2010年05月04日
看板に偽り無し! 真に「 福袋コンサート 」だった!!

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2010 には、当日限定販売の「 福袋コンサート 」が有ります。
当日の08:30 から東京国際フォーラムのガラス棟 B 1 階のチケット売り場に並び始め、チケットをゲットしました。
出演者も曲目も価格も全て当日発表になる
「 開けてみなけりゃ分からない 」コンサート。
( 当日、チケットブースの壁に、出演者、曲目、価格は張り出されるので、それを見てから買うか買わないか決めて、勿論OK。)
この日は、「 トリオ・ヴァンダラー 」と云うピアノ・トリオと、
「 ゼスポール・ポルスキ 」と云うポーランドの民俗音楽のグループで、価格は 2,500円。
低価格が売りの LFJで、1番安いチケットが 1,500円だと云う事を考えると、そんなにお得は感じられませんが、これがまた、大満足の内容でした。
LFJ にハズレの企画は無しなんですよ、ホントに。
写真は、会場の Hall B5 < ジョルジュ・サンド > の壁面を飾っていたライティング。
公演番号 #135
17:00 〜 17:45
先ずは1組目の出演者 「 トリオ・ヴァンダラー 」の登場です。
演奏するのはショパンの 「 ピアノ三重奏曲 ト短調 op.8 」です。
3人がステージに登場します。
3人共、皆ごっつい「 が体 」の男達です。
もし森の中で彼等に出会ったら、絶対に木こりのトリオだと思うでしょう。
まさか音楽家だとは思えないでしょうねぇ。
ヴァイオリンのジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャブディアン( 名前長いなあ。(^_^;))は、肩まで届く髪を後ろでちょこんと結んでいます。
チェロのラファエル・ピドゥに、ピアノのヴァンサン・コックがメンバーです。
3人共、黒いシャツに黒いズボンです。
ピアノとチェロの2人は頭が半白です。
何歳位なんでしょう?
白人は老けて見える人が多いからねぇ…。
第1楽章
あきゅーん。何て色っぽくて、ソフトランディングな音を出すのかしら。
こ…こ…こ…これが大人の音楽ってもんよね。はひ〜ん。
3人の立派な体格から想像するのは、力任せの荒々しい演奏だけど、全然、全然!
ぶんぶんぶんぶん!
ヴァイオリンのヴァルジャブディアン氏の柔らかな右肘と右手首に、ニヘドンの心まで軟体動物と化し、もうデレデレ。
彼等の見た目と、紡ぎ出す音のイメージの落差が本当に不思議です。
ミック・ジャガーとかジョージ・ハリスンみたいな腰の細い連中なんて、ドカ〜ンと跳ね飛ばしちゃう位の巨漢達なのに、音は最高に柔らかい。
押すんじゃなくて、引くテクニックって迫って来ますね。
しかも、ガーッと引くんじゃなくて、ちょっとだけ、そっと引いて見せるの。
それをやられると、フツーの女はコロリと参るわね。
第1楽章の後、客席から拍手が起こってしまいました。
第2楽章
春の日差しの明るさに満ちた色っぽい演奏も絶妙です。
まだ年齢が若いピアノ・トリオ達が殊更にエロを全面に押し出して来る訳じゃない。
素知らぬ顔をしていても匂い立つ様な感じ。
コロリ。ニヘドンはやられっ放しです。
冴え冴えとした月の夜に、眠りに入る前に彼等にベッドサイドで演奏してもらいたい!!
第3楽章
静かにしっとりとした音で包んでくれます。
ヴァイオリンの音は「 お嬢さん、良い子は早くお家に帰りなさい。」と諭されている感じです。チェロが深〜い温もりを音に宿し、投網でも投げる様に音を客席に投げ掛けます。
こうして聴衆の心は彼等にまんまと掴まってしまったのです。
Posted by ニヘドン at
18:38
│Comments(0)
2010年05月04日
ラ・フォル・ジュルネ 2010 早くも総括してしまおう!

2010年05月04日(火)
寝坊しました!
LFJ ( ラ・フォル・ジュルネ )に行くのに07:00に起きました!
