月09日 17:08
> ラインストーン様。
こんにちは。 コメントありがとうございます。
二へドンは昔、社交ダンスの衣装を作っている会社で
事務のバイトをしていました。
その時に縫製部で、衣装にラインストーンをつける
お手伝いを何度かした事がありました。
あの作業は楽しかったです!
こんにちは。 コメントありがとうございます。
二へドンは昔、社交ダンスの衣装を作っている会社で
事務のバイトをしていました。
その時に縫製部で、衣装にラインストーンをつける
お手伝いを何度かした事がありました。
あの作業は楽しかったです!
Posted by ニヘドン at 2009年04月12日 21:05
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