(-.-;)
やはり迷いがあったからでしょうね。
( 07:00 に家を出ても、福袋コンサートのチケットは手に入らないのでは? )
もう、こういうマイナス思考に取り憑かれたら、何事も上手く行きませんね。
何が何でも福袋コンサートのチケットを手に入れる!! と心を燃やし、寝袋持参で東京国際フォーラムの敷地の植え込みの中に潜り込む位の気力が必要でしたね。
すると、イケメン・ピアニストのボリス・ベレゾフスキーが通り掛かって、
「 お嬢さん。そんな所で寝ていたら風邪をひいてしまうよ。
良かったら僕のホテルに来れば。
スイートで、使ってないベッドルームが1つ有るから。」
なんちって! なんちって!! うきゃー!
しかし、妄想力だけでは朝早く起きる事は出来なかった…。orz.
寝坊したついでに、洗濯物をベランダに干し、PCを起動しmixi ボイスで今日も LFJ に行く事をマイミク達に向かって呟きました。
08:37 家を出る。
09:00 保土ヶ谷駅前の松屋にて朝のソーセージエッグ定食。 390円也。
LFJ 開催中は家で食事が取れないので、無性にガッツリと食事を取りたかったのです。
09:15 保土ヶ谷駅へ。
09:21 君津行きの横須賀線に乗る。
09:50 新橋駅に到着。
東京国際フォーラムまで歩く。
10:15 ヴァレ・ノワール広場のステージ前の椅子を1つキープ。
ダッシュでチケット売り場へ。
印刷されたタイムスケジュールでは、未定になっていた公演番号 # 344 の詳細が張り出されていたのを、さっき横目で見ていたのです。
S席のみの販売だったのですが、ピアニストのエンゲラーが出るのを見て即買い。
10:00 過ぎると、チケットブースには誰も並んでいませんでした。
ニヘドンが姿を現すと、チケット売りのお兄さん&お姉さん達が、「 私の所に来て!」って目力を込めてニヘドンを愛想笑いで誘います。
一瞬どこに行こうか迷いましたが、ニヘドンの本能は確かに働き、ハッと気が付いたらニヘドンは若いお兄さんの前に立っていたのでした。
10:30 ヴァレ・ノワール広場のステージで
The Pink BAcCHus ( ザ・ピンク・バッカス ) の演奏の始まりです。
小編成のオーケストラで曲はバッハの「 無伴奏パルティータ 第2番 シャコンヌ 」
ニールセンが管弦楽版に編曲したものです。
彼らの演奏は非常に緻密で、音楽を理解している集団です。
安心してこちらの耳と心をお任せ出来ると云う感じです。
シャコンヌの耳に馴染んだテーマも、ソロで弾くのもいいですが、こうしてみんなで音を重ねるのも楽しそうですね。
がぜんニヘドンも自分で弾いてみたくなりました。
10:20 演奏終了。
例によって例のごとくニヘドンは周囲のブースを冷やかして歩きます。
な…何と!!
島村楽器のブースが、まだ朝だっちゅうのに、いきなり最終日セールスを始めました。
グッズは全部20% 引きです!
うっひょ〜!
島村楽器さん、太っ腹過ぎです。ヾ(≧∇≦)〃
ニヘドンは980円の譜面台に目が吸い付きました。
ヴァイオリンを習い始めた時に買った譜面台が、4年間使っている内に、持ち運びの度に、ネジが1つ外れ、小さなリングが1つ外れ……。
今では練習中に譜面台がすーっと音も無く地盤沈下して行く事も有ります。
練習中にテキストの右と左の重さのバランスが悪いと、何かの拍子で譜面台がゆっくりと回転を始め、楽譜が向こう側に向いてしまうと云う事も有ります。
何しろニヘドンは「 明日から 」お金持ちになる人なんで、今日はまだ新しい譜面台を買う余裕は有りません。
でも、1,000円以下なら、宝くじに当たる前でも買えますよ!
ニヘドンの他にも庶民の皆さんが、この20%オフに殺到し、レジの前は行列が出来ました。
譜面台が飛ぶ様に売れていました。
そう。譜面台って、使い様によっては便利なんですよ。
楽譜を乗せるだけが芸では有りません。
玄関のウェルカム・ボードとしても使えるし、インテリアとして命のダーリンのサイン色紙のディスプレイに使ってもいいしね。
楽器の演奏をしない人でも、1つはあると便利なアイテムです。
タオル干しにも使える……かな…?
980円が20%オフで780円でした。
よし! いい買い物をしました!(^o^)
そのままブースを横に横に流れて行き、
プランタン銀座のブースでフランスのクッキーの試食をさせて貰い、お姉さんが丁寧な商品説明をしてくれました。
お手洗いに行ったりして、のんびり過ごします。
11:00 PRONT IL BAR にてホット・コーヒー レギュラーサイズ 200円をテイクアウト。
地上広場のベンチに座って時間を過ごします。
人々の喜びに満ちたお祭り気分を浴びながら、初夏の爽やかな風に吹かれて過ごす休日は至福のひと時です。
ニヘドン、LFJでは3日間ずっと幸福だったなあ…。
12:10 講演会の為に並び始める。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今日もニヘドンがゲット出来なかった福袋コンサートの内容を記しておきますね。
公演番号 # 333
「 福袋コンサート 」
♪ マルチン・コジャク ( ピアノ )
ショパン / バラード第4番 へ短調 op.52
ショパン / ポロネーズ 変イ長調 op.53 「 英雄 」
♪ ブルーノ・リグット ( ピアノ )
ショパン / ワルツ えいハ短調 op.64-2
ショパン / ワルツ 変ホ長調 op.18 「 華麗なる大円舞曲 」
♪ アンドレイ・コロベイニコフ ( ピアノ )
ショパン / ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35 「 葬送 」
10歳でコンクールに入賞したマルチン・コジャク君を聞き逃したのは惜しいですが、又いつかリベンジさせて下さい。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、LFJが全プログラムを終了するまでに後8時間も残しているのですが、早くも LFJ 2010 の総括をしますね。
LFJは素晴らしかった。
何が素晴らしいって、ニヘドンの心の受け入れ態勢を変えてしまう影響力が素晴らしいのです。
例えば、普段1回演奏会に行くとしましょう。
楽しかったですね。
で、それで?
……… 1回演奏会を楽しんで、それで何かが変わりましたか?
恐らく音楽は左の耳から入って、右の耳から抜けて、貴方にはいつもと変わらぬ日常が横たわっているだけじゃないですか?
でもLFJ は、毎年毎年ニヘドンの「 何か 」を変えてしまうのです。
今年はショパン生誕200年の「 ショパン・イヤー 」です。
で、ニヘドンの 2010年の目標は、
「 如何にしてショパンを聞かずに、ショパン・イヤーをやり過ごすか 」だったのです。
いえ、ショパンが嫌いな訳ではありません。
ニヘドンは普通にショパンを聞きますよ。
聞けば聞いたで、感動は有りますよ。
でもね、元々ショパンが好きな人は、ショパン・イヤーで有ろうと無かろうと、いつでもショパンを聞いている筈です。
「 ショパン・イヤー 」だからって、あちこちで俄かショパン・ファンが増殖するのが、ニヘドンには同調出来ない訳なんです。
世間が「 ショパン 」「 ショパン 」と騒げば騒ぐ程、ニヘドンは下を俯いて
「 いや、ニヘドンはショパン無くても生きて行かれるから。」と
嘘吹く体たらく。
なのにショパンをテーマにしたLFJに来てどうするの〜!? ( 笑 )
でもね、2日と半日LFJに入り浸っている間に、ニヘドンには既に大きな変化が訪れてしまいました。
「 あれ? 今、ニヘドンは素直にショパンを受け入れられる!」
きっかけは、イベント広場で無料の演奏を披露してくれたポーランド出身のピアニストのフィリップ・ヴォイチェホフスキ率いる3人のピアニスト達です。
演奏と、マルチスクリーンを使って、聴衆を「 体感 」させる音楽体験の場を創り出してくれました。
これって、ニヘドンが今のめり込んでいる Japanoise ( ジャパノイズ ) のライブに相通ずる物が有るのです。
クラシック音楽祭で、ジャパノイズ体験が出来る!?
そして「 ワルシャワに恋して 」というタイトルが付けられたイベントは、ショパンの有名な曲は何と何とジャズタッチだったのです!
格好いい〜! かっけ〜!
素敵


そして小曽根真さんとポーランド出身の歌手アナ・マリア・ヨペックさんの即興演奏でズギュ〜ン!!
小曽根真さんの神技は、それだけに止まりませんでした。
ショパンの名曲にピアソラのリベルタンゴをぶつけて来たのです!
おいおいおい!
ショパンってジャズにもタンゴにもピッタリ嵌る!!
ねえ、ちょっとヤバくないですか、これ!?
物凄く話を飛躍させていいですか?
最初にジャズを作った人はショパン!?
最初にタンゴを作った人はショパン!?
ええ”ええ”〜!?
ね? LFJ は、常識を覆えす!!
面白い。実に面白い。
もう止められません。
ラ・フォル・ジュルネ。
Posted by ニヘドン at
17:28
│Comments(0